ものづくり補助金平成25年度製造業新潟県

大型化丸太杭加工設備の導入による地盤補強工事向け丸太杭提供サービスの実現

株式会社室岡林業

この事例のポイント

  • 大量の受注があっても既存の加工機では量産に限界があり、直径20cmの丸太杭は作業員が手作業で加工しており、次第に生産が追いつかなくなっていた。
  • 丸太杭の先を削る「先削り」の効率化を図るため、加工機を導入した。
  • 従来より早く大量に製造できるようになり、納期が短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社室岡林業
所在地新潟県 上越市
業種木材・木製品製造業
設立1980年

事業の背景

環境に優しく比較的安価で、森林資源の有効活用にもなる丸太杭に注目が集まり、全国各地から問い合わせが寄せられるようになった。室岡林業は以前から地盤補強用の丸太杭を製造していた。一方、コンクリートや鉄鋼を用いる工法は製造工程で二酸化炭素を排出し環境負荷が大きく、工事費も比較的高額になる問題があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力大量の受注があっても既存の加工機では量産に限界があり、直径20cmの丸太杭は作業員が手作業で加工しており、次第に生産が追いつかなくなっていた。
  • 納期・工程杭を打ちやすいように先を削る「先削り」の工程が手作業で、納期の短縮が難しかった。

やったこと

丸太杭の先を削る「先削り」の効率化を図るため、加工機を導入した。これにより従来より早く大量に製造できるようになり、納期を短縮した。手作業だった工程が全自動で加工できるようになり、作業員の負担も軽減した。また、会社のWEBサイトを丸太杭に特化してリニューアルし、丸太杭ならではのメリットを分かりやすく掲載し、サイズ表も載せた。

加工機丸太杭の先削り加工機

事業の効果

従来より早く大量に製造できるようになり、納期が短縮された。手作業だった工程が全自動となり、作業員の負担が軽減された。独自の規格を設けて高品質な丸太杭を安定して製造できるようになった。WEBサイトの丸太杭特化により、実際に新規顧客からの反応も増えている。品質の安定と納期短縮により顧客の信頼を獲得した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    以前から地盤補強用の丸太杭を製造しており、その取組を発展させてWEBサイトも丸太杭に特化しているため、事業の一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    環境負荷が小さく安価な丸太杭への注目や、必要数より多く原木を仕入れて急な受注に応じる体制など、外部環境と自社の強みを踏まえた記述がある。

  • 課題の認識と解決4

    既存の加工機では量産に限界があり手作業で生産が追いつかなくなった課題を認識し、先削り加工機の導入で納期短縮を図る内容になっている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    納期短縮や生産の効率化は書かれているが、数値による高付加価値化や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    原木を多めに仕入れる体制や作業員の負担軽減には触れているが、人材の配置や事務処理体制の具体的な記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    公共事業を請け負う建設会社が主な顧客で、真っすぐで太さが均一な丸太杭が求められるというニーズと、独自規格や納期短縮による選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の県外・国外への販路拡大や東南アジア進出の構想は示されているが、遂行方法やスケジュールの具体的な記載は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    丸太杭は普及途上とされ、独自規格による高品質化に触れているが、高価格化を裏付ける数値や水準の記載は少ない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    森林資源の有効活用や環境負荷の少ない工法への転換に触れており、社会的な意義は読み取れるが、雇用や波及効果の記載はない。

  • 費用対効果2

    補助金の投入額に対する付加価値増加や生産性向上の数値は示されておらず、費用対効果はわずかにうかがえる程度である。

  • イノベーションへの貢献2

    丸太杭の適用範囲拡大やコンサルティングへの注力は書かれているが、デジタル技術や新しいビジネスモデルの記載は乏しい。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    環境問題の深刻化を背景に丸太杭の需要増を見込む記述があり、構造転換への寄与がわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    上越市の製材工場を拠点とし国内の森林資源を活用する点は触れているが、地域の経済成長や雇用への言及は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

県外・国外への販路拡大を目指し、将来的には東南アジアなど海外進出も視野に入れている。環境問題の深刻化で丸太杭が必要とされる時代が来ると考え、そのチャンスに備えて準備を整えている。

事業者の声

環境に優しい丸太杭の可能性はまだこれから。今後は コンサルティングにも力を入れ、丸太杭が使用できる建設工事の適用範囲を広げていきたいです。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。