ものづくり補助金平成25年度製造業富山県

最新式NC旋盤に対応する「自動供給装置」の試作開発

株式会社小笠原製作所

この事例のポイント

  • 自動車メーカーが求める品質水準が厳しくなり、素材にキズを全く付けない高品質かつ高速度の旋削加工が求められるようになった。
  • 最新式のNC(数値制御)旋盤を導入し、素材を自動供給する装置の試作開発に取り組んだ。
  • 自動供給装置の導入により、素材挿入時のキズの発生を防止できるようになり、高品質な製品を安定的に生産できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社小笠原製作所
所在地富山県 高岡市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野機械制御,精密加工
従業員数14人
資本金3,000万円
設立1951年

事業の背景

1951年の創業以来、ピストンピンやクランクピンなどのエンジン機能部品を製造してきた。現在は売上の約60パーセントをストッパーピストンが占めている。自動車産業は海外生産の増加によりグローバル化が進み、国際競争が激しくなっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度自動車メーカーが求める品質水準が厳しくなり、素材にキズを全く付けない高品質かつ高速度の旋削加工が求められるようになった。
  • 生産能力NC旋盤のコレットに素材を挿入する際にキズを完全に防止することが難しく、無キズの製品を旋削するたびにコレットの回転を止めて素材を装着していた。
  • 生産能力回転を止めて装着する方法では素材の供給に時間がかかり、加速と減速を繰り返すためモーターが発熱して故障の原因にもなっていた。
  • 生産能力コレットの回転を止めていたことによる回転停止分のロス時間が生産効率の妨げになっていた。

やったこと

最新式のNC(数値制御)旋盤を導入し、素材を自動供給する装置の試作開発に取り組んだ。NC旋盤のコレットの回転に同期した回転を素材に与え、同じ回転速度で装着することで、挿入時のキズの発生を防止するシステムを考案した。考案したシステムをもとに新たな自動供給装置を設計し、本事業で導入したNC旋盤に搭載した。社訓の「勘考」の言葉どおり、創意工夫を重ねて何度もシミュレーションを行った。

加工機最新式のNC(数値制御)旋盤
その他自社開発の素材自動供給装置

新しい製品・サービス:NC旋盤の素材自動供給装置

事業の効果

自動供給装置の導入により、素材挿入時のキズの発生を防止できるようになり、高品質な製品を安定的に生産できるようになった。従来は回転を止めていたためのロス時間がなくなり、生産効率も向上した。最新のNC機能を搭載したNC旋盤で旋削加工時間が短縮され、ストッパーピストン1個当たりの加工時間が全体で1.5秒短くなった。月産加工能力は目標としていた20パーセントアップを達成した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の鋳造・旋削の取組やストッパーピストン主力化の経緯は書かれているが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    「品質第一」や自動車メーカーの品質要求の高まりに触れるが、競争優位の源泉を数値で示す記述は少ない。

  • 課題の認識と解決4

    キズ発生とNC旋盤の回転停止ロスという課題を具体的に示し、旋削時間1.5秒短縮と月産能力20%アップの成果も書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    目標としていた20パーセントアップを達成し、1個当たり加工時間を1.5秒短縮したと数値で示されている。

  • 事業を進める体制2

    社内で自動供給装置を設計・開発したことはうかがえるが、人材や事務処理体制の記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客の品質水準要求や自動車エンジン部品という用途は書かれているが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋4

    シミュレーションを重ねて設計し、NC旋盤に搭載、今後は他のNC旋盤へ応用する計画が段階的に書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    一般的な普及度には触れないが、高品質・高速度の旋削加工が求められる分野であることは書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    環境・エネルギー政策への対応という記述がわずかにあるが、波及効果や雇用創出の記述はない。

  • 費用対効果3

    加工時間短縮と月産能力20%向上の効果は示されるが、投入額に対する付加価値増加は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    自動供給装置の開発は書かれているが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    高岡市の立地は書かれているが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

自動供給システムを他のNC旋盤にも応用していくことを計画している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。