ものづくり補助金平成25年度製造業静岡県

金属銘版製造技術を応用したオリジナルオーダー雑貨の製造・販売

有限会社小林金属製版所

成果作業工程数 4工程→2工程

この事例のポイント

  • 機械メーカーを中心とした企業同士の取引が中心で、一般消費者向けの製品や販売チャネルに馴染みがなかった。
  • 製版機械のサーマルデジプレートを導入した。
  • 作業工程数 4工程→2工程。サーマルデジプレートの導入により、製版の作業工程が4工程から2工程に短縮され、リードタイムも数時間から15分以内での完…

事業者のプロフィール

事業者名有限会社小林金属製版所
所在地静岡県 沼津市
業種金属製品製造業
技術分野表面処理
資本金300万円
設立1960年

事業の背景

同社は昭和35年設立で、銘板製造を中心に60余年にわたり金属製品を手掛けてきた。県内で金属板の製版を手掛ける事業所はほとんどなく、職人の技能やノウハウは他社に替えられないものだった。一方で取引は機械メーカー中心で、販路拡大の足掛かりを探していた。地元金融機関を通じて知り合った異業種グループで共同型店舗の計画が動き出し、オリジナル雑貨の販売を始めることになった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信機械メーカーを中心とした企業同士の取引が中心で、一般消費者向けの製品や販売チャネルに馴染みがなかった。
  • 生産能力デザインのデジタルデータを紙媒体に出力し、写真撮影・現像を経てフィルムへ反転する工程がアナログで制約が多く、ボトルネックとなっていた。
  • 品質・精度オンリーワン製品の製造には従来より品質・コスト・納期の改善が必要で、効率的な製造体制の構築が不可欠だった。

やったこと

製版機械のサーマルデジプレートを導入した。本機械は銘板を含むすべての媒体への印刷を想定したフィルム出力を可能とし、データを直接フィルムへ出力できる。これにより従来の写真現像等の工程を省略した。導入の結果、作業工程は4工程から2工程へ短縮され、リードタイムも数時間かかっていたものが15分以内での完了に実現した。また、写真現像に必要だった現像液等の廃液がゼロとなり、暗室が不要になったことで製造現場のレイアウトも効率化された。

その他サーマルデジプレート(製版機械)

新しい製品・サービス:顧客が持ち込むデザインや写真を商品に落とし込むオンリーワンのオリジナル雑貨(手鏡、ステンレス製コースターなど)。

事業の効果

  • 作業工程数 4工程→2工程

サーマルデジプレートの導入により、製版の作業工程が4工程から2工程に短縮され、リードタイムも数時間から15分以内での完了が実現した。写真現像に伴う現像液等の廃液がゼロになり、暗室も不要になった。これにより製造現場のレイアウトも効率化され、10年前から取り組んできた7時間勤務・残業0時間への対応にも大きく貢献した。一般消費者向けの事業が軌道に乗り、販路拡大にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    銘板製造60余年の実績から雑貨事業へ広げた経緯は読めるが、経営戦略上の位置付けを示す記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    顧客のデザインや写真を形にするオンリーワン雑貨を、製版技術と職人の技能を強みとして展開する点が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    写真現像や4工程を2工程へ短縮し、リードタイムを数時間から15分以内に短縮した課題解決が事実つきで書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    売上や付加価値額の目標数値は示されておらず、今後の売上拡大を語る程度にとどまる。

  • 事業を進める体制2

    体制として若いスタッフが業務に当たる様子はうかがえるが、補助事業遂行体制の具体的記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客が持ち込むデザインや写真を商品化するオンリーワン提供、体験型要素による選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    導入機械による工程短縮は書かれるが、中長期の検証や遂行スケジュールの記述は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    銘板製造技術を応用した一般消費者向けのオーダー雑貨という、同社にとって新しい分野への進出が具体的に書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地域の金融機関主導の異業種ネットワークや沼津市の立地はうかがえるが、国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    写真現像の廃液がゼロになり、7時間勤務・残業0時間への対応に貢献したと効果が書かれているが金額の費用対効果は不明。

  • イノベーションへの貢献3

    サーマルデジプレートによるデジタルデータ直接出力は技術的工夫として書かれるが、サプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    オーダー雑貨の一般消費者向け展開がうかがえるが、日本経済の構造転換に資するとの記述はない。

  • 地域経済への波及3

    県内で少なくなった銘板製造や大諏訪の立地、地元金融機関との連携が書かれ、地域性はうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

一般消費者向けのオリジナル雑貨事業の売上拡大を図り、今後も技術力を武器に挑戦を続ける計画。

事業者の声

今回の補助金で一般消費者向けの事業が軌道に乗りました。今後も売上の拡大を図っていきます。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。