ものづくり補助金平成25年度学術研究、専門・技術サービス業千葉県

超音波手術システム導入による小動物に対する新たな肝臓疾患への治療改革

株式会社むげん社

成果手術時間(子宮蓄膿症) 45分→25分

この事例のポイント

  • 中・重度の肝臓疾患に対応したいが、極めて繊細な手技が必要で現状の外科レベルでは限界がある。
  • 超音波手術システム(ソノサージシステム、オリンパスメディカル株式会社製)を購入した。
  • 手術時間(子宮蓄膿症) 45分→25分。凝固切開装置による止血の確実化と乳化吸引装置による繊細な部位の手術が可能になり、これまで不可能だった手術ができるように…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社むげん社
所在地千葉県 船橋市
業種技術サービス業
従業員数23人
資本金1,000万円
設立1989年

事業の背景

当社はハロー動物病院を経営しており、近年増加傾向にある内臓疾患、中でも中・重度の肝臓疾患に注目していた。売上高は平成27年度で2億8,600万円である。高度医療の需要は犬猫を中心に確実に増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力中・重度の肝臓疾患に対応したいが、極めて繊細な手技が必要で現状の外科レベルでは限界がある。
  • 人手・技能これまでは大学病院に依頼して検査・治療を行うか、内科治療を当社で行うしか方法がなかった。

やったこと

超音波手術システム(ソノサージシステム、オリンパスメディカル株式会社製)を購入した。本システムは乳化吸引装置と凝固切開装置の2つで構成される。子宮蓄膿症の手術では、通常のメスと比べて凝固切開装置で血管を密封し自動切断することで止血を確実に行った。頸部リンパ腫の手術では、乳化吸引装置で神経や血管を温存しながら癒着したリンパ節を除去した。肝臓生検と避妊手術では、凝固切開装置により過剰な出血を起こさず迅速に止血した。

加工機ソノサージシステム(超音波手術システム)

事業の効果

  • 手術時間(子宮蓄膿症) 45分→25分
  • 従来は合わせて2時間以上かかるところを、30~40分程度手術時間を短縮できた。

凝固切開装置による止血の確実化と乳化吸引装置による繊細な部位の手術が可能になり、これまで不可能だった手術ができるようになった。手術時間は大幅に短縮され、より重篤な疾患や危険な部位の検査も当院で一括して行えるようになった。飼い主の不安や労力、ペットの身体的・精神的負担も軽減された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の高度医療への取組や先端機器導入の姿勢が述べられ、一貫性はうかがえるが経営戦略としての明確な位置づけは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    大学病院に依頼していた状況を自院で完結できる点が強みとして述べられているが、市場動向や競合との比較は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    大学病院への依頼と内科治療しかなかった課題を示し、診断から治療まで自院で担う実効性のある計画が具体的に読み取れる。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    手術時間を平均45分対25分、30〜40分短縮と数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員23名と記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    飼い主の不安や負担軽減、高度医療の需要増加が述べられており、ニーズの裏付けは一定程度あるが定量的根拠は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の再生医療との併用を考えているとの記述はあるが、スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    中・重度の肝臓疾患や難解な部位の手術への適用が示されているが、分野の普及度や高付加価値化の水準は数値で示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    動物の高度医療の敷居を下げ、飼い主の経済的負担を軽くするとの記述はあるが、国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    手術時間の短縮や「いくつかの命は助けられた」との記述はあるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    地域の動物病院に先駆けた高度医療の提供は読み取れるが、地域経済の成長や雇用創出への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

高度医療の需要が増える犬猫について、先端技術を導入してきた当院は、既に導入済みの再生医療と今回の超音波手術システムを併せて使うことを考えている。

事業者の声

ソノサージシステムは、軟部外科手術を行う上ではなくてはならない設備です。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。