ものづくり補助金平成25年度製造業新潟県

異素材を融合させた新商品開発及び、自動研磨装置開発・導入による受注数量拡大と、新規雇用による研磨技術継承

株式会社 アサヒ

成果内面研磨の所要時間(1個あたり) 9分→6分

この事例のポイント

  • 手磨き中心の生産では生産キャパシティに限りがあり、発注が約2倍あっても大幅な納期遅れが生じて受注できない状況だった。
  • 従来は内面研磨をすべて手磨きで行っていたため、カップ内面研磨機(自動研磨装置)を導入し、手磨きの2工程を機械化した。
  • 内面研磨の所要時間(1個あたり) 9分→6分。自動研磨装置の導入により、手磨きの2工程が機械化され、生産効率が向上して納期が短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 アサヒ
所在地新潟県 燕市
業種金属製品製造業
技術分野接合・実装,表面処理,立体造形
従業員数38人
資本金4,100万円
設立1970年

事業の背景

当社は燕市で金属洋食器の製造を行い、新潟県・燕の研磨技術が評価されている。一昨年、石川県の漆器メーカーと共同で、ステンレスカップの表面に漆(山中塗)加工を施す異素材結合の技術を開発し販売に至った。販売後は業界の注目度が高く売れ行きも好調で、当社の生産キャパシティに対して約2倍の発注が寄せられた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力手磨き中心の生産では生産キャパシティに限りがあり、発注が約2倍あっても大幅な納期遅れが生じて受注できない状況だった。
  • 人手・技能研磨作業を担う職人が高年齢化しており、研磨技術を後進へ継承することが課題となっていた。
  • コスト・採算手作業による内面研磨には時間と人件費がかかり、量産化によるコストダウンが必要だった。

やったこと

従来は内面研磨をすべて手磨きで行っていたため、カップ内面研磨機(自動研磨装置)を導入し、手磨きの2工程を機械化した。手作業と同様の研磨レベルを再現するため試作を重ね、手作業と同じ品質・仕上がりを得られるまで調整した。本設備は1人で2工程分の機械操作ができ、人件費のコストダウンにもつながった。そのうえで、削減したコストを活用して研磨技術継承のための新規雇用を行った。

加工機カップ内面研磨機(自動研磨装置)

新しい製品・サービス:ステンレスの表面に漆(山中塗)加工を施したシーマ(漆磨)カップ

事業の効果

  • 内面研磨の所要時間(1個あたり) 9分→6分
  • 1日あたりの生産量 60個→100個

自動研磨装置の導入により、手磨きの2工程が機械化され、生産効率が向上して納期が短縮された。手作業と同等の品質・仕上がりも再現できた。その結果、受注数量と売上高が増加し、人件費の削減が可能となって新規雇用にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    燕の研磨技術と金属洋食器製造の蓄積、石川県の漆器メーカーとの共同開発による異素材結合という一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    業界の注目度が高く、当社の生産キャパシティの2倍程度の発注があったと具体的に書かれており、強みと市場動向が示されている。

  • 課題の認識と解決4

    受注に生産が追いつかず納期遅れが課題と明示され、自動研磨装置導入で高付加価値化と受注拡大を図る方向が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    内面研磨の1個あたり9分が約6分に短縮、1日約60個が約100個に増えると具体的な数値目標と実績が示されている。

  • 事業を進める体制2

    職人の高年齢化や技術指導の時間確保、新規雇用への取組がうかがえるが、事業遂行の体制や人材の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ビール注ぎ時のきめ細かい泡立ちという製品特性や、ジャパンブランドとしての伝統技術の組み合わせ、インバウンドでの好評が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    構想から約2年を要し試作を重ねて手作業と同様の仕上がりを再現したと経緯は書かれているが、今後の中長期の遂行計画は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    漆とステンレスの異素材結合で手磨きと同等の仕上がりを量産化する点が、同分野で高付加価値化を図るものと読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    地場産業である燕の研磨技術の継承と新規雇用の創出が目的に含まれ、地域的な意義がうかがえる。

  • 費用対効果3

    生産効率向上、売上増加、人件費コストダウン、新規雇用につながったと述べられているが、投入額に対する数値的な費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    異素材結合や伝統工芸との共同開発は見られるが、先端的なデジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    燕の研磨技術と石川県の山中漆器を組み合わせ、伝統技術の共宴として地域の特性を活かした高付加価値製品と雇用創出が示されている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も国内市場の開拓を進めつつ、ジャパンブランドをアピールしたデザインで国際競争力を高めていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。