ものづくり補助金平成25年度製造業福井県

乳酸発酵を用いた新たな風味と食感の食パン製造設備の導入

株式会社オーカワパン

この事例のポイント

  • 中規模の製パンメーカーとして、大手製パンメーカーや小型ベーカリー店舗と差別化を図り、少子高齢化で市場が小さくなる中でも支持を獲得していくことが課題だった。
  • 計画にあたり、全社で市場・顧客の分析を行い、「オーカワパンは将来こうなりたい」という展望、そのための課題、付加価値の創造などのテーマを社員間で共有した。
  • 乳酸発酵パンの安定生産が可能になり、中はもっちり外はさくっとした独自の食感を安定して届けられるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社オーカワパン
所在地福井県 坂井市
業種食料品製造業
技術分野バイオ,製造環境
従業員数78人
資本金1,200万円
設立1964年

事業の背景

主力商品は「パン・ド・ミー」で、独自の「もちもち感」が魅力である。食パン市場は二極化し、プライベートブランドの台頭で低価格化が進む一方、高価格帯の商品が人気を集めている。福井県・石川県の量販店に40アイテム以上のパンを納入しているが、県外での販売の歴史は浅い。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術中規模の製パンメーカーとして、大手製パンメーカーや小型ベーカリー店舗と差別化を図り、少子高齢化で市場が小さくなる中でも支持を獲得していくことが課題だった。
  • 販路・情報発信県内では知名度が高いものの県外での販売の歴史は浅く、拡販のために選ばれる特長ある商品が必要だった。

やったこと

計画にあたり、全社で市場・顧客の分析を行い、「オーカワパンは将来こうなりたい」という展望、そのための課題、付加価値の創造などのテーマを社員間で共有した。乳酸発酵パンを製造するため、乳酸菌を年間を通じて安定的に増殖させる乳酸菌増殖庫と、乳酸菌パン種を保つ乳酸菌維持庫を導入した。温度と湿度を管理して乳酸菌の安定した発酵を促す体制を整えた。事業の翌年には、翌日の出荷のために乳酸発酵パンを一晩休ませる保管庫も導入した。現在5種類の乳酸菌パン種を製造し、既存10アイテムの商品に使用している。

  • 加工機乳酸発酵パン専用設備
  • その他乳酸菌増殖庫乳酸菌維持庫保管庫

新しい製品・サービス:乳酸発酵を用いた新たな風味と食感の食パン

事業の効果

乳酸発酵パンの安定生産が可能になり、中はもっちり外はさくっとした独自の食感を安定して届けられるようになった。風味・食感・保存性が向上し、大手製パンメーカーや小型店には対応が難しい独自性を発揮できるようになった。主力の「パン・ド・ミー」を中心に売上も徐々に拡大している。「あの日の『おいしい』をこれからも」という安定した商品づくりにつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存40アイテムと主力「パン・ド・ミー」の人気を背景に、乳酸発酵パン専用設備を導入する方針が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    大手や小型店には対応が難しい独自性を強みとし、低価格化の市場で高価格帯を狙う姿勢がうかがえる。

  • 課題の認識と解決3

    中規模メーカーとして差別化し少子高齢化で市場縮小する課題を認識し、乳酸菌パン種の安定生産で解決を図っている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    既存10アイテムへの乳酸菌パン種適用と売上の徐々な拡大は書かれるが、付加価値や賃上げの数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    全社員で市場・課題を共有したとあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    北陸最大級の乳酸発酵パン専用設備により、もっちり・さくっとした食感と風味、保存性を独自の価値として明確に示している。

  • 事業化までの道筋3

    乳酸菌パン種を5種類製造し今後多彩な開発につなげる方針や、翌年に保管庫を導入した段階的な計画が読み取れる。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    乳酸発酵パンの専用設備は大手や小型店に対応が難しいとされ、同分野で高付加価値化を図る取組と読み取れる。

公的補助の必要性27%
  • 波及効果・雇用2

    地域の量販店に納入し福井・石川で浸透しているとの記述はあるが、経済波及や雇用創出への言及は乏しい。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    北陸の地域で主力商品が県内に浸透しており、地域の特性を活かした付加価値商品づくりとして読み取れる。

今後の展望

パンの特性に応じた多彩な乳酸菌パン種の開発につなげていく。県外市場においても、愛され続ける商品づくりを目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。