ものづくり補助金平成25年度製造業群馬県

環境エネルギー部品製造プロセスの一元化と生産効率の改善

フジハツ工業株式会社

成果手配確認所要時間を54%削減

この事例のポイント

  • タレパン工程でカス上がり不良が全不良の70%を占め、金型の過剰使用による摩耗が原因だが、金型のパンチ数を管理できず、不良が出てから研磨する後追い対応のため多大なロスが生じていた。
  • タレパン工程のカス上がり不良の原因であるカス上がりを検知するため、カメラをセンサとして設置位置を検討し、設備の構造・寸法・形状・動力を調査した。
  • 手配確認所要時間を54%削減。生産管理システムの導入により、手配確認、売上処理、残業、間接人員、在庫の各面で一定の改善効果を挙げた。

事業者のプロフィール

事業者名フジハツ工業株式会社
所在地群馬県 伊勢崎市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数65人
資本金5,000万円
設立1948年

事業の背景

主力はマスフロコントローラーや太陽光配電盤設備(パワコン)などの部品製造で、付加価値は高いものの生産効率は低かった。同業他社が受注に消極的な小ロット多品種製品に対応するため、高速タレットパンチプレス、高性能ベンディングマシン、レーザー加工、溶接設備を強化し、高効率化とコスト削減を進めてきた。近年はパワコン部品の生産が拡大し、安定供給や増産、一層のコストダウンが求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度タレパン工程でカス上がり不良が全不良の70%を占め、金型の過剰使用による摩耗が原因だが、金型のパンチ数を管理できず、不良が出てから研磨する後追い対応のため多大なロスが生じていた。
  • 生産能力パワコン部品製造は付加価値が高い一方で生産効率が低く、受注から出荷までの工程間をジャストインタイムで管理する仕組みが不足していた。
  • 生産能力各部署のリーダーが手計算や市販の表計算ソフトで独自に生産管理を行っており、複雑な工程間の管理には限界があった。
  • 生産能力顧客からの納期とコストの要求が年々厳しくなり、作業効率の向上が必須となっていた。

やったこと

タレパン工程のカス上がり不良の原因であるカス上がりを検知するため、カメラをセンサとして設置位置を検討し、設備の構造・寸法・形状・動力を調査した。センサに生じる振動、センサとワークとの距離、センサの強度、角度、安全性を検討し、一台のセンサでは可動域をカバーできないため複数台での利用を検証した。金型の摩耗で食い込みが生じたら設備を自動停止させるシステムを検証したが、振動、光源の乏しさ、刃先部の打ち下ろす速さなどが要因となりデータ収集には至らなかった。加えて、ワンパンチごとにオイルミストとエアブローを照射するプロセスを試し、カス上がり不良を未然に防ぐ傍証を得た。生産管理システムでは、製品別出荷実績データをもとに安全在庫と効率的生産数を変更し、かんばん方式へ切り替える仕組みを構築した。候補ベンダー2社を検討したうえで、実績が豊富なS社と連携して導入に取り組んだ。

ソフト生産管理システム
検査測定カス上がり検知用カメラセンサ

事業の効果

  • 手配確認所要時間を54%削減
  • 売上処理所要時間を72%削減
  • 残業時間を45%削減
  • 間接人員を40%削減
  • 在庫を8%削減

生産管理システムの導入により、手配確認、売上処理、残業、間接人員、在庫の各面で一定の改善効果を挙げた。蓄積された作業実績データを使って現状の不良内容をタイムリーに分析でき、品質改善につなげられるようになった。カス上がり不良の撲滅という目標は達成できなかったが、不良を未然に防ぐプロセスの傍証を得た。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    パワコン部品など太陽光関連の製造が拡大しており、既存取引先の要望を受けた事業と書かれているが、過去取組との連続性の説明は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    小ロット多品種に対応するため高速タレパン等を強化し、他社が受注に消極的な分野で差別化を図ってきたと具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    タレパン工程のカス上がり不良が全不良の70%を占めると数字で課題を示し、生産管理システム導入で改善を図る計画が書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    手配確認所要時間54%、売上処理72%、残業時間45%削減など数値目標と達成度が示されているが、付加価値額や賃上げの目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    候補ベンダー2社から実績豊富なS社と連携して導入に取り組んだと書かれているが、社内の人材や事務体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    パワコン部品は付加価値が高く、海外参入余地が少ないことや20年間保証すべき品質など、選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    センサによる非常停止の検証は行われたがデータ収集に至らず、次のステップとして独自研究を続けると書かれ、スケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    太陽光配電盤設備のパワコン部品で、同業他社が受注に消極的な小ロット多品種分野に注力すると具体的に書かれている。

公的補助の必要性73%
  • 波及効果・雇用4

    メガソーラー市場の急拡大に対応し、海外部品参入の余地が少なく日本製の需要拡大が期待できると国内産業への意義が書かれている。

  • 費用対効果3

    不良削減や効率化の効果は一部数値で示されているが、補助金投入額に対する付加価値増加の試算は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    生産管理システムで在庫を制御し、かんばん方式へ切り替えて多品種小ロット対応を図る点は、ITを活用した生産の一元化として具体的に書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    太陽光発電分野への供給拡大は読み取れるが、日本経済の構造転換に関する記述はわずかにうかがえる程度。

  • 地域経済への波及2

    伊勢崎市の地元中小製造業として記載はあるが、地域の雇用や経済成長を牽引する具体的な記述は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

太陽光発電分野以外への水平展開も視野に入れており、既存取引先の要望を受けた今回の事業は他社への展開も可能としている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。