ものづくり補助金平成25年度製造業長野県

量産製造ライン全量検査用高速X線CTスキャナの試作開発

日本装置開発株式会社

成果検査時間20〜50秒

この事例のポイント

  • 従来の工業用CTスキャナは検査物を回転させるため、大型・長尺物品は検査できなかった。
  • 当社自費開発の4インチIIカメラ用CTスキャナに改造を実施した。
  • 検査時間20〜50秒。検査時間が20〜50秒と短く、直径200mm高さ200mmの部品全体を同時に観察でき、8kgまでの部品を搭載できる。

事業者のプロフィール

事業者名日本装置開発株式会社
所在地長野県 安曇野市
業種生産用機械器具製造業
技術分野機械制御,精密加工,測定計測
従業員数7人
資本金1,000万円
設立1996年

事業の背景

同社は1996年に独立し、工業用X線検査装置のメカ部分の設計・製作を中心に事業を行ってきた。リーマンショックで売上げが半減する苦境に陥り、顧客ニーズをくみ取った自社製品の開発の必要性を感じた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の工業用CTスキャナは検査物を回転させるため、大型・長尺物品は検査できなかった。
  • コスト・採算自動車用アルミ鋳物部品や樹脂成形品の非破壊内部検査に使えるX線CTは装置価格が高く、検査時間も長いため、量産ライン全量検査に適用できるものがなかった。

やったこと

当社自費開発の4インチIIカメラ用CTスキャナに改造を実施した。ハマホト製小焦点高出力X線発生器(マイクロフォーカス110kV)を搭載して機械マッチングを行い、パーキンエルマー製のFPDカメラ(CMOSフラットパネル撮影カメラ)も搭載して機械マッチングを行った。さらに動的CT撮影、CT高速演算、水平CTに加えオフセットCTも可能にした。

  • 検査測定小焦点高出力X線発生器マイクロフォーカス110kVCMOSフラットパネル撮影カメラパーキンエルマー製FPDカメラ

新しい製品・サービス:量産ラインに導入する高速X線CTスキャナ(自動車用アルミ鋳物部品・樹脂成形品の全量非破壊内部検査用)

事業の効果

  • 検査時間20〜50秒
  • 検査部品サイズ 直径200mm高さ200mm
  • 検査部品搭載重量 8kg
  • 検査分解能0.2〜0.3mm
  • 販売可能価格 1500〜2500万円

検査時間が20〜50秒と短く、直径200mm高さ200mmの部品全体を同時に観察でき、8kgまでの部品を搭載できる。分解能は0.2〜0.3mmで、自動車用アルミ・樹脂部品の全量非破壊内部検査が可能になった。製品化を速やかに進め、受注・販売活動に入る。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    1996年独立後にOEM向けX線検査装置のメカ設計を手がけ、その実績から自社製品開発に進んだ流れが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    リーマンショックで売上半減を経験し、顧客ニーズを踏まえた自社製品開発の必要性を認識したとあるが、市場分析や強み分析の記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    課題は売上半減で、自社製品開発と低コスト・短時間検査の装置で解決を図る計画が示され、導入先や販売価格も具体的。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    検査時間20〜50秒、分解能0.2〜0.3mm、販売価格1500〜2500万円など数値目標があり、大手自動車部品メーカーへの納入も挙げられている。

  • 事業を進める体制3

    従業員は4人(記事冒頭では7人)と少人数で、設計・製作の経験を持つ社長が開発を主導したことは書かれているが、体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自動車用アルミ鋳物や樹脂成形品の全量非破壊内部検査という具体的な顧客・用途と、低価格・高速検査という選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    開発期間3年、2011年ごろの試作から製品化、今後の受注・販売活動という流れは示されるが、詳細なスケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    量産ラインに導入できる全量検査用X線CTは日本初(世界初)と記事にあり、高付加価値の新市場を狙う点が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    中小企業のものづくり現場への導入促進という意図はうかがえるが、経済波及や雇用創出の具体的記述はない。

  • 費用対効果3

    補助金により開発期間を3年に短縮し、補助がなければ2年遅れていたと社長が述べており、費用対効果の一端がうかがえる。

  • イノベーションへの貢献3

    CT高速演算や動的CT撮影などの先端技術を量産ラインに導入する点は示されるが、サプライチェーン全体への貢献の記述は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    高速X線CTによる自動車部品の全量検査は製造業の高度化に関わるが、構造転換との関係は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    安曇野市の企業であることは書かれているが、地域の特性を活かした付加価値や雇用の記述は見当たらない。

今後の展望

本装置を製品化し、受注・販売活動に入る。

事業者の声

量産ラインに導入できるCTは日本初(世界初)。他社で10年以上かかる開発を3年で駆け抜けてきました。補助金がなかったら2年は開発が遅れていたと思う

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。