ものづくり補助金平成25年度学術研究、専門・技術サービス業富山県

立山の森林資源を活用したエッセンシャルオイルの製造・販売

株式会社プロジェクトデザイン

この事例のポイント

  • 立山の森林資源を使ったエッセンシャルオイルを製造するための抽出設備がなく、製造を始めるには設備を導入する必要があった。
  • 抽出機2台などの設備を導入し、製造に必要な工場スペースを立山山麓森林組合上市支所内に設けた。
  • 2016年1月から本事業の成果品であるエッセンシャルオイルの販売を開始し、スギやヒノキ、従来ほとんど使われなかった間伐材のクロモジなどをラインナップに加えた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社プロジェクトデザイン
所在地富山県 滑川市
業種専門サービス業
技術分野バイオ
従業員数4人
資本金100万円
設立2010年

事業の背景

当社の主力事業は売上の9割以上を占める人材関連事業で、中でも独自の研修ツール「ビジネスゲーム」が主力商品となっている。大都市に人・モノ・金が集まり新たなビジネスや文化も大都市中心に生まれる状況を受け、地方だからこそできる事業で国内外に新たな価値観を示す狙いで本事業を始めた。日本は世界で最も森林資源が豊かな国といわれる一方、その恩恵に思い至らない日本人も多い。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力立山の森林資源を使ったエッセンシャルオイルを製造するための抽出設備がなく、製造を始めるには設備を導入する必要があった。
  • コスト・採算抽出機などの設備導入費、原料購入費、新たに迎える人材の人件費が必要で、その負担が大きかった。

やったこと

抽出機2台などの設備を導入し、製造に必要な工場スペースを立山山麓森林組合上市支所内に設けた。国内有数の森林資源を持つ富山ならではの商品として、樹木から香り成分を抽出したエッセンシャルオイルを開発した。木材の運搬は同組合に委託するなど、多くの協力を得て進めた。上市町が組織した雇用創造協議会を通じ、この分野の先駆けである岐阜県の企業からノウハウの提供を受けた。原料購入費と人件費を含む経費の半分程度を補助金でまかなった。

加工機抽出機(2台)

新しい製品・サービス:樹木から香り成分を抽出したエッセンシャルオイル(スギ、ヒノキ、クロモジなど)

事業の効果

2016年1月から本事業の成果品であるエッセンシャルオイルの販売を開始し、スギやヒノキ、従来ほとんど使われなかった間伐材のクロモジなどをラインナップに加えた。販売先は上市町の土産物店、富山市内のセレクトショップ、全国各地のアロマショップなどに広がった。大手企業や学校、各種団体にも活用が広がる一方、当社商品の認知度はまだ高いとはいえない状況である。見学者を月に20~30人程度受け入れ、森林資源への関心を高める効果も生まれている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性47%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の人材関連事業や研修ツール開発から地方資源活用へ展開した経緯は読めるが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    立山の森林資源や富山ならではの商品という強みはうかがえるが、市場動向や競争優位の分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決2

    認知度が高くないという課題の認識と向上への努力は書かれているが、高付加価値化や成長につながる計画の具体性は薄い。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値や賃上げの目標数値は書かれていない。月30人程度の見学者受入など活動実績はあるが目標値ではない。

  • 事業を進める体制3

    新たな人材の雇用、森林組合や上市町の雇用創造協議会からの協力、岐阜県企業からのノウハウ提供など体制は読める。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    クロモジなど間伐材を活用した商品と販売先(土産物店、セレクトショップ等)は書かれているが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    伐採同行の見学カリキュラムなど今後の方向性はあるが、中長期の検証や遂行方法・スケジュールは明確ではない。

  • 財務と資金の調達2

    補助金が経費の半分程度をまかなったと書かれているが、金融機関からの資金調達や財務状況は読み取れない。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    香り成分を抽出した国内有数の森林資源を活用したエッセンシャルオイルで、一般的な普及度は低いと推測されるが、高付加価値化の具体的数値はない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    地方の森林資源保全や上市町の雇用創造協議会との取組、地域の協力体制が書かれ、地域波及の理由は読み取れる。

  • 費用対効果2

    補助金で経費の半分程度をまかなったとあるが、投入額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    地方資源を活かした新市場の開拓という方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は書かれていない。

  • 地域経済への波及4

    立山山麓の森林組合上市支所に工場を設け、木材運搬を委託、間伐材や雇用創出に取り組むなど地域の特性を活かした事業であることが具体的に読める。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は商品の認知度向上に努め、伐採に同行できる見学カリキュラムの企画などを通じて森林資源への関心を長期的に高め、暮らしの中で香りに親しむ文化を育んでいきたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。