ものづくり補助金平成25年度製造業千葉県

センサーケーブル不要な、インフラサウンドセンサ式土砂崩れ検出システムの開発

株式会社サヤ

この事例のポイント

  • 長年の目標であったインフラサウンドセンサーの商品化に取り組む投資余裕がなかった。
  • インフラサウンドセンサーを小型化し、下限を0.1Hzに設定して従来品より大幅な小型化を実現した。
  • センサーケーブル不要の小型インフラサウンドセンサーが完成し、世界最小最軽量である点と、精度・利便性で国外競合製品より優れる点が評価された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社サヤ
所在地千葉県 船橋市
業種電気機械器具製造業
技術分野情報処理,精密加工,測定計測
従業員数3人
資本金1,000万円
設立2000年

事業の背景

弊社は電子機器(ADボード・リモートIO等)の自社開発を中心に事業を展開している。電子機器・音響機器の開発メーカーとして、高知工科大学との共同研究により超低周波の音波計測機(インフラサウンドセンサー)の開発を続けてきた。売上高は3,970万円(平成26年度)だが、日々の業務に追われ、センサーの商品化に投資する余裕はなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術長年の目標であったインフラサウンドセンサーの商品化に取り組む投資余裕がなかった。
  • 品質・精度小型インフラサウンドセンサーは単体では充分な能力を持つが、土砂崩れ検知システムとしては精度が100%に達していなかった。

やったこと

インフラサウンドセンサーを小型化し、下限を0.1Hzに設定して従来品より大幅な小型化を実現した。小型化に合わせてバッテリを内蔵し、災害時の停電にも対応できるようにした。小型センサーを複数台利用し、土砂崩れで生じるインフラサウンドの時間差を検出するシステムを開発した。20Hz以下の音を発生させるため、従来の音響装置では不可能な専用の試験装置を開発した。試作品は高知工科大学で真空チャンバー試験、低温試験、低圧環境試験を受け、0.1Hzの値が安定して測定できることを確認した。

検査測定小型インフラサウンドセンサー(ADXⅡ-INF02)
ソフト土砂崩れ検出システム
検査測定インフラサウンドセンサー試験装置

新しい製品・サービス:小型インフラサウンドセンサー(ADXⅡ-INF02)とセンサ式土砂崩れ検出システム

事業の効果

センサーケーブル不要の小型インフラサウンドセンサーが完成し、世界最小最軽量である点と、精度・利便性で国外競合製品より優れる点が評価された。JAXAでもテストされ、将来は火星等の大気のある惑星探査にも活用できるとの意見を得た。土砂崩れ検出システムは、鉄道や道路の土木工事現場での安全確保用途への導入を目指しており、従来品に比べてコスト面で優位性があるとされる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    自社で電子機器・音響機器の開発を続けてきた経緯と、インフラサウンドセンサー開発の流れは読み取れるが、経営戦略上の位置づけの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    国外競合と比べて精度・利便性で優れ、世界最小最軽量と評価されたとあるが、市場動向の数値や競争上の根拠は示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    土砂崩れ検知は精度が100%に届いていないという課題を認識し、土中水分計測との組み合わせを検討していると書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、0.1Hzの安定計測などの技術確認にとどまり、目標の実現可能性は読み取りにくい。

  • 事業を進める体制3

    高知工科大学との共同研究、JAXAでのテストなど外部連携はあるが、社内の人材や事務処理体制は従業員3名の記載以外に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    土砂崩れ検知の用途、従来比でのコスト優位性、鉄道・道路沿線での導入提案先など顧客像と選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    当初は土木工事現場への導入、その後に精度向上を目指す段階的な展望が書かれているが、スケジュールは明示されていない。

  • 財務と資金の調達2

    日々の業務に追われ投資余裕がなかったとあるが、財務状況や金融機関からの資金調達の見込みは書かれていない。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    国内初の実用インフラサウンドセンサーで世界最小最軽量とあり、新分野の性質は読み取れるが、普及度や高付加価値化の数値は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    鉄道や道路の車両事故など二次災害防止、津波・土砂災害の遠隔監視への役立ちが書かれ、公益性は読めるが経済波及の定量記述はない。

  • 費用対効果2

    従来品に比べてコスト面で優位性があるとあるが、補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    複数センサーで土砂崩れの時間差を検出する仕組みやリモートセンシングの活用が書かれ、防災分野でのイノベーションの方向性はうかがえる。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    火星等の惑星探査への応用可能性は書かれているが、日本経済の構造転換への寄与は読み取れない。

  • 地域経済への波及2

    千葉県船橋市の所在は分かるが、地域特性を活かした雇用創出や地域経済の牽引についての記述は見当たらない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

土木工事現場への導入を提案し、土中の水分量・水位を計測するシステムと組み合わせて、100%近い精度の土砂崩れ検知システムの開発を目指す。今後もインフラサウンド関連製品の開発と事業化を積極的に進める。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。