ものづくり補助金平成25年度製造業富山県

「高周波接着」の木製建具への応用事業

大栄建材株式会社

この事例のポイント

  • ホットプレス方式は熱の伝わり具合によって乾燥むらが生じ、建具に反りが発生していた。
  • 木製建具の接着・乾燥工程に、電熱線で木材を間接的に温める従来のホットプレス機に代えて、接着剤自体を直接加熱する高周波プレス機(電子レンジ方式)を導入した。
  • 高周波プレス機の導入により接着・乾燥工程で接着剤を直接加熱できるようになり、建具の反りが減少した。

事業者のプロフィール

事業者名大栄建材株式会社
所在地富山県 射水市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工,製造環境,接合・実装
従業員数221人
資本金9,300万円
設立1970年

事業の背景

1970年創業の大栄アルミ工業は、アルミサッシや室内建具の製造を手がけてきた。1990年に木工部門を本格化させ、現在は本社と3工場で1日約1,500本の建具を生産し全国へ出荷している。大手メーカーの規格品の大量生産とは一線を画し、個別の要望に応えるオーダーメード製品の受注拡大を課題としていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度ホットプレス方式は熱の伝わり具合によって乾燥むらが生じ、建具に反りが発生していた。
  • 品質・精度表面化粧板を張った後に側面へ別途化粧板を張っていたため、表面と側面の模様にずれが生じていた。
  • 生産能力ホットプレス機は使用前の予熱や、気温・湿度に応じたプレス時間の調整が必要で手間がかかっていた。

やったこと

木製建具の接着・乾燥工程に、電熱線で木材を間接的に温める従来のホットプレス機に代えて、接着剤自体を直接加熱する高周波プレス機(電子レンジ方式)を導入した。試験室では従来のホットプレス機との扉の反り比較実験を行い、10~15%反りにくいという結果を得た。表面化粧板の折り目の裏にVカット加工を施し、最新式のオートリターンテノーナーを導入して、表面板と側面を連続させた一体的な加工を可能にした。

加工機高周波プレス機(電子レンジ方式)
加工機オートリターンテノーナー

新しい製品・サービス:クローゼット用折戸のデザインを刷新

事業の効果

高周波プレス機の導入により接着・乾燥工程で接着剤を直接加熱できるようになり、建具の反りが減少した。試験室の比較では従来のホットプレス機より10~15%反りにくい結果が得られた。表面化粧板と側面が一体的に形成され、模様のずれが解消されて見栄えが向上した。プレス時間はホットプレス機の半分程度に短縮され、予熱や気温・湿度に応じた時間調整の手間と電力消費も減り、夏場の熱中症対策としても効果が期待されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業から木工部門の拡大、室内建具の製造・販売への展開など過去の取組の流れが書かれ、今回の投資もその延長として読める。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    規格品に加えイージーオーダーやフルオーダーに対応する点、大手規格品と一線を画す方針が書かれているが、市場データや競合比較は見当たらない。

  • 課題の認識と解決4

    反りや乾燥むら、模様のずれという課題を明示し、高周波プレス機とVカット加工で解決する方針が具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    反りが10~15%減、プレス時間がホットプレス機の半分程度に短縮と数値が示されているが、付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    全国展開のための営業所開設や取り付け・メンテナンスまでの体制は触れられているが、補助事業を遂行する人材や事務体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高品質で高級感のある建具、フルオーダーまで応える点、総合メーカーの技術力と信頼をアピールする点が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の販売拡大や受注拡大を目指す方向性はあるが、遂行スケジュールや課題の解決方法の具体的な記述は少ない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    木製建具で高品質化と高水準の付加価値化を図る内容だが、分野の普及度や認知度に関する記述は見当たらない。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    電力消費の削減や夏場の熱中症対策への効果は触れられているが、経済波及や雇用創出への言及は乏しい。

  • 費用対効果2

    プレス時間半減や反り減少の効果は書かれているが、補助金額に対する付加価値増加額などの費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    射水市の企業団地に立地し地域で工場を展開する点はうかがえるが、地域の特性を活かした成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は大量生産・販売とは一線を画し、個別化する顧客のニーズに応えるオーダーメード製品の受注拡大を図り、品質の高さと総合メーカーならではの技術力・信頼を武器に販売を伸ばしていく方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。