ものづくり補助金平成25年度製造業新潟県

真鍮小型サイズの内径六角ボルト品の試作から量産化へ市場開拓を

有限会社 ユー・アイ工業

成果加工時間 6.7分→1.617分

この事例のポイント

  • 小型サイズ(1mm〜5mm)の内径六角加工品は加工技術が要求され、コストアップにつながるため量産化されていない。
  • 真鍮材を用い、切削加工技術で加工機の特性を生かした専用プログラムと専用刃物による複合加工で六角加工を行い、加工時間の短縮と高品質化に向けて最適なレイアウトを設定した。
  • 加工時間 6.7分→1.617分。加工機が2台から1台になり、段取時間などを削減できた。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社 ユー・アイ工業
所在地新潟県 上越市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数25人
資本金2,000万円
設立1981年

事業の背景

当社は非鉄金属(真鍮・砲金・銅)の加工を得意とする金属製品製造業である。空気圧機器(エアー配管接続金具)などの各産業分野で、小型の内径六角品は構造改革に伴い需要が期待される状況にあった。一方、非鉄分野(真鍮・銅・SUS・アルミ)では外径六角加工品が主力で、内径六角品は量産されていなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力小型サイズ(1mm〜5mm)の内径六角加工品は加工技術が要求され、コストアップにつながるため量産化されていない。
  • 品質・精度内径六角加工は加工が困難で、既存の六角加工品は非鉄分野で外径六角加工品が主力となっている。

やったこと

真鍮材を用い、切削加工技術で加工機の特性を生かした専用プログラムと専用刃物による複合加工で六角加工を行い、加工時間の短縮と高品質化に向けて最適なレイアウトを設定した。NC操作プログラミングの研修を経て、真鍮材で内径六角3mm穴の試作開発を行い、試作品を客先に提出して合格を得た。導入機はシチズンマシナリーA-32VⅡPLである。

加工機シチズンマシナリー A-32VⅡPL

新しい製品・サービス:真鍮小型サイズの内径六角ボルト品(内径六角3mm穴の試作品を含む)。自社製品として内径六角穴サイズ1.5mm〜10mmを開発し、全国100社にサンプルを発送した。

事業の効果

  • 加工時間 6.7分→1.617分
  • 加工数(1時間当り) 10個→37個
  • 段取時間 13時間→6時間
  • 六角部平行(角)度 17.32°→0°

加工機が2台から1台になり、段取時間などを削減できた。内径六角部のずれが改善され、寸法公差が安定して全体の品質が安定した。最小の内径六角品の製品化により部品組込み締付け継手への採用が見込まれ、製品の小型化と組立て部品の軽量化によるコストダウンも期待される。今後はエアー部品や医療・環境・ガス・水道・電気・自動車部品への供給、締付け継手の市場開拓を目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性2

    空気圧機器向け内径六角品の量産化を目指すとあるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    既存の外径六角加工品が主力という自社の状況と、小型内径六角は量産されていない市場の空きが明記され、強みを活かす記述がある。

  • 課題の認識と解決4

    内径六角加工の困難さがコストアップの原因と課題化され、2台から1台への集約や加工時間75%削減で解決策が具体的に示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工時間75%削減、加工数3.7倍、段取時間53%削減など数字つきの目標と成果が示され、付加価値向上の根拠として読み取れる。賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    NC操作プログラミングの研修を経て試作を行ったと記述があるが、人材や事務処理体制の具体的な記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客は部品組込み締付け継手で、客先合格を得たこと、全国100社へサンプル発送したことが書かれ、ターゲットとニーズの裏付けがある。

  • 事業化までの道筋3

    独自製品の商品化、締付け継手の市場開拓を進める流れは示されるが、スケジュールや課題解決方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    小型内径六角品は量産されていなかった分野で、加工困難な製品を製品化して同分野で高付加価値化を図る内容が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    空気圧機器や医療・水道など幅広い分野への供給期待は書かれるが、国が補助する波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    加工時間や加工数の改善数値は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加額など費用対効果の記述はない。

  • イノベーションへの貢献2

    CNC自動旋盤の複合加工によるレイアウト最適化は書かれるが、デジタル技術の活用や地域・サプライチェーンへの貢献は限定的に読み取れる。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    空気圧機器や医療・環境分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換に資するかは書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    新潟県上越市での事業とうかがえるが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

最小の内径六角品の製品化で締付け継手の市場開拓を実現し、トップメーカーを目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。