ものづくり補助金平成25年度学術研究、専門・技術サービス業山口県

防災・予防保全につながる設備投資及び技術力の向上を基にした革新的サービスの提供

株式会社ソイル・ブレーン

成果液状化判定に要する期間 14日→3日

この事例のポイント

  • 電磁波レーダーを使う維持管理調査などの一部を外注しており、業務を社内で行えていなかった。
  • 電磁波レーダーの調査体制を強化するため、新たな周波数の270MHz、900MHz、2,600MHzのアンテナを導入した。
  • 液状化判定に要する期間 14日→3日。電磁波レーダーによる維持管理調査等の業務を社内で行えるようになり、これまで外注していた部分を内製化できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ソイル・ブレーン
所在地山口県 周南市
業種技術サービス業
従業員数22人
資本金2,000万円
設立1977年

事業の背景

昭和52年に山口県周南市で創業した建設コンサルタントで、地盤環境・防災調査と調査結果に基づく解析業務を主体としている。国や県、県内の市町村、民間企業を主な顧客とし、調査から解析まで一貫して対応できる企業は山口県内では珍しい。近年は自然災害の頻発や道路・橋梁などの社会インフラの老朽化により、安全・安心な社会づくりへのニーズが高まっている。社員22名のうち4名が技術士である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力電磁波レーダーを使う維持管理調査などの一部を外注しており、業務を社内で行えていなかった。
  • 納期・工程液状化判定は、ボーリング調査と土質試験を行ってから判定するため、2週間程度かかっていた。
  • 生産能力対象物や対象深度に応じた周波数のアンテナが必要だったが、調査に使える機材が不足していた。
  • 新製品・新技術耐震・免震構造を採用する重要構造物が増え、設計に必要な模擬地震波を作成できる体制が必要だった。
  • 人手・技能提案型企業への変革のため、技術職員の技術力と提案力を高める必要があった。

やったこと

電磁波レーダーの調査体制を強化するため、新たな周波数の270MHz、900MHz、2,600MHzのアンテナを導入した。調査結果の判定には3D表示が可能な解析プログラムを導入した。従来の液状化判定の課題に対応するため、PDC(ピエゾドライブコーン)試験装置を導入し、提案営業活動を強化した。断層モデルを考慮した地盤の入力地震動作成プログラムを導入し、耐震解析力を高めた。山口大学田中正吾名誉教授の指導のもと、コンクリート覆工厚と空洞厚の測定結果の精度を高めるため、解析プログラムの改良・開発にも取り組んだ。

検査測定電磁波レーダーのアンテナ(270MHz、900MHz、2,600MHz)
検査測定PDC(ピエゾドライブコーン)試験装置
ソフト3D表示可能な解析プログラム
ソフト地盤の入力地震動作成プログラム
ソフト空洞図化解析プログラム

新しい製品・サービス:PDC試験装置による液状化判定と、地盤の入力地震動作成プログラムによる模擬地震波の作成

事業の効果

  • 液状化判定に要する期間 14日→3日

電磁波レーダーによる維持管理調査等の業務を社内で行えるようになり、これまで外注していた部分を内製化できた。設備投資と社員の技術力向上により、耐震・維持管理調査から解析までの分野で有効な体制が整った。提案営業を積極的に展開したことで受注機会が広がった。空洞図化プログラムの作成によって実用化の可能性が見え、液状化判定は低コストで精度の高い判定が可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の調査・解析事業と社員の技術力向上への取組が示され、一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    調査から解析まで一貫対応できる点や山口県内で珍しい強みが書かれ、競争優位性はうかがえるが、市場動向の分析は具体的でない。

  • 課題の認識と解決3

    ボーリング2〜3週間を2〜3日に短縮できる点など課題と効果は示されるが、高付加価値化・成長の数値目標までは書かれていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値の増加や賃上げの目標値は記載がなく、受注拡大と時間短縮が示されるのみで数値目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    社員22名中4名が技術士で、研修や社内教育を重点的に行う体制は読み取れるが、事務処理能力などの詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    公共工事や石油コンビナート関連施設の液状化健全度評価など顧客ターゲットと提供価値が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の展望として受注拡大や外部建築設計事務所への営業強化、空洞図化プログラムの実用化が書かれるが、スケジュールは不明確。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    電磁波レーダーによる空洞調査やPDC試験の導入など、地盤調査分野での手法の新しさはうかがえるが、普及度の数値は示されない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    自然災害の頻発や社会インフラ老朽化への対応、石油コンビナート関連施設の健全性評価への貢献が書かれ、社会的必要性はうかがえる。

  • 費用対効果2

    補助金額や投資額に対する付加価値増加などの費用対効果を示す数値は記載されておらず、わずかにうかがえるのみ。

  • イノベーションへの貢献3

    電磁波レーダーや3D表示解析プログラムなどデジタル技術の活用が書かれるが、地域やサプライチェーンへの波及は具体的でない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    防災・予防保全分野への対応は示されるが、日本経済の構造転換への言及は乏しくわずかにうかがえる程度。

  • 地域経済への波及3

    周南地区臨海部の石油コンビナートや山口県内での事業展開、地域貢献活動が書かれ、地域特性との関係は読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

PDC試験装置の導入により、従来の公共工事に加え、周南地区臨海部の石油コンビナート関連施設などの液状化に対する健全度評価業務の受注拡大に取り組む予定である。模擬地震波作成などの技術提案が可能になったため、県外の建築設計事務所への営業を強化していく。空洞図化解析プログラムはさらなる改良や実証実験を行い、早期の実用化を目指す。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。