ものづくり補助金平成25年度建設業群馬県

「荒廃した竹林整備サービス」と低温炭素化技術を用いた竹炭の試作開発事業

小坂建設株式会社

成果燃焼時間 12時間→8時間

この事例のポイント

  • 放置竹林の荒廃が深刻化しているが、竹は利用価値がなく処分に経費がかかるため、整備が進まない。
  • 窒素雰囲気型炭化炉を試作開発したトウネツに依頼し、同炉を竹炭製造用に改良して大型化した装置を製作した。
  • 燃焼時間 12時間→8時間。300℃以下の低温で8時間以内に竹炭を製造でき、1日2回以上の生産とコンピュータによる炉内温度の自動制御を達成した。

事業者のプロフィール

事業者名小坂建設株式会社
所在地群馬県 沼田市
業種総合工事業
技術分野バイオ,複合・新機能材料
従業員数21人
資本金2,000万円
設立1954年

事業の背景

当社は群馬県沼田市に本社を置く総合建設業者で、利根沼田地域の放置竹林の荒廃公害が悪化の一途をたどっていた。地主の高齢化や民間所有などの事情から竹林は放置されがちで、竹は処分にも経費がかかっていた。当社は伐採した竹を現地でチップ化し土壌改良材として利用する試みで一定の成果を上げていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力放置竹林の荒廃が深刻化しているが、竹は利用価値がなく処分に経費がかかるため、整備が進まない。
  • 新製品・新技術竹を付加価値の高い商品にするため、低温で竹を炭化する竹炭の商品開発が必要だった。
  • 新製品・新技術炉内を真空にして300℃以下で短時間に竹を炭化できる装置が必要だったが、既存の装置では対応が難しかった。

やったこと

窒素雰囲気型炭化炉を試作開発したトウネツに依頼し、同炉を竹炭製造用に改良して大型化した装置を製作した。装置の真空引きでは炉内に温度のムラができ焼きムラが発生したため、コンピュータの制御パターンを操作し真空に引くサイクルを30分に1回とすることで炉内の対流を起こし問題を解決した。試作を繰り返し、燃焼時間は当初の12時間から8時間へ短縮した。電子顕微鏡で竹炭特有のハニカム構造と、吸着作用のもととなるミクロポリアの微細孔を確認した。装置は当初予定していた軽量化と小型化は達成できなかったが、300℃以下の低温で8時間以内に炭を作り、1日2回以上(660キロ)の生産とコンピュータによる炉内温度の自動制御という目標を達成した。

加工機窒素雰囲気型炭化炉(竹炭製造用に改良・大型化した低温炭素化装置)

新しい製品・サービス:低温炭素化技術を用いた竹炭

事業の効果

  • 燃焼時間 12時間→8時間
  • 1日に2回以上(660キロ)生産

300℃以下の低温で8時間以内に竹炭を製造でき、1日2回以上の生産とコンピュータによる炉内温度の自動制御を達成した。試作した竹炭は活性炭を上回るアンモニア吸着作用があると考えられ、大きな可能性が分かった。B to Bでは大手量販店や取引先との取引を想定し、B to Cではネット販売を始めた。2020年の年間売上は990万円を見込んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    放置竹林の荒廃対策として土壌改良材のチップ化に一定の成果を上げた経緯が書かれ、竹炭商品開発への流れはうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    放置竹林の荒廃や竹に利用価値がないという環境は書かれるが、自社の経営資源の強みとの関係は具体的に述べられていない。

  • 課題の認識と解決4

    竹の利用価値がない課題に対し、低温炭素化による竹炭商品化で付加価値を高める方針が書かれ、課題と解決策の対応は読み取れる。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    300℃以下で8時間以内、1日2回以上(660キロ)生産、2020年の年間売上990万円見込みと数値目標が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員数21人と装置を外注したことは書かれるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    B to Bの取引先やB to Cのネット販売、人体無害・吸着などの特徴が具体的に書かれ、顧客と価値が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    燃焼時間12時間から8時間への短縮や炉内対流の解決など試作の課題解決経過は書かれるが、中長期スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    低温炭素竹炭は活性炭を上回るアンモニア吸着作用を持つとされ、用途も多岐にわたり、同分野で高付加価値を狙う内容が読める。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    全国的な放置竹林の荒廃公害や地滑り・害虫の発生など社会課題が書かれ、国が補助する理由の一端はうかがえる。

  • 費用対効果2

    費用対効果を示す投入額や付加価値増加額の記載はなく、売上見込みのみでありわずかにうかがえる程度。

  • イノベーションへの貢献3

    低温炭素化による竹の商品化で荒廃竹林対策に貢献する構想はあるが、デジタル技術や地域サプライチェーンへの波及は具体的でない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    利根沼田地域の放置竹林問題を地域特性として捉え、竹を地域の付加価値商品に変える事業であることが具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

2020年の年間売上は990万円と見込んでいる。

  • 目標:2020年の年間売り上げを合計990万円と見込んでいる

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。