ものづくり補助金平成25年度製造業茨城県

建設工事におけるトータル時間・コスト削減を目的とした鋼板への付加価値付与

日新シャーリング株式会社

成果開先加工時間 270分→80分

この事例のポイント

  • 受注が多く、顧客の要望に応えきれないのが現状だった。
  • さらなる受注の見込みと鋼板への付加価値付与のため、平板自動開先加工機と鋼板用ショットブラストマシンを導入した。
  • 開先加工時間 270分→80分。開先加工は最大70%、穴あけ加工は最大約60%の時間短縮が図れ、人件費等を含むコストが大幅に削減できることがわかった。

事業者のプロフィール

事業者名日新シャーリング株式会社
所在地茨城県 笠間市
業種鉄鋼業
技術分野精密加工
従業員数54人
資本金1,813万円
設立1950年

事業の背景

同社は東京都墨田区に本社を置き、建築用大型鋼板の切断加工を行っている。茨城工場では、建設工事で鉄骨組立業者に鋼板を切断して納めている。建設業界では、2020年オリンピック需要や耐震需要などが続き、受注の増加と人手不足が継続し、慢性的な工期遅れが問題となっていた。溶断を専門としてきた同社は、溶断において高い信頼を得ていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力受注が多く、顧客の要望に応えきれないのが現状だった。
  • 人手・技能建設業界の受注増加に伴い、人手不足が続いていた。
  • 納期・工程鋼板の切断・開先・穴あけ加工の早さが鉄骨組み立て工事の早さに直結するが、加工が追いつかない状況だった。
  • 新製品・新技術顧客から切断に加えて開先・穴あけ加工まで請け負ってほしいとの要望が高まっていたが、同社にとって開先・穴あけ加工は新規参入の分野だった。

やったこと

さらなる受注の見込みと鋼板への付加価値付与のため、平板自動開先加工機と鋼板用ショットブラストマシンを導入した。開先加工は鋼板の断面を斜めに加工し、溶接した際の強度を上げる加工で、穴あけ加工はボルト等で接合するための加工であり、どちらも精密さが必要とされるため社員教育を行い、要求に対応できる精度の高い加工を実現した。ショットブラストマシンは穴あけ加工を施した鋼板に微細な鉄球を吹き付けて表面を荒くザラザラにし、ボルトを滑りにくくするための加工に用いる。穴あけ加工に加えてショットブラスト加工まで請け負う体制が整った。

加工機平板自動開先加工機
加工機鋼板用ショットブラストマシン

事業の効果

  • 開先加工時間 270分→80分
  • 穴あけ加工時間 220分→90分

開先加工は最大70%、穴あけ加工は最大約60%の時間短縮が図れ、人件費等を含むコストが大幅に削減できることがわかった。平板自動開先加工機とショットブラストマシンの導入により作業効率が改善し、旺盛な需要に応えられる生産体制が実現した。受注は約1.6倍に増加し、受注に伴う新たな雇用も生まれた。また、新規分野の開拓により、メインユーザー以外の新規取引も見込める。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    溶断で高い信頼を得てきた同社が、開先・穴あけ・ショットブラストまで請け負う加工領域へ広げたことが書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    建設需要の増加と人手不足を背景に、溶断での信頼を強みとして加工範囲を広げる方針が示されている。

  • 課題の認識と解決4

    人手不足と慢性的な工期遅れを課題と認識し、開先加工が通常270分から約80分へ短縮できると示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    受注が約1.6倍に増加し、開先加工で最大70%、穴あけで最大約60%の時間短縮が見込めると数字で示されている。

  • 事業を進める体制3

    社員教育を行い要求精度の加工を実現したとあるが、人材や事務処理体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    建築用鋼板の製造・加工を行い、新国立競技場や東京スカイツリーの材料を手がけ、顧客からの要望に応えている。

  • 事業化までの道筋2

    今後は橋梁分野などへ広げていく見据えがあると書かれているが、スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    開先加工や穴あけ加工は同社にとって新規参入の分野だとされているが、業界全体の普及度は書かれていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    建設工事の遅れや人手不足の解消、新たな雇用創出につながると書かれているが、波及効果は具体的ではない。

  • 費用対効果3

    開先加工や穴あけ加工の時間とコストが大幅に削減できると書かれているが、補助金額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    新しい加工技術の導入は書かれているが、デジタル技術や新しいビジネスモデルの活用は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    橋梁など修繕需要が増える分野への広がりを見据えているとあるが、構造転換との関係は書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    茨城工場で鉄骨組立業者に鋼板を納めていると書かれているが、地域の特性を活かした付加価値は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後、修繕が増えると見込まれる橋梁分野などに広げていくことを見据えている。

事業者の声

『日本一数多くの最高の笑顔をもらう』を企業理念に、1950年の創業以来、鉄鋼厚板の加工・販売で成長し、直近では、新国立競技場、東京スカイツリーなど、著名建築物の鉄骨材の材料も製造しています

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。