ものづくり補助金平成25年度製造業富山県

画期的な「分離・破砕機」で国内外から注目リサイクルで「総合環境企業」目指す

株式会社エムダイヤ

この事例のポイント

  • 従来の汎用機械では熟練工の技術が必要で、技能に頼る部分が多かった。
  • 補助金を活用し、平成25年度に高能率型NC付汎用フライス機を導入し、26年度にはNC付汎用旋盤を導入した。
  • 導入した機械により、刃物部品の生産効率が1枚あたり約15%向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社エムダイヤ
所在地富山県 滑川市
業種業務用機械器具製造業
技術分野機械制御,精密加工,製造環境
従業員数10人
資本金3,000万円
設立1979年

事業の背景

当社は昭和54年に油圧機械を中心に工作機械や産業機械の修理を行う会社として創業し、平成17年に法人化した。主力製品は「エコセパレR分離・破砕機」で、タイヤや光ケーブルなどの異素材混合廃棄物を金属、ゴム、樹脂に分離・破砕する一軸タイプの破砕機である。従業員10人の小規模企業ながら、設計から立ち上げまで一貫して自社で行う「自前主義」を強みとし、自動車関連、通信関連、デジタル家電関連の分野で事業を展開していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能従来の汎用機械では熟練工の技術が必要で、技能に頼る部分が多かった。
  • 生産能力多品種少量生産や顧客の細かい要望に短納期で応えるため、生産体制を強化する必要があった。

やったこと

補助金を活用し、平成25年度に高能率型NC付汎用フライス機を導入し、26年度にはNC付汎用旋盤を導入した。若手社員でも自動運転で部品加工ができるようになり、熟練工に頼らない加工体制を整えた。その結果、「エコセパレR分離・破砕機」の刃物部品は1枚あたり約15%の生産効率が上がった。自社製品のほぼ全ての部品を鋼材から溶断・溶接、機械加工、組立、塗装まで一貫生産しており、自前の部品を高精度・高能率で生産できるようになったことで、短納期の提供が可能になった。

加工機高能率型NC付汎用フライス機
加工機NC付汎用旋盤

事業の効果

導入した機械により、刃物部品の生産効率が1枚あたり約15%向上した。自社で部品を高精度・高能率に生産できるようになり、顧客の要望に応じた製品の改良にも有効になった。品質が安定し、短納期での提供も可能になった。これにより、大手企業や大手量販店のグループ会社などとの直接取引における信頼もさらに高まった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    事例は創業昭和54年からの油圧機械修理やリサイクル装置開発の歴史を述べ、エコセパレR分離・破砕機への一貫性は読み取れるが、経営戦略上の明確な位置づけは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    特許を4カ国で取得し、刃物構造で異素材混合廃棄物を分離する強みや、刃物部品を約15%生産効率向上させた点が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    熟練工に頼る汎用機械の課題を認識し、NC付汎用フライス機導入で多品種少量生産や短納期に対応すると述べるが、高付加価値化の数値目標は薄い。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    部品生産効率15%向上や短納期化は書かれるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、実現可能性の根拠は薄い。

  • 事業を進める体制3

    従業員10人の小規模企業で、若手社員でも自動運転で加工できる体制づくりが書かれるが、事務処理能力など体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    異素材混合廃棄物を分離・破砕する製品価値や、大手企業との直接取引、顧客要望への対応が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    インドネシア、ベトナム、タイへの海外展開を2年の案件化調査やJICA事業で検証したと書かれるが、スケジュールの詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    異素材混合廃棄物を絡まず分離する独自刃物構造で、10秒での分離・破砕・選別という高水準の機能が特許と受賞歴を伴い示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    廃タイヤや通信ケーブル、E-wasteのリサイクル促進と海外での社会課題解決への貢献が書かれるが、雇用や波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    省経費、省スペース、省力化や生産効率15%向上はうかがえるが、補助金額に対する費用対効果を示す数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    異素材混合廃棄物のリサイクル促進に貢献すると述べ、IoTの言及もあるが、具体的な先端技術の活用内容は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    海外展開やリサイクル事業の拡大が書かれるが、日本経済の構造転換に資するという記述は明確ではない。

  • 地域経済への波及3

    富山県滑川市の小規模企業として、県のものづくり大賞特別賞を受けた点は読み取れるが、地域の雇用や成長への牽引は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

国内での販路拡大に加え、中国、東南アジア(特にインドネシア、ベトナム、タイ)への海外展開を新事業として進めている。平成27年にはJICAの中小企業海外展開支援事業にも採択された。機械の製造・販売にとどまらず、関連業務を少しずつ広げ、「総合環境企業」を目指している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。