ものづくり補助金平成24年度滋賀県

自動車部品の計測・検査技術をベースとした安価な3次元計測器の試作開発

株式会社コムビック

この事例のポイント

  • 中小企業の製造現場では3次元計測器が高価なため、利用が進んでいない。
  • 市販のカメラ、レーザー、PCなどと当社開発のソフトウエアを組み合わせ、精度や処理速度の要求水準を満たしつつ価格を抑えた3次元計測器を開発・試作した。
  • 開発した計測器は機能ユニットで構成されるため、使用場所や状況に合わせて分離配置でき自由度が高い。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社コムビック
所在地滋賀県 大津市
業種一般機械器具製造業
技術分野金型
従業員数3人
資本金980万円
設立2012年

事業の背景

当社は工場や流通の現場の業務最適化を支援し、画像処理による検査・計測システムの開発、関連機器の企画・開発・生産、コンサルティングを行っている。レーザーとカメラを用いた3次元計測器は、大手企業のシステム化された製造現場を中心に利用が拡大している。一方、中小企業の製造現場では高価格のため普及が進んでいなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算中小企業の製造現場では3次元計測器が高価なため、利用が進んでいない。
  • 新製品・新技術精度や処理速度を満たしつつ価格を抑えた3次元計測器を開発する必要があった。

やったこと

市販のカメラ、レーザー、PCなどと当社開発のソフトウエアを組み合わせ、精度や処理速度の要求水準を満たしつつ価格を抑えた3次元計測器を開発・試作した。3次元計測器を構成する機能ユニットとして、市販PCで安定的にレーザーを制御するレーザー制御ユニット、個別のソフトを必要とせず計測対象ワークとカメラ撮影を同期させるトリガー同期ユニット、レーザーとカメラの位置関係を強固かつ安定的に固定する小型の筐体ユニットを開発し試作した。

その他レーザー制御ユニット
その他トリガー同期ユニット
その他小型ユニット(筐体)

新しい製品・サービス:溶接の脚長を手軽に測定しデータ化できるハンディスキャナー

事業の効果

開発した計測器は機能ユニットで構成されるため、使用場所や状況に合わせて分離配置でき自由度が高い。現在は顧客の業種やニーズに合わせてカスタマイズした試作品や製品を提供している。溶接の脚長を測定するハンディスキャナーを今年3月に販売し、ユーザーのフィードバックをもとに改良を重ねている。自動車メーカーには接着剤の塗布量検査システムを4台販売し、鉄鋼メーカーとは金属加工品の経年劣化計測システムの協議を進めている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    会社概要に画像処理による検査・計測システム開発とあり、本事業はその延長と読めるが、経営戦略上の位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    大手は利用拡大、中小は高価で普及していないという外部環境と、市販部品とソフトで価格を抑える方針が書かれ、強みの活かし方が読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    中小製造現場での高価格という課題認識と、価格を抑えた計測器の開発・試作が書かれているが、事業計画の数値は示されていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値の創出や賃上げを実現する目標値は書かれておらず、受注量拡大や低価格化の方向性のみ読み取れる。

  • 事業を進める体制3

    従業員3人で自社とアライアンス企業の技術・経験による開発体制、企画から量産までの一貫対応が書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    中小製造現場向けの低価格3次元計測器という顧客像と、溶接脚長をデータ化するハンディスキャナーという具体的な用途が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    今年3月販売、今年度後半に多くのユーザー販売を目指す、小型化・薄型化などの今後の改良方針が書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    3次元計測器は大手で利用が拡大しているが、中小では普及が進んでいないと書かれ、普及度は中程度と読める。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    中小企業の製造現場への普及促進という目的が示されているが、波及効果や雇用創出の数字は書かれていない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加、生産性向上の数値は書かれておらず、費用対効果はうかがえる程度である。

  • イノベーションへの貢献3

    市販カメラ等とソフトを組み合わせ、非接触の計測をデータ化する点が示され、デジタル技術の活用が読み取れる。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    今後の需要増加が想定される分野への進出の基礎を構築したとあり、構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ハンディスキャナーは今年度後半の多くのユーザーへの販売を目指している。非接触ノギスとしての製品化も進めており、縮小化や測定精度の安定性確保の改良を行い、受注量の拡大と低価格化を図る方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。