ものづくり補助金平成25年度製造業千葉県

血管炎の病状予測マーカーMPOエピトープの抗原セットの商品化

株式会社A-CLIP 研究所

成果6種類のマーカー抗体を同時に検出できるキットとして商品化した

この事例のポイント

  • 従来型の抗MPO抗体検出法は、病気に関与しない自己抗体も含めて検出しており、病気の状態を正しく示せていなかった。
  • バイオ技術でMPOたんぱく質の重鎖を6つの部位に分けたエピトープ抗原(1種類はたんぱく質全体HW)を持つ組換体クローンを作製し、Niレジン、イオン交換、HPLCクロマトグラフィー…
  • 6種類のマーカー抗体を同時に検出できるキットとして商品化した。難治性血管炎の病気の進行を正確に判定するMPO-ANCAのエピトープ抗原をセットにした診断薬キット「MPO-ANCA-…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社A-CLIP 研究所
所在地千葉県 千葉市
業種化学工業
技術分野バイオ
従業員数8人
資本金1,650万円
設立2012年

事業の背景

当社は千葉大学発のバイオベンチャーで、大学や研究機関で培ってきた有望なシーズを臨床現場で使える製品にまで育てることを目標にしている。有望なシーズでも経営資源が不足して製品化の検討が難しい状況があった。当社代表は、従来の検出法が病気に関与しない自己抗体も含めて検出していることを多くの論文で指摘してきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度従来型の抗MPO抗体検出法は、病気に関与しない自己抗体も含めて検出しており、病気の状態を正しく示せていなかった。
  • 新製品・新技術病気の進行の程度を示すバイオマーカー抗体を別々に検出して病態の重症化度を評価できる検出キットが求められていた。

やったこと

バイオ技術でMPOたんぱく質の重鎖を6つの部位に分けたエピトープ抗原(1種類はたんぱく質全体HW)を持つ組換体クローンを作製し、Niレジン、イオン交換、HPLCクロマトグラフィーを組み合わせて純度の高い高度精製抗原たんぱく質のセットを整えた。血管炎病態診断用のELISAプレートに、H-4からH-9の6種類の高度精製抗原たんぱく質とMPO分子重鎖全体たんぱく質を個々の検出ウェルに固相化し、6種類のマーカー抗体を同時に検出できるキットとして商品化した。重症化を示すMPO部位たんぱく質HW、H-4からH-9に対するバイオマーカー抗体の微量迅速検出条件を設定した。重症化マーカー抗体検出のキット最適化試験を行い、判定の有用性を検証した。空輸後も同等の性能を保持することを評価試験で確認した。

新しい製品・サービス:血管炎の病状予測マーカーMPOエピトープの抗原セットを商品化した診断薬キット「MPO-ANCA-EPI kit」

事業の効果

  • 6種類のマーカー抗体を同時に検出できるキットとして商品化した

難治性血管炎の病気の進行を正確に判定するMPO-ANCAのエピトープ抗原をセットにした診断薬キット「MPO-ANCA-EPI kit」を完成させた。評価試験で診断に十分な検出値が得られ、実際の臨床検体でも検出値が得られることを確認した。空輸後もキット性能が同等に保たれることを実証した。現在は試験研究用として販売を始めており、専門医と共同でトランスレーショナル研究を進めて認可申請に向けて準備している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    千葉大発バイオベンチャーとして大学等のシーズを製品化する方針が示され、過去の研究開発の延長上にあることが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    従来型検出法は病気に関与しない自己抗体も検出するという課題認識と、専門医からの要望への対応が示される。市場優位性の定量分析は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    従来法の課題に対し、6種類のエピトープ抗原を固相化した検出キットを商品化し、評価試験で診断に十分な検出値を実証した点が具体的。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    未検査患者は約10倍、年間100,000人の検査が見込まれると数字で市場規模を示し、目標の裏付けがある。付加価値額や賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員8名で、難治性血管炎の専門医研究者の協力を得て臨床検体試験を行ったと記載され、外部連携の体制はうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客は大学病院等の血管炎専門医で、未検査患者の推定や欧州血清たんぱく質の結果公開による市場拡大など、ターゲットとニーズが数字とともに整理されている。

  • 事業化までの道筋4

    現在は試験研究用として販売中で、トランスレーショナル研究を経て診断薬の認可申請に進む段階的なスケジュールが示されている。

  • 財務と資金の調達2

    経営資源不足から製品化検討が難しい現状があると述べられるのみで、財務状況や金融機関からの資金調達の見込みは書かれていない。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    血管炎の診断薬は一般的に普及度が低く、MPOエピトープ抗原キットで診断の高度化を図る点が示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    難病の診断精度向上と医療現場での利用拡大という社会的意義が示されるが、経済波及や雇用創出の数値は書かれていない。

  • 費用対効果2

    補助金額に対する付加価値増加や生産性向上の数値は示されておらず、費用対効果は読み取れない。

  • イノベーションへの貢献3

    大学研究機関のシーズを臨床現場に応用する点で医療イノベーションへの貢献がうかがえるが、サプライチェーンへの波及は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    診断技術の高度化という医療分野の進展に触れるが、日本経済の構造転換への言及は書かれていない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

大学病院などの血管炎専門医が川下ユーザーになる。血管炎患者は少ないが未検査患者が10倍程度と推定され、年間100,000人が検査を受けることが見込まれる。欧州血清たんぱく質の結果の公開で国際的な市場はさらに膨らむと予想される。

事業者の声

臨床現場での評価を受け更に良い製品にすることを目指しております。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。