ものづくり補助金平成25年度製造業長野県

超高精度真円度加工技術の開発による加工技術の高度化と生産性の高い短納期生産体制の実現

有限会社川手製作所

この事例のポイント

  • 市場、特に成長分野の医療機器から超高品質が求められている。
  • 材料の応力を見える化し、それを取り除いてから自動加工するための機械を導入し、超高精度の真円度加工技術の開発に取り組んだ。
  • 本事業により以前より真円度の向上が得られ、必要公差の有効範囲が実質的に広がることが確認された。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社川手製作所
所在地長野県 伊那市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数14人
資本金500万円
設立1964年

事業の背景

有限会社川手製作所は、顕微鏡用精密金属部品やライフルスコープ用鏡枠など光学分野を中心とする精密金属加工を手がけ、大手光学機器メーカーなどから信頼を得て医療機器にも領域を広げている。約30年前には主力だった顕微鏡の対物レンズ部品が親会社の社内生産に切り替わり、売上げが10分の1に急落して倒産の危機に陥った。その後は別の受注先の難しい加工を手がけて評価を得て、新製品の立ち上げに参画し、売上げが毎月倍々で増えた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度市場、特に成長分野の医療機器から超高品質が求められている。
  • 品質・精度精度を出す基本である真円度加工技術をさらに進化させ、高精度加工手順を確立する必要があった。
  • 生産能力高精度でありながら生産性が高い短納期生産体制を実現する必要があった。

やったこと

材料の応力を見える化し、それを取り除いてから自動加工するための機械を導入し、超高精度の真円度加工技術の開発に取り組んだ。最新の複合加工機と組み合わせ、高精度加工手順の確立と生産性の高い短納期生産体制の構築を目指した。結果がはっきり出るまでには長い時間がかかるが、今のところ良い結果が得られている。

加工機材料の応力を見える化し自動加工を行う機械
加工機最新の複合加工機

事業の効果

本事業により以前より真円度の向上が得られ、必要公差の有効範囲が実質的に広がることが確認された。良品率もさらに改善できる目途が立った。主要顧客からは次期開発の設計に本技術を生かしたいとの評価を受けており、事業の拡大につながると期待している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性4

    倒産危機の後に5面加工機を導入し、他の部品受注を増やして事業を立て直した経緯が書かれ、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    大手光学機器メーカーや医療機器分野との取引、先回りして技術を身につける受注戦略は書かれているが、競争優位の定量的根拠は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    顧客の将来課題を先回りして技術を備える方針は読み取れるが、課題認識と事業計画の具体的な組み立ては記載が少ない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    真円度が向上し良品率改善の目途がついたとあるが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    社長の指揮、従業員14名、独自の生産管理システムと充実した検査体制は読み取れるが、補助事業遂行体制の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療機器など成長分野で超高品質が求められ、主要顧客が次期開発の設計に技術を生かしたいと評価していると書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    長い時間をかけないと結果が出ないとの記述はあるが、スケジュールや課題解決の具体的方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達2

    5年手形を切った商社の支援や資本金500万円との記述はあるが、補助事業遂行に必要な財務状況や資金調達の見込みは書かれていない。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    超高精度真円度加工という高付加価値化の技術に取り組み、難しいオーダーへの対応が高く評価されたと書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域雇用や経済波及効果への言及は見当たらず、医療機器分野の成長性に触れるのみで国が補助する理由は弱い。

  • 費用対効果2

    補助金投入額と付加価値増加の関係を示す数値は書かれておらず、費用対効果は読み取れない。

  • イノベーションへの貢献3

    独自のオリジナル生産管理システムと図面PDF化による情報連携はあるが、サプライチェーン全体への貢献は記載が薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    伊那市の企業であることは書かれているが、地域特性を活かした雇用創出や地域経済成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

主要顧客からの評価を受けて、事業の拡大につながるものと期待している。

事業者の声

精度を出すには真円度を出せというのが私の持論。材料の応力を“見える化”し、それを取って自動加工するための機械を導入しました。長い時間をかけないとはっきりした結果は出ませんが、今のところ良い結果が得られています

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。