ものづくり補助金平成25年度製造業千葉県

高性能ワイヤー放電加工機導入による精密プレス金型の製造工程改革

有限会社髙橋製作所

成果金型の寿命 1倍→1.5倍

この事例のポイント

  • 熟練技術者の暗黙知に依る製造技術や、属人的で標準化されていない生産プロセスのため生産性が低く、コスト高になっている。
  • 最新鋭のワイヤー放電加工機を導入し、現有設備では達成できなかった面粗さを実現できるようにした。
  • 金型の寿命 1倍→1.5倍。ダレが解消され、これまで製造できなかった高精度が求められる医療関連の依頼に応えられるようになり、受注額は増加傾向にある。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社髙橋製作所
所在地千葉県 市川市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数12人
資本金500万円
設立1960年

事業の背景

当社はプレス用金型製作を主体とし、プレス加工現場の加工費のコストダウンに配慮した金型作りで、多くの取引先から高い品質の評価を得て事業を拡大してきた。一方で、熟練技術者の暗黙知に依る製造技術や属人的で標準化されていない生産プロセスによる生産性の低さがコスト高の課題となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力熟練技術者の暗黙知に依る製造技術や、属人的で標準化されていない生産プロセスのため生産性が低く、コスト高になっている。
  • 品質・精度ワイヤー放電加工でワイヤーのたわみによる「ダレ」が生じ、製品精度に影響し修正時間も必要になっている。
  • 品質・精度厚みのあるワークを加工すると加工応力によりタイコ形状となり、二次加工での補正が必要になっている。

やったこと

最新鋭のワイヤー放電加工機を導入し、現有設備では達成できなかった面粗さを実現できるようにした。職人の手作業仕上げと比べ、仕上がりのバラツキの解消、加工時間の25%以上の短縮、ワイヤー消費量の15%の削減を見込み、省人化で生じた人員を他部門に振り分けて労働生産性を高める。加工プログラムの開発では、加工データを蓄積・分析し、ワイヤーのたわみを最小限に抑える加工条件を開発した。また、ワイヤーテンション等の最適条件を研究して、厚みのあるワークのタイコ形状を抑える加工条件を開発した。

加工機最新鋭のワイヤー放電加工機

事業の効果

  • 金型の寿命 1倍→1.5倍
  • 最大35%の加工時間の短縮となった。
  • 営業利益率については4ポイント向上した。

ダレが解消され、これまで製造できなかった高精度が求められる医療関連の依頼に応えられるようになり、受注額は増加傾向にある。タイコ形状を抑えたことで二次加工が不要となり、リードタイムの短縮とコストの低減が可能になった。加工時間は最大35%短縮し、加工面精度は倍近く改善された。事業実施後3期連続で増収増益となり、従業員3名の新規雇用や賃上げにも取り組めた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    プレス用金型製作を主体とし、熟練者の暗黙知や属人性によるコスト高を課題と明記しており、事業の延長線上の取組と読めるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    取引先からの高品質評価や医療関連ニーズの取り込みに触れているが、市場動向や競合に対する自社の強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    熟練者依存や非標準化による生産性の低さという課題を示し、ワイヤー放電加工機導入と加工条件開発で対応する計画が具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    加工時間25%以上短縮、ワイヤー消費15%削減、最大35%の加工時間短縮、金型寿命1.5~2.0倍など数字つきの目標と実績が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員12名の企業で、協力会社や専門家の支援を受けたと記載があるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    高精度が求められる医療関連のニーズを捉え受注が増加傾向と書かれているが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    加工プログラム開発とテスト加工の繰り返しなど進め方は書かれているが、中長期のスケジュールや課題解決の段取りは具体的ではない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    高精度加工で他社との差別化を図ると述べているが、分野の普及度や高価格化の水準を示す記述は乏しい。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    新たな雇用として従業員3名の新規雇用に触れているが、波及効果やインフラ面の国の補助の必要性は書かれていない。

  • 費用対効果4

    従業員3名の新規雇用、営業利益率4ポイント向上、3期連続増収増益と、投資後の成果が数字で示されている。補助金額との比較は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    最新鋭の加工機導入で生産プロセスを高度化したとあるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は明示されていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    千葉県内の企業で地域の特性を活かす記述は見られず、地域経済への貢献は間接的にうかがえるにとどまる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も精度向上や生産性向上、製品の長寿命化による高品位化、低コスト化を進め、海外企業の技術向上の中でも同業他社に対する競争優位を得られるよう、生産プロセスの高度化や最新設備の導入に取り組み、労働生産性の向上と受注拡大を目指す。

事業者の声

金型産業は、熟練工の経験と勘にたよる技能労働集約的な加工産業としての要素が強く、当社も例外ではありませんでした。大きな設備投資が難しい中、協力会社や専門家の支援のもと、生産プロセスの高度化に取り組み、生産体制の標準化や効率化、労働生産性の向上といった成果を出すことができました。今後とも、積極的な受注活動と、高い品質を安定的に提供することで、当社の成長に繋げていきたいと考えております。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。