ものづくり補助金平成25年度製造業石川県

金型における中子の生産効率向上と公差による成形不良の減少できる金型の試作

宮丸精密金型株式会社

成果金型設計時間を10%減少

この事例のポイント

  • 従来の設備では厚さ200㎜以上の加工に長時間を要し、加工精度も低く、実際の加工には不適であった。
  • 課題解決のため、ワイヤー放電加工機の特性把握、加工方法の最適化、試作金型の製作・評価を行った。
  • 金型設計時間を10%減少。金型設計において中子分割個数が減少し、設計時間を10%減少できた。

事業者のプロフィール

事業者名宮丸精密金型株式会社
所在地石川県 金沢市
業種金属製品製造業
従業員数34人
資本金1.8億円
設立1961年

事業の背景

当社は主に自動車関連の部品製造のための金型を生産している。本事業実施当時、所有する生産設備は4台であり、年間に生産する金型は100種類程度であった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の設備では厚さ200㎜以上の加工に長時間を要し、加工精度も低く、実際の加工には不適であった。
  • コスト・採算中子を分割するため中子の数が増え、金型設計時間及び加工時間を短縮できず、収益性低下の要因となっていた。
  • 品質・精度金型冷却が充分に行えず、品質低下が懸念された。
  • 新製品・新技術市場ニーズに適合することが困難であった。

やったこと

課題解決のため、ワイヤー放電加工機の特性把握、加工方法の最適化、試作金型の製作・評価を行った。ワイヤー放電加工機は旧加工機と比較して表面粗さ50%向上、加工速度2倍、真直精度100%向上と言われており、メーカーによるプログラム作成と使用方法の研修を受けた。加工方法の最適化として、板厚400㎜のキー溝加工、板厚380㎜のロータリープレス加工、高さ200㎜の内径側溝加工のテスト加工を実施した。試作金型では、以前製作した金型の類似型を実際に加工し、従来機と加工時間、加工回数、加工精度を比較・分析・評価した。

加工機ワイヤー放電加工機

事業の効果

  • 金型設計時間を10%減少
  • 製品取り出しサイクルが20%速くなった
  • 加工時間が40%短縮
  • 全体の工程として約45%削減

金型設計において中子分割個数が減少し、設計時間を10%減少できた。水管も多数配置可能となり冷却効果が増大し、製品取り出しサイクルは20%速くなった。製造工程では加工時間が40%短縮され、全体の工程として約45%の削減を達成した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来は厚200㎜以上の加工で長時間・低精度となり収益性低下の要因だったと述べ、先端設備導入で改善する流れは読み取れるが、過去の取組との連続性までは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    市場ニーズに適合しにくかったという課題と、厚物加工の高速化・高精度化を狙う点は読めるが、競争優位の根拠となる市場データや強みの記述は乏しい。

  • 課題の認識と解決5

    中子分割で設計時間を10%減、製造工程の加工時間を40%短縮し工程全体で約45%削減、製品取り出しサイクルを20%速めたと数字で成果が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工時間40%短縮や工程全体約45%削減などの目標・成果数値が示されており、実現性を具体的に読み取れる。ただし付加価値額の目標値は明記されていない。

  • 事業を進める体制3

    メーカーによるプログラム作成・使用方法の研修を受けたと書かれており、体制の一端はうかがえるが、人材や事務処理能力の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自動車部品向け金型という得意分野、高品質・短納期・高付加価値をめざす方針、主要取引先が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    ワイヤー放電加工機の特性把握、加工方法の最適化、試作金型の評価という段階的な進め方は読めるが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    厚200㎜以上の金型加工を高精度化する点は示されるが、ジャンルの普及度や認知度に関する記述は乏しい。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    県内では厚物加工機が少ないため将来は部品加工にも広げる構想がうかがえるが、雇用創出や波及効果は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果4

    加工時間40%短縮、工程全体約45%削減、設計時間10%減など、投資に対する効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    三次元設計やプログラム作成、最新機械の導入に触れているが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    ワイヤー放電加工による厚物加工技術を金型以外の部品加工へ広げる構想がうかがえるが、産業構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    県内に厚物加工機が少ないと述べており地域性はうかがえるが、地域経済の成長や雇用への効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

本事業で導入したワイヤー放電加工機は厚さ200㎜以上の金型加工に使用している。県内では厚物加工機が少ないため、将来的にはワイヤー放電加工技術を活かし金型以外の部品加工にも取り組むことを視野に入れている。

事業者の声

高品質・短納期・高付加価値をめざし、ユーザー各位のご要望にお応えします。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。