ものづくり補助金平成25年度卸売業、小売業東京都

地域資源の木を活用した純国産精油の生産体制の確立と成分分析の徹底

アロマト株式会社

この事例のポイント

  • 輸入したアロマ関連商品の通信販売が、同様の商品を扱う業者の増加で競争が激化しており、差別化が必要だった。
  • テスト用としてイタリア製の小型蒸留器を導入し、精油蒸留の可能性を検証した。
  • 純国産精油の製造について、今回の設備導入と試作により品質管理と商品化の目途が立った。

事業者のプロフィール

事業者名アロマト株式会社
所在地東京都 東京都新宿区
業種その他の小売業
従業員数4人
資本金100万円

事業の背景

2004年から輸入したアロマ関連商品の通信販売を行ってきたが、アロマの普及とともに同様の商品を扱う通信販売業者が増え、競争が激化した。差別化のため自社商品の開発を試み、日本製の精油(和精油)に着目した。しかし和精油を生産する事業者の多くは個人事業主や林業との副業による小規模なものであった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信輸入したアロマ関連商品の通信販売が、同様の商品を扱う業者の増加で競争が激化しており、差別化が必要だった。
  • 生産能力日本の和精油を生産する事業者の多くは個人事業主や林業との副業で小規模であり、純国産精油を安定して生産する体制が整っていなかった。
  • 品質・精度精油の成分分析は非常に複雑で、国内に分析機関が少なく技術やデータが蓄積されていなかった。

やったこと

テスト用としてイタリア製の小型蒸留器を導入し、精油蒸留の可能性を検証した。各植物の部位や粉砕方法と採油率の相関分析を行い、従来精油として流通していない木や草(笹、ニオイコブシなど)の可能性を探った。テスト蒸留器は容量12Lで材料を3~5kg程度入れ、湯を沸かして蒸気を発生させる方式をとった。その結果を受けて日本製の中型蒸留器を導入し、原料をクロモジ、ニオイコブシ、杉の3品目に絞って事業化を目指し、精油を23リットル試験採算する目途をつけた。さらに本蒸留器として、事業事業レベルのロットで最適な蒸留時間や粉砕方法を探るため、アメリカ製の大型精油蒸留器を導入した。試作した精油はガスクロマトグラフで成分分析(質量分析)を行い、精油専門の分析機関に依頼した結果、南会津のクロモジはオオバクロモジで、国内の他産地と比べて芳香成分が多いことが判明した。

加工機イタリア製小型蒸留器
加工機日本製中型蒸留器
加工機アメリカ製大型精油蒸留器

新しい製品・サービス:クロモジ・ニオイコブシの純国産精油

事業の効果

純国産精油の製造について、今回の設備導入と試作により品質管理と商品化の目途が立った。クロモジとニオイコブシの精油は、香りの良さと純度の高さ、成分分析による品質の良さを打ち出して製品化し、大型百貨店や大型雑貨店、インターネット通信販売で販売する計画である。また、精油製造で出る蒸留水をフローラルウォーターとして製品化する取り組みも進んでおり、マーケットの拡大が見込まれている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    輸入アロマ通販から自社商品開発へ移行した経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置付けを示す具体的記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    通販業者の競争激化と小規模な和精油生産者の多さを背景に、分析機関の少なさを差別化の材料として挙げている。

  • 課題の認識と解決3

    成分分析の課題認識はあるが、高付加価値化や成長につながる具体的な事業計画の数値や時期は示されていない。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値創出や賃上げを示す目標値は見当たらず、精油23リットルの試験蒸留の目途が書かれるにとどまる。

  • 事業を進める体制4

    社内に認定セラピスト2名、インストラクター2名がおり、蒸留器導入と分析機関への委託も行っている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    病院・介護施設・サロン等への用途提案や顧客ヒアリングに基づく製品化方針が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    小型から大型へ段階的に蒸留器を導入し試作を重ねた流れは読み取れるが、今後のスケジュールは曖昧である。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    国内で流通の少ない和精油の中で、クロモジ・ニオイコブシ・杉を製品化し成分量の高さを打ち出す点が読み取れる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用4

    地域資源を活用し南会津の地域産業化と雇用創出を掲げ、イベント開催などの地域波及も書かれている。

  • 費用対効果2

    費用対効果を示す補助金額や付加価値額の数値は書かれておらず、わずかにうかがえるのみである。

  • イノベーションへの貢献3

    成分分析の徹底とトレーサビリティによる品質保証体制は書かれているが、デジタル技術や新ビジネスモデルへの言及は薄い。

政策面60%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及5

    南会津の地域資源を活用し、地域住民の協力や福島県での高評価、地域イベントを通じて地域経済の成長を牽引する点が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ハッカ、しょうが、柚子の精油の製品化を目指して試作を重ねるとともに、南会津の取り組みを重ね、精油の生産を地域の産業として根付かせ、アロマを普及していく予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。