ものづくり補助金平成30年度製造業福島県

木材加工革新的新技術機械導入による生産性向上及び加工技術向上計画

株式会社ツボイ

成果筋違い加工の所要時間 4時間→3.25時間

この事例のポイント

  • 手作業のため精度にもばらつきが生じていた。
  • 羽柄材を加工する高速羽柄三次元切断機を導入した。
  • 筋違い加工の所要時間 4時間→3.25時間。導入した機械により、筋違い・間柱・2×4垂木の各種加工が従来より短時間で行えるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ツボイ
所在地福島県 郡山市
業種木材・木製品製造業(家具を除く)
技術分野立体造形,機械制御
従業員数56人
資本金1,000万円
設立1909年

事業の背景

ツボイは郡山市に本社を置き、AQ指定のプレカット工場で構造材・羽柄材の建築資材を供給している。プレカット材のうち羽柄材を加工していた15年前導入の旧来機は、加工スピードが遅く形状も制限されていた。機械加工に替わって大工職人の手作業に委ねられた結果、精度のばらつき、作業者の負担増、技能伝承の不足が課題となっていた。また県内では特殊加工ができず、他県に流れていた加工依頼を呼び戻せていなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度手作業のため精度にもばらつきが生じていた。
  • 人手・技能高齢化により作業者への負担が増していた。
  • 人手・技能技能の伝承が十分にできていなかった。
  • 生産能力旧来機は加工スピードが遅く形状も制限され、ユーザーニーズに対応しきれていなかった。
  • 生産能力新しい特殊大型案件に対応できなかった。
  • その他電気や騒音による環境負荷が増していた。

やったこと

羽柄材を加工する高速羽柄三次元切断機を導入した。従来機で可能だった筋違い加工と間柱加工を、新しい機械でも想定通りこなせることを確認した。手加工だった2×4垂木の各種加工も角度を変えて検証し、想定通りの仕上がりを得た。筋違い加工は従来機の4時間が3時間15分に、間柱加工は4時間が3時間30分に短縮された。2×4垂木隅木、2×4小屋根太、2×4間柱も5時間から3時間30分程度に短縮され、機械は速い加工スピードで形状も多様に加工でき、総電気容量も小さい省エネ型である。

加工機高速羽柄三次元切断機

新しい製品・サービス:高速羽柄三次元切断機

事業の効果

  • 筋違い加工の所要時間 4時間→3.25時間
  • 間柱加工の所要時間 4時間→3.5時間
  • 2×4垂木隅木の加工時間 5時間→3.5時間

導入した機械により、筋違い・間柱・2×4垂木の各種加工が従来より短時間で行えるようになった。加工形状の多様化と迅速な対応を可能とする体制が整い、プレカット工場の作業に反映されている。省エネ型で電気容量が小さく、環境負荷の軽減も見込める。県内初の機械導入で特殊加工が可能になり、他県に流れていた加工依頼を受けられる体制が整った。目標は年間加工量10%アップ、売上10%アップ、労働時間18.8%ダウンである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    明治42年創業以来110年の伝統を踏まえ、プレカット加工機の一新を進めた流れが読み取れる。経営戦略上の位置付けは記述から推察できる範囲にとどまる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    公共建築物等木造利用促進法や木質耐火部材の認定を外部環境として挙げ、他県に流れていた加工依頼を呼び戻す強みづくりを示している。

  • 課題の認識と解決4

    手作業の精度のばらつき、高齢化、技能伝承などの課題を挙げ、特殊大型案件への対応を目標にしている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工量10%アップ、売上10%アップ、労働時間18.8%ダウンという数値目標を示している。賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    プレカット事業部が担当し、従業員56名、本社と営業所の体制が示されている。ただし補助事業を担う具体的な人員配置や事務処理体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ターゲットを設計事務所、ハウスメーカー、工務店と明示し、デザイン性と施工条件をクリアする加工技術という選ばれる理由を書いている。

  • 事業化までの道筋3

    試運転で想定通りの加工を確認し、中層・高層の木造化の増加を見込んでいる。ただし導入から稼働までの具体的なスケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    木造大規模公共建築という新しいマーケットを狙い、特殊加工が可能になったと述べている。ただし高付加価値化や高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    公共建築物等木造利用促進法に則った木造大規模公共建築が新規マーケットと述べ、国の施策との関連を示している。波及効果の定量的な記述は薄い。

  • 費用対効果3

    加工時間が5時間から3時間30分などに短縮した実績が示されている。補助金額に対する付加価値増加の見込みは書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    高速羽柄三次元切断機の導入と省エネ性は書かれているが、デジタル技術やビジネスモデルでの業界イノベーションは読み取れない。

政策面70%
  • 成長分野への進出3

    木造大規模建築の増加という市場変化への対応は読み取れる。ただし日本経済の構造転換に資するとまでは記述されていない。

  • 地域経済への波及4

    郡山を拠点に福島・いわき・仙台に営業所を置き、他県流出の加工依頼を県内に呼び戻す地域経済への効果を示している。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

国の公共建築物等木造利用促進法を受け、木造大規模公共建築物が新しいマーケットとなる。4~5階建ての中層建築が増加傾向にあり、木質耐火部材が国土交通省の認定を受けたことから、高層建築でも木造化が進むと見込んでいる。ターゲットは設計事務所・ハウスメーカー・工務店などの建築事業者で、デザイン性に優れ施工条件をクリアできる加工技術が求められる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。