ものづくり補助金平成25年度製造業石川県

油圧シリンダ用インパルス耐久試験機の製作

ダイワ株式会社

この事例のポイント

  • シリンダの耐久評価は客先に試作品を渡して実車試験を依頼しており、客先との日程調整や工期がかかるため、限られた期間内で試験を繰り返すことが困難であった。
  • 油圧シリンダの開発段階で試作品の強度を確認するため、インパルス耐久試験機を導入した。
  • 自社で耐久試験ができる環境が整い、客先に実車試験を依頼する必要がなくなった。

事業者のプロフィール

事業者名ダイワ株式会社
所在地石川県 小松市
業種金属製品製造業
技術分野機械制御,接合・実装
従業員数161人
資本金4,000万円
設立1961年

事業の背景

当社は油圧シリンダの設計・製造を主力とし、コマツ、日立建機、キャタピラーなどの建機・車両メーカを主要取引先としている。客先から耐久性と軽量化、低価格化を強く求められており、設計開発段階で目標耐久値を満たしているかを検証する必要があった。海外のシリンダメーカの追従も激しくなっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能シリンダの耐久評価は客先に試作品を渡して実車試験を依頼しており、客先との日程調整や工期がかかるため、限られた期間内で試験を繰り返すことが困難であった。
  • 納期・工程設計標準による机上計算と過去の故障事例からの推定で設計条件を導いており、試作品の強度を自社で確認する手段がなかった。

やったこと

油圧シリンダの開発段階で試作品の強度を確認するため、インパルス耐久試験機を導入した。この試験機はシリンダさえあれば自社で耐久性と脆弱部分を検証でき、高負荷などの試験条件により時間短縮が可能である。大手建機メーカ及び車両メーカ向け油圧シリンダの耐久試験に活用し、耐久試験後に性能を満足することを証明した。耐久試験の油圧波形をメーカに提案し、車体の油圧負荷を基に試験を加速する最適な波形を採用いただいた。シリンダのナット緩み防止機構の特許取得のため耐久試験を実施し、その後メーカに採用されて商品化した。

検査測定インパルス耐久試験機
検査測定摺動耐久試験装置
その他ポンプユニット

新しい製品・サービス:油圧シリンダ(低価格と軽量化を備えた高品質品)

事業の効果

自社で耐久試験ができる環境が整い、客先に実車試験を依頼する必要がなくなった。試験条件により期間内に繰り返して改善でき、工期全体の短縮にも寄与している。メーカからの信頼度が向上し商談が進みやすくなり、既存取引先からの受注拡大と新規取引先の拡販に寄与している。新規引合いも堅調で売上も伸びている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来は客先で実車試験を依頼していたが、設計段階で自社検証する体制へ移行した点は読めるが、事業の過去取組との一貫性は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    建機メーカの試験待ちが問題という外部環境と、自社の油圧シリンダ設計ノウハウを活かした独自試験装置という強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    客先試験の日程調整や工期の長さという課題を認識し、自社で繰り返し検証して工期短縮につなげる計画が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    工期短縮に寄与するとあるが、数値の付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、わずかにうかがえる程度。

  • 事業を進める体制3

    設計開発と試験を自社で担う体制が読めるが、人材や事務処理能力の具体的な記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    建機メーカ向け油圧シリンダの耐久性検証という用途、主要取引先のコマツや日立建機などが具体的に示され、選ばれる理由も読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    耐久試験の油圧波形の提案や試験条件による時間短縮など方法は書かれているが、スケジュールや中長期の検証計画は薄い。

  • 財務と資金の調達2

    受注拡大や売上が伸びているとあるが、財務状況や金融機関からの資金調達についての記載はほぼ読み取れない。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    海外メーカの追従が激しいとあり、低価格と軽量化を備えた高品質を目指す旨から高付加価値化の方向性がわずかにうかがえる。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果2

    補助事業の活用により新規引合いや売上が伸びたとあるが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    試験装置の導入で開発の高度化を図るとあるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は明示されていない。

政策面20%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

補助事業の設備導入後も新規引合いが堅調で、今後さらなる拡販が期待できるとしている。今後もお客様とともに商品開発に取り組む方針である。

事業者の声

テスト機の導入により社内で様々な開発品の評価が可能となり、工期短縮ならびに技術力向上に寄与しお客様のニーズに応えられる設備に仕上がりました。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。