ものづくり補助金平成25年度製造業新潟県

低コスト・高精度・短納期対応を実現する鋳造模型の開発

吉川化工 株式会社

成果5000ショット以上の命数を有する模型を開発することができた

この事例のポイント

  • 鋳物を新規製作する際、模型費が高くなるか、安価な模型を採用すると精度が低くなる問題があった。
  • 軟質樹脂材を利用した新しい鋳造模型(一体成形樹脂型)を開発した。
  • 5000ショット以上の命数を有する模型を開発することができた。マシニング加工により金型と同等の精度を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名吉川化工 株式会社
所在地新潟県 新潟市
業種鉄鋼業
技術分野精密加工,立体造形
従業員数31人
資本金1,280万円
設立1960年

事業の背景

鋳造品は多品種小ロット化が進み、要求される寸法精度は年々高くなっている。小ロット品向けの鋳造模型でも、低コストかつ高精度な型を作れないかと考えて本事業を検討した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算鋳物を新規製作する際、模型費が高くなるか、安価な模型を採用すると精度が低くなる問題があった。
  • 品質・精度鋳造品は多品種小ロット化が進む一方で、要求される寸法精度は高くなっている。

やったこと

軟質樹脂材を利用した新しい鋳造模型(一体成形樹脂型)を開発した。最適な樹脂材を選定し、材料の仕入れから粗取り、設計、切削加工、仕上げまでを一貫して自社で行った。NC加工の一種であるマシニング加工で高精度化を図り、最適な加工機と製品定盤一体加工によってコストダウンと納期短縮を進めた。様々な樹脂材を試作して評価し、形状・命数・予算に合った材料を提案できるようにした。

加工機マシニング加工機(NC加工機)

新しい製品・サービス:軟質樹脂材を用いた樹脂一体成形型(鋳造用模型)

事業の効果

  • 5000ショット以上の命数を有する模型を開発することができた

マシニング加工により金型と同等の精度を実現した。軟質樹脂材の利用で加工速度が上がり加工時間を大幅に短縮できた。材料調達から仕上げまでを一貫して行い、設計も自社で行うことでリードタイムを短縮した。最適な樹脂を最適な厚みで製作し、5000ショット以上の命数を持つ模型を開発した。複雑な形状の模型も製作できるようになり、様々な鋳造部品で採用された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    鋳造模型の低コスト化・高精度化が事業目的とあり、過去の取組との一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    多品種小ロット化や寸法精度要求の高まりという外部環境と、NC加工・設計技術の強みに触れている。ただし競争優位の根拠は定量的に示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    木型・硬質樹脂・金型の課題を比較表で整理し、軟質樹脂型で費用・精度・納期を両立する解決策を具体的に示している。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    命数5000ショット以上、金型と同等の精度など数値目標・実績が示されているが、付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    材料仕入れから設計・切削・仕上げまで一貫製作できる体制や研究開発2年間の実績は読み取れるが、人員配置や事務体制の記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    関東の機械機器メーカーを中心に営業し、複数の鋳造部品で採用されたとあり、顧客ターゲットと選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    研究開発2年間、材料の試作、関東中心の営業活動など進め方は書かれているが、中長期スケジュールや課題解決の具体的計画は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    軟質樹脂型は従来工法との比較で位置付けられているが、同分野での高付加価値化・高価格化の水準は数値で示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    鋳造産業や地域経済への貢献が述べられているが、波及効果や雇用創出の具体的根拠は示されていない。

  • 費用対効果3

    模型費の低減や納期短縮が述べられているが、補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    NC加工や樹脂材の新規活用で技術革新に触れるが、サプライチェーン全体への貢献は具体的に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    多品種小ロット化という市場変化に対応する技術とされ、構造転換への言及はあるがその根拠は薄い。

  • 地域経済への波及2

    地域経済・鋳造産業への貢献を今後の目標として述べているが、地域の特性を活かした具体的な雇用や成長の記載はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

この技術は様々な応用が可能なため、成果から多方面へ発展させていく考えである。現在は関東方面の機械機器メーカーを中心に営業活動を行っており、手応えを感じている。今後もこの技術で地域経済と鋳造産業に貢献したいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。