ものづくり補助金平成25年度製造業石川県

超砥粒砥石による高品質、高効率加工に向けた円すいころ用端面加工機の開発

株式会社 東振精機

成果加工速度 100%→179%

この事例のポイント

  • 円すいころの大端面は高い精度と品質が求められるが、超砥粒砥石の性能を従来型の端面加工機では十分に引き出せなかった。
  • 機構的な制約をできる限り排して条件設定の自由度を高めた端面加工機を試作した。
  • 加工速度 100%→179%。試作機による最適研削条件の探索で、型番によっては加工速度を最大で従来比79%向上させることができた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 東振精機
所在地石川県 能美市
業種はん用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数534人
資本金7,350万円
設立1956年

事業の背景

当社は大端面の研削に超砥粒砥石を導入して品質を向上させてきた。しかし超砥粒砥石は最適な研削条件が従来の砥石と異なり、従来型の加工機では性能を最大限に引き出せなかった。近年は自動車の燃費改善のため摩擦抵抗を低減した円すいころ軸受が開発され、組み込まれる円すいころにより高い精度と品質が求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度円すいころの大端面は高い精度と品質が求められるが、超砥粒砥石の性能を従来型の端面加工機では十分に引き出せなかった。
  • 生産能力従来の端面加工機は機構的な制約から研削条件の設定自由度が低かった。

やったこと

機構的な制約をできる限り排して条件設定の自由度を高めた端面加工機を試作した。この試作機で研削条件パラメータを変化させてテスト加工を行い、実現できる加工速度と加工精度、さらに砥石の摩耗量を調査した。これにより超砥粒砥石にとっての最適研削条件を探索した。試作機は量産に用いるには信頼性が不十分と判明したため、試作機での経験を基に改良型の生産機を開発し、従来型と置き換えて9台を生産ラインに導入した。

加工機端面加工機(改良型生産機)
加工機円すいころ用端面加工機(試作機)

新しい製品・サービス:円すいころ用端面加工機

事業の効果

  • 加工速度 100%→179%
  • 2018年度の77型番のうち37型番で時間当たりの生産高を改善し、延べ4,000時間の加工時間を短縮できた

試作機による最適研削条件の探索で、型番によっては加工速度を最大で従来比79%向上させることができた。改良型生産機9台を生産ラインに導入し、2018年度の実績では37型番で時間当たりの生産高が改善し、延べ4,000時間の加工時間を短縮した。一方で40型番は従来型を超える生産性を発揮できておらず、多品種に対する研削条件の最適化の難しさが残っている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性40%
  • これまでの取組との一貫性2

    過去の試作機開発を基に改良型生産機を開発したとあり、取組の連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 課題の認識と解決3

    試作機は量産に十分な信頼性がないと判明し、生産性の改善未達の型番への対策継続が課題と書かれ、課題認識はあるが、高付加価値化への道筋は具体性が薄い。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    型番によっては加工速度を最大79%向上したとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    砥石や研削液のメーカーの協力を得て開発を続けているとあるが、社内の人材や事務体制はうかがえない。

  • 顧客とニーズの裏付け2

    軸受組込用ローラ等の得意分野や主要取引先は書かれているが、本事業の製品の顧客ターゲットや選ばれる理由は整理されていない。

  • 事業化までの道筋3

    残り40型番の生産性未達を今後の課題とし、砥石・研削液メーカーと協力して開発を続けるとあるが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    超砥粒砥石による高精度・高品質の円すいころ大端面加工という高付加価値の取組が書かれている。市場の普及度は書かれていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    自動車の燃費改善に向けた円すいころ軸受の開発動向に触れるが、波及効果や雇用創出の記述はない。

  • 費用対効果4

    9台を生産ラインに導入し、77型番のうち37型番で時間当たり生産高を改善、延べ4,000時間の加工時間を短縮できたと数字で書かれている。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面20%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

生産性の改善が達成できていない型番に対して対策を進めていく。現在は機械の条件設定に留まらず、砥石や研削液のメーカーの協力を得ながら開発を続けている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。