ものづくり補助金平成25年度製造業富山県

遺伝子診断薬用オリゴヌクレオチド製造のコンタミネーションリスク低減化

株式会社ニッポンジーンマテリアル

この事例のポイント

  • 検査用オリゴヌクレオチドは高品質が求められるが、用途の情報が得られず、顧客の用途に障害となる異物を納品前に察知することが極めて困難だった。
  • 平成27年に新たな製造ラインの構築を開始し、補助金を活用して必要な機器・設備一式をそろえた。
  • 新製造ラインの稼働により、コンタミネーション(異物混入)の可能性を低減する生産体制を構築できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ニッポンジーンマテリアル
所在地富山県 富山市
業種化学工業
技術分野バイオ
従業員数12人
資本金9,500万円
設立2001年

事業の背景

平成13年に試薬や医薬品の開発・製造を行うニッポンジーンと、ベルギーのバイオベンチャーEurogentec社との合弁として当社の前身が設立された。平成24年に完全子会社となり、平成25年には産業向けおよび遺伝子検査・診断向けオリゴヌクレオチドの製造に集中した。平成21年には医療機器・体外診断薬の品質マネジメントシステムの国際規格ISO13485:2003を取得し、30年に改訂版のISO13485:2016へ移行した。業界では、一定のコンタミネーションリスクはやむを得ないという共通認識があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度検査用オリゴヌクレオチドは高品質が求められるが、用途の情報が得られず、顧客の用途に障害となる異物を納品前に察知することが極めて困難だった。
  • 生産能力混入リスクを下げるには、一般的な製造ラインとは隔離された新たな製造ラインの構築が必要だった。
  • 販路・情報発信ソフト面では顧客からより詳細な用途情報の提供を求める必要があったが、顧客の秘密保持などの関係で情報を得ることが少なかった。

やったこと

平成27年に新たな製造ラインの構築を開始し、補助金を活用して必要な機器・設備一式をそろえた。新製造ラインには微量高速冷却遠心機と、分析を行うHPLCシステム一式を導入した。顧客との製品仕様のすり合わせを重ね、本事業の趣旨に賛同した顧客と秘密保持契約を結び、用途などの情報提供を受ける体制を整えた。平成28年にはライン構築と各種の調整が終了し、製品販売を開始した。

その他微量高速冷却遠心機
検査測定HPLCシステム一式

新しい製品・サービス:コンタミネーションリスクを低減した検査用オリゴヌクレオチド

事業の効果

新製造ラインの稼働により、コンタミネーション(異物混入)の可能性を低減する生産体制を構築できた。顧客からの評価も向上し、顧客の用途に合わせて異物混入を抑えた製品を供給できるようになった。製品販売の開始後、顧客からの反応は良好で、売上も増加傾向にある。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    創業以来のオリゴ合成事業を基に、ISO13485取得を経て検査用製品へ製造の軸足を移したと、経緯に沿って記載されている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    同規格を保持する企業は極めて少なく差別化要因になると記載があり、競合に対する強みが具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    顧客からのコンタミ低減相談を課題と捉え、隔離した新ラインを構築して製品販売を開始したと課題と解決策が対応している。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    売上が増加傾向とあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、目標の実現可能性は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    従業員12人、ISO13485の品質マネジメント運用実績が記載されるが、補助事業を遂行する人員配置の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客からの「可能な限りコンタミを低減した製品」の要望に応える製品であり、選ばれる理由が事例中で整理されている。

  • 事業化までの道筋4

    平成25年の方針から平成27年のライン構築開始、平成28年の販売開始までの年次スケジュールと、顧客との仕様調整の進め方が示されている。

  • 財務と資金の調達2

    資本金9,500万円の記載はあるが、財務状況や金融機関からの資金調達の見込みについては記載がない。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    顧客の多くがコンタミ低減の必要性を認識していないと記載され、高水準の品質を求める検査用製品の位置付けが読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    検査用オリゴ製品の品質確保が課題とあるが、国が補助する理由となる波及効果や雇用創出は記載されていない。

  • 費用対効果2

    コスト面の制約に言及はあるが、補助金額に対する付加価値増加などの費用対効果を示す数値は記載されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ハード・ソフト両面の取り組みは記載されるが、先端的デジタル技術や新ビジネスモデルの活用は読み取れない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    遺伝子検査の用途が医療・食品・環境などへ広がったと記載があり、成長分野への進出であることは読み取れるが具体性は薄い。

  • 地域経済への波及2

    本社所在地は富山市と記載されるが、地域特性を活かした雇用創出や地域経済への効果は記載されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

業界全体ではコンタミネーションリスク低減の必要性を認識している顧客はまだ多くないため、Webサイトの内容拡充や展示会への出展で認知度向上を図る。顧客と製品仕様のすり合わせを重ねて信頼関係を丁寧に構築し、受注につなげたい。受注数の推移を見ながら、将来的な新規ライン開設も検討する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。