ものづくり補助金平成25年度学術研究、専門・技術サービス業山梨県

多種の宝石の産地検査を高精度、低コスト、迅速化する方法の確立

株式会社 日独宝石研究所

成果計測時間 1倍→0.083倍

この事例のポイント

  • 宝石の産地検査は検査項目が多く、コストと時間がかかっていた。
  • 最新の蛍光X線分析装置を導入した。
  • 計測時間 1倍→0.083倍。高精度かつ高速な成分分析により、有力な産地情報を得られるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 日独宝石研究所
所在地山梨県 甲府市
業種技術サービス業
技術分野測定計測
従業員数8人
資本金300万円
設立1995年

事業の背景

父の古屋正司氏は宝石貴金属業のかたわら石や鉱石を長年収集しており、産地もはっきりした約15000点の標本が会社の財産として残っていた。宝石鑑別では産地検査が求められているが、同じ色や透明度でも産地によって価値が異なるため、産地の判断が特に重要になっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算宝石の産地検査は検査項目が多く、コストと時間がかかっていた。
  • 生産能力産地を判断するためのデータベース作成には、気の遠くなるような時間と手間がかかっていた。
  • 人手・技能分析結果から産地を厳密に判断するには、経験による判断力が必要とされていた。

やったこと

最新の蛍光X線分析装置を導入した。この装置はターレットに12個の測定器を備え、従来緩慢だった計測時間が単純に1/12になり、測定時間は劇的に短縮された。自社が所蔵する標本石合計6180石のうち、主要な宝石種3105石と鑑別の比較的多い宝石種3075石を計測し、宝石の種類ごとに52種類の分類パターンを構築した。そのうち成分だけで主要な産地が分類できるものは28種、顕微鏡検査など通常の鑑別業務と合わせて分類できるものは16種、産地が限定できるが十分特定できないものは8種となった。これらのデータベースにより、微量元素の含有量から宝石の産地を判断する産地検査の方法を確立した。

検査測定蛍光X線分析装置

新しい製品・サービス:蛍光X線分析装置を用いて宝石中の構成元素を計測し、その含有量に基づいて行う低コストで迅速な宝石の産地検査の方法

事業の効果

  • 計測時間 1倍→0.083倍

高精度かつ高速な成分分析により、有力な産地情報を得られるようになった。これまで検査項目が多く、コストと時間がかかっていた産地検査を低コストで実現できるようになった。計測時間が大幅に短縮され、鑑別の時間コストを下げて品質保証と価値の訴求に役立てられるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    父の代からの標本収集と鑑別研究の経緯は書かれているが、経営戦略上の位置付けを示す記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    標本石6180石・産地データベース52分類など自社の具体的な強みが数字で示され、競争優位の根拠として読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    産地検査に時間と手間がかかる課題を示し、蛍光X線装置で計測時間が1/12になると具体的に解決策を述べている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    計測時間1/12という数字はあるが、付加価値や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員8人(パート5名)と記載があるが、補助事業を遂行する体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    産地検査の需要と、産地で価値が変わる宝石の特性が具体的に説明され、顧客ニーズの裏付けがうかがえる。

  • 事業化までの道筋3

    データベース作成や分析手法の確立という流れは示されるが、スケジュールや課題解決の方法は詳しくない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    産地検査の高精度化は一般的に普及していない分野で、従来の検査との差が具体的に述べられている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    鑑別の時間コスト短縮と品質保証への寄与がうかがえるが、経済波及や雇用創出は書かれていない。

  • 費用対効果3

    検査項目の削減による低コスト化は述べられるが、投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    蛍光X線分析装置の活用は読み取れるが、業界全体のイノベーションへの貢献までは書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    山梨県甲府市に所在することはわかるが、地域特性を活かした経済成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

手先は器用です。ものづくりは好きですね。この装置にもいろいろ工夫を加えています。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。