ものづくり補助金平成25年度製造業東京都

WORLDLIBRARY 絵本を通じて世界と子どもたちを繋ぐ事業

株式会社ディー・ティー・ジャパン

この事例のポイント

  • 絵本の海外製造・印刷のノウハウはあったが、もともと出版社ではなく、出版界に新規参入する足がかりがなかった。
  • 当社は書店販売を行わず、子どもたちが集まる場所に対する絵本のレンタルサービスと、直販に焦点を絞った営業展開を行った。
  • 事業開始から約5年で、当初4社だった契約企業数が約600社にまで成長した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ディー・ティー・ジャパン
所在地東京都 大田区
業種印刷・同関連業
従業員数5人
資本金1,500万円
設立1996年

事業の背景

平成8年に前身のDT JAPAN社として創業し、絵本やCD・DVD等の高品質な海外製造・印刷ノウハウを有して、手の込んだ印刷加工を安価に製造する価格競争力の高い製造・印刷サービスを提供してきた。出版物の総売上は減少傾向にあるが、児童書は安定した需要があり供給も増加している。一方で、成熟した出版界に後発として進出することは容易ではなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術絵本の海外製造・印刷のノウハウはあったが、もともと出版社ではなく、出版界に新規参入する足がかりがなかった。
  • 販路・情報発信児童書市場では後発の企業が、成熟した出版界で書店販売から進出するのは容易ではなかった。

やったこと

当社は書店販売を行わず、子どもたちが集まる場所に対する絵本のレンタルサービスと、直販に焦点を絞った営業展開を行った。レンタル設置店で使用する絵本棚の試作およびモニター調査を行い、想定マーケットを歯医者や小児科、カーディーラー等に絞り込んだ。ボローニャ・ブックフェア等の海外大型展示会で原書の版権元と即決で出版契約を結び、海外で印刷・製本してコストを圧縮した。原書の出版国の大使館をまわって推薦のことばをもらい、絵本の品質を客観的に裏付けた。歯医者や小児科等を一軒ずつ訪問する地道な営業で顧客を増やした。

その他絵本棚

新しい製品・サービス:世界の絵本をレンタルするWORLDLIBRARY事業の新サービス。英語を学べる絵本と音声の商品もラインナップに加えた。

事業の効果

事業開始から約5年で、当初4社だった契約企業数が約600社にまで成長した。子どもが主役の保育園や幼稚園、小児科などで喜ばれ、試行錯誤の中で方針を大胆に転換したことが今につながっている。英語を学べる絵本と音声の新商品も加えた。一方、営業は実際に絵本を見てもらいながら進める必要があり、現在は首都圏中心のサービス提供にとどまっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    海外製造・印刷のノウハウを活かし絵本レンタルへ展開した点は読めるが、過去の取組との一貫した位置付けの説明は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    書店を避け保育園・歯医者・小児科に絞った点や、海外の出版社と即決で契約する機動力など、外部環境と強みの関係が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    当初4社が約600社に成長し、マンパワーの限界で首都圏中心という課題も認識されている。拡大への対応策は一部のみ示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    契約企業数が4社から約600社への成長は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員5人の体制とマンパワーの限界が書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    月額10,000円のスタンダードプランや子どもが主役の保育園等での評価が書かれ、顧客ターゲットと選ばれる理由が見える。

  • 事業化までの道筋2

    今春の英語絵本追加や首都圏以外への拡大方針は示されるが、スケジュールや課題解決の方法は詳述されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    国内では難しいとされた絵本レンタル事業を実現した点や、海外製造によるコスト圧縮など、新しい分野での差別化が書かれている。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    子どもが集まる場所への絵本普及や推薦のことばの取得などがうかがえるが、経済波及や雇用創出の具体的な記述はない。

  • 費用対効果2

    海外で印刷・製本してコスト圧縮したことは書かれるが、補助金投入額に対する費用対効果を示す数字はない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    出版界の成熟や児童書の需要増加に触れ、新市場への進出が書かれるが、構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

引き続き世界の絵本を翻訳出版しつつ、今後は首都圏以外のエリアにも拡大できる体制を整えたいとしている。

  • 目標:月額の利用料は、スタンダードプランで10,000円
  • 目標:契約企業数 4社→600社

事業者の声

いいものを作るノウハウはありましたが、もともと出版社ではなかったことを生かして、新しい発想で絵本づくりができました。また、当初はカーディーラー等、大人が子どもを連れていく場所をターゲットに考えていましたが、絵本は子どもが主役である保育園や幼稚園、小児科といった場所で大変喜ばれました。試行錯誤を繰り返しながら、その時々で、大胆に方針を転換できたことが今に繋がっていると思います。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。