ものづくり補助金平成25年度製造業石川県

高耐久性と抜き勾配率を低減した多種類材質による組立式砂型鋳造用金型の試作開発

株式会社 ザクシス ヤズ

この事例のポイント

  • 自動車業界や建設重機メーカーがリードタイムやランニングコストの削減を進める中で、砂型鋳造用金型の使用回数を向上させる要望と依頼が高まっていた。
  • 耐久性が高いHPM7材を主に使用し、組立式砂型鋳造用金型を試作した。
  • 砂型鋳造用金型の使用回数が飛躍的に向上し、砂型鋳造の生産性が高まる見込みである。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 ザクシス ヤズ
所在地石川県 金沢市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数22人
資本金1,000万円
設立1948年

事業の背景

同社は鋳造工場からの受注で金型・木型の設計・製造を手掛けており、削り出し試作部品の製造や、高速加工機の導入による高精度・短納期の試作型から量産型までの一貫生産も提供している。近年、自動車業界や建設重機メーカーは生産のリードタイムやランニングコストの削減に積極的に取り組んでおり、砂型鋳造用金型の使用回数向上へのニーズが高まっていた。同社はこの市場ニーズに対応する新たな金型が今後の主流になると判断し、本事業で試作開発に取り組んだ。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力自動車業界や建設重機メーカーがリードタイムやランニングコストの削減を進める中で、砂型鋳造用金型の使用回数を向上させる要望と依頼が高まっていた。
  • 品質・精度従来の金型では、砂離れを良くするための抜き勾配率を十分に下げられず、設計に近い鋳型の造形が難しかった。

やったこと

耐久性が高いHPM7材を主に使用し、組立式砂型鋳造用金型を試作した。表面加工を精密かつ鏡面に仕上げることで、鋳型造形時の砂離れを良くし、抜き勾配率を低減した。高速切削機に自社技術のノウハウを導入し、最適な切削工具の選定と加工条件の研究を行い、切削精度を向上させた。PM7材とFC材の接触面の最適な曲率を研究し、はめ合わせ精度を向上させた。試作した金型で砂型が問題なく製造できることを確認し、試作鋳造品まで製作した。

新しい製品・サービス:組立式砂型鋳造用金型

事業の効果

砂型鋳造用金型の使用回数が飛躍的に向上し、砂型鋳造の生産性が高まる見込みである。表面加工が精密かつ鏡面になったことで砂離れが良くなり、抜き勾配率が低減でき、より設計に近い鋳型の造形が可能になった。切削精度とはめ合わせ精度も向上し、高品質な金型を作れるようになった。これにより、航空機分野など高品質・高精度な砂型鋳造が必要な分野への新たな取引も期待できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    鋳造金型・木型の製作を手がけてきた実績と高速加工機導入の経緯はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    自動車・建設重機メーカーの生産コスト削減要望を市場ニーズとして挙げ、耐久性や抜き勾配の改善で応える構成は読み取れるが、競合比較や自社の強み・弱みの記述は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    砂型鋳造用金型の使用回数向上という課題と、組立式金型への差替え提案で成長につなげる方針は読み取れるが、事業計画の定量的な裏付けは薄い。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    3年で弊社製造の金型の3割を組立式にする目標が示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員22人で高速加工機を導入している点はうかがえるが、補助事業を遂行する体制や人材配置の記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    耐久性向上と抜き勾配率低減が自動車・建設重機メーカーのニーズに応えると記述されており、顧客ターゲットと選ばれる理由はある程度読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    試作金型で砂型が問題なく製造できたことと、3年・5年の段階的な展開目標が書かれており、スケジュールの骨格は読み取れる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    HPM7材を用いた精密鏡面仕上げで砂離れを良くする点は高付加価値の特徴だが、分野の普及度や高価格化の水準は書かれていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    自動車・建設重機の生産コスト削減や航空・エネルギー分野への展開が書かれており、波及効果の記述はあるが、雇用創出などの定量的な根拠は薄い。

  • 費用対効果2

    金型の使用回数向上を掲げるが、補助金投入額に対する付加価値増加や生産性向上の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    高精度な造形や高速加工機の活用はうかがえるが、先端的なデジタル技術やサプライチェーンのイノベーションへの言及は明確ではない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    航空やエネルギー産業への進出が5年目標として書かれており、成長分野への展開はうかがえるが、構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    石川県金沢市の企業であることは分かるが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は組立式砂型鋳造用金型の差替えを提案し、3年で同社製造の金型の3割を組立式金型にすることを目指す。5年をめどに航空やエネルギー産業へのアプローチも行う計画である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。