ものづくり補助金平成25年度製造業長野県

パワーリハビリ機器部品における新工法の試作開発による事業の拡大

株式会社小松製作所

この事例のポイント

  • 油圧ショベルのフレームハウスは複雑形状化が進み、デザイン変更と一層のコスト削減が課題となっていた。
  • 油圧ショベルのフレームハウスについて、溶接工程の削減と一体化を試作開発で実施し、コスト削減を実現した。
  • 油圧ショベル分野でフレームハウスの溶接工程を削減・一体化し、コストを下げて市場を獲得できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社小松製作所
所在地長野県 松本市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数58人
資本金1,000万円
設立1938年

事業の背景

主力は建設機械メーカーからの受注だったが、リーマンショック後に数社からの受注が減少した。一方で新たな顧客からの受注が経営を支えた。そこで中型高精度分野から中大型高精度分野へのシフトを本格化させた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算油圧ショベルのフレームハウスは複雑形状化が進み、デザイン変更と一層のコスト削減が課題となっていた。
  • 生産能力溶接工程が多く、工程の削減と一体化が必要だった。

やったこと

油圧ショベルのフレームハウスについて、溶接工程の削減と一体化を試作開発で実施し、コスト削減を実現した。門型五面加工機、溶接ロボットシステム、表面処理機械など大型化に対応した設備を導入した。パワーリハビリ機器部品のフレーム部品では、金属プレス精密加工の高度化と特殊仕様のショットブラスト法を導入し、溶接レス構造、表面仕上げの効率化、加工精度の向上、大幅な工程削減を実現した。高精度曲げ加工を行うベンディングマシンも導入した。

  • 加工機門型五面加工機上下左右スライダー式溶接ロボットシステム表面処理機械ベンディングマシン高精度曲げ加工

新しい製品・サービス:油圧ショベルのフレームハウス(溶接工程の削減と一体化によるコスト低減品)、パワーリハビリ機器のフレーム部品(溶接レス構造)

事業の効果

油圧ショベル分野でフレームハウスの溶接工程を削減・一体化し、コストを下げて市場を獲得できた。パワーリハビリ機器のフレーム部品では溶接レス構造、表面仕上げの効率化、加工精度の向上、大幅な工程削減を実現し、健康・医療分野への事業拡大に向けた体制を整えた。建設機械の中大型重要保安部品の受注も増加している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    1980年代までの開発型メーカーから受注型へ転換し、リーマンショック後に中大型高精度分野へのシフトを本格化したと書かれており、一貫性は読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    リーマンショック後に主力の建設機械メーカーからの受注が減る中、新たな顧客からの受注が苦境を支えたとあり、外部環境への対応は読めるが強みの分析は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    溶接ロボットシステムや門型五面加工機など大型化設備の導入で効率的な生産を目指すとあるが、課題認識と成長効果の数値は示されていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    社長の方針のもと設備導入を進め、一貫生産の中で各工程に独自の取り組みを行うとあるが、人材や事務処理体制の具体は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    病院向けパワーリハビリ機械の主要部品で高精度曲げ加工が求められ、その品質を満たすベンディングマシンを導入したと読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    新社屋建設やレーザー板金工程の集約など生産環境整備の計画はうかがえるが、スケジュールや課題解決の方法は詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    中大型高精度分野で独自性を発揮するとあるが、市場の普及度や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用3

    南海トラフ地震への安全対策や環境・省エネ分野、被災地復興など社会的な需要に応える技術が求められていると書かれている。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    環境・省エネ分野や健康・医療分野への取り組みに言及があるが、日本経済の構造転換との関係は書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    松本市の企業として地域に根ざす記載はあるが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出の具体は読み取れない。

今後の展望

建設機械にとどまらず、被災地復興や国土強靭化、南海トラフ地震への安全対策、環境・省エネ分野でも同社の技術が求められており、受注の伸びが期待されている。

事業者の声

積極的な営業の成果というよりも、お客様が別のお客様をつないでくださった結果です。今後世の中で必要になってくる分野に対して、当社として役に立てる取り組みができれば良いなと思っています

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。