ものづくり補助金平成25年度建設業富山県

トンネル壁面の汚れを自動的に取り払う省エネ清掃用具の開発・製造・販売

有限会社西川鉄筋

この事例のポイント

  • 建設業界を取り巻く環境が厳しくなる中、請負だけでは先行きが厳しいと考え、新たな事業の柱が必要になっていた。
  • 車の通過による風圧を利用してトンネル壁面の汚れを落とす紐状の清掃用具「風ホウキ」を開発し製品化した。
  • レーザー裁断機の導入により、量産だけでなく、委託すると割高だった特殊な加工もコスト安で対応できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社西川鉄筋
所在地富山県 入善町
業種職別工事業
従業員数8人
資本金300万円
設立1993年

事業の背景

西川鉄筋は昭和30年ごろから鉄筋工事業として富山県内を中心に土木と建築の工事に携わってきた。建設業界を取り巻く環境が厳しくなる中、請負だけでは先行きが厳しいと考え、新たな事業展開を模索していた。国や県、高速道路各社などにとって、トンネル内の明るさを一定に保つための内装板清掃は必要だが、費用の面から頻繁には行えない状況であった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力建設業界を取り巻く環境が厳しくなる中、請負だけでは先行きが厳しいと考え、新たな事業の柱が必要になっていた。
  • 集客・繁閑トンネル内装板の清掃は費用の面から頻繁に行えず、継続的な清掃効果を期待できる手段が求められていた。

やったこと

車の通過による風圧を利用してトンネル壁面の汚れを落とす紐状の清掃用具「風ホウキ」を開発し製品化した。幅1.5cm、長さ60cmの風ホウキをトンネル壁面に粘着テープで取り付け、車の風で布切れが360度回転して布が触れた部分の汚れを落とす仕組みである。生地には自動車内装材に使われる丈夫で軽いトリコットを採用し、5年以上の耐久性も確認した。生地を取り付けるプラスチック板を開発して量産できるようにし、生地の裁断・穴開け加工を自社で行うためレーザー裁断機を導入した。平成27年7月には東京ビッグサイトで開かれたインフラ検査・維持管理展に出展した。

新しい製品・サービス:風ホウキ(風の力でトンネル壁面の汚れを落とす省エネ清掃用具)

事業の効果

レーザー裁断機の導入により、量産だけでなく、委託すると割高だった特殊な加工もコスト安で対応できるようになった。自社で裁断や加工を行えるため多様な試作品を作れるようになり、大きな成果となった。インフラ検査・維持管理展への初出展では幅広い業界から見学者が訪れ、気象レーダーの窓清掃に試したいという声もあるなど新規開拓の種を得た。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    本業の鉄筋工事から新事業へ展開する経緯は書かれるが、経営戦略上の位置づけは「メーカーとしての基盤を固めたい」程度で具体性が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    トンネル内の清掃が費用面で頻繁にできない課題と、風ホウキの低コスト継続清掃効果が対比して示され、強みが読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    量産体制や代理店による販路開拓など課題認識はあるが、付加価値額や成長目標の数値は示されていない。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値増加や賃上げを示す目標値は見当たらず、わずかに販路拡大の方向性がうかがえる程度。

  • 事業を進める体制4

    社員8人の体制、生活工学研究所やセンターの支援、授産施設への組立委託、総代理店と代理店の体制が具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け5

    トリコット生地を使い、布が触れた部分だけ汚れを落とすと示され、5年以上の耐久性や約4800本の正式受注という事実がある。

  • 事業化までの道筋3

    NETIS登録や大規模導入への生産体制整備、新用途探索など方向性はあるが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    トンネル清掃用の風の力による清掃具は一般的ではなく、布の回転で汚れを落とす独自性が示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    国や県、高速道路会社にとってトンネル清掃の費用負担課題があると書かれるが、経済波及や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果2

    費用面の課題は示されるが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果を示す数値は見当たらない。

  • イノベーションへの貢献2

    風圧を利用した省エネ清掃という新しい仕組みはあるが、デジタル技術やサプライチェーン貢献の記述は乏しい。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    富山県の地元企業が地域の技術支援を受けて製品化した点は読み取れるが、地域経済成長への牽引の記述は限定的。

今後の展望

製造に徹し、販売は地元商社が総代理店、県内外の3社が代理店となって全国で販路を開拓する。高層ビルや学校、大型施設の窓清掃用や、ソーラーパネルの除塵用具など新しい用途も探る。NETIS登録を目指す。

  • 目標:国道8号線の城山トンネルと横尾トンネル向けに約4800本を正式に受注
  • 目標:県内外20〜30のトンネルで試験が行われている

事業者の声

請負だけでは先行きが厳しい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。