ものづくり補助金平成25年度卸売業、小売業静岡県

固層および標識型抗体付加法とフォトン計数法によるウイルス高感度高速検知装置

株式会社電興社

成果ウイルス反応速度 20分→5分

この事例のポイント

  • システム技術や計測・光学技術などの既存の技術資産を、主軸のFA・LA以外の分野へ転用する道を模索していた。
  • ELISA法の抗原抗体反応を適正かつ迅速に進めるため、ぬぐい液などの試料を収集する標本格納部を開発した。
  • ウイルス反応速度 20分→5分。ELISA法の簡略化・自動化により、反応速度が約20分から5分程度に短縮され、感度の高い高速検知が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社電興社
所在地静岡県 浜松市
業種機械器具卸売業
技術分野測定計測
従業員数70人
資本金1,200万円
設立1962年

事業の背景

創業は昭和21年で、電動機や変圧器などの修理・製作を主体に浜松のものづくりを支えてきた。コア技術は自動制御技術で、FA・LAシステムの構築やネットワーク構築などを行う情報制御システム技術の総合商社である。浜松では食品業界のノロウイルス事件やインフルエンザによる小学校の休校措置など、ウイルス感染による健康被害が相次いでいた。一方、インフルエンザ検査で主流のELISA法は感度が低く、反応速度も遅く約20分かかっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術システム技術や計測・光学技術などの既存の技術資産を、主軸のFA・LA以外の分野へ転用する道を模索していた。
  • 品質・精度インフルエンザ検査で主流のELISA法は感度が悪く、保菌者を判定できないことがあった。
  • 人手・技能ELISA法の検査ではマイクロピペットによる滴下作業を手作業で行う必要があり、反応に約20分かかって患者の負担も大きかった。

やったこと

ELISA法の抗原抗体反応を適正かつ迅速に進めるため、ぬぐい液などの試料を収集する標本格納部を開発した。発光反応促進装置では、同社が得意とするシーケンス制御を応用し、通常のELISA法でマイクロピペットにより行う滴下作業の分量や順序を自動化した。処理された微弱発光を計測するため、医工連に所属する浜松ホトニクスの協力でフォトンカウンター(微弱発光検知装置)を導入し、ウイルス感染高感度高速検知システムを構築した。反応試験ではウイルスを捕捉し、追加した抗体反応で微弱発光を発生させ、ウイルスの特異的検知を行った。

  • その他標本格納部発光反応促進装置
  • 検査測定微弱発光検知装置フォトンカウンター

新しい製品・サービス:ウイルス高感度高速検知装置(バイオフォトンカウンター)

事業の効果

  • ウイルス反応速度 20分→5分

ELISA法の簡略化・自動化により、反応速度が約20分から5分程度に短縮され、感度の高い高速検知が可能になった。試作品の完成により企業への提案が可能となり、大手食品メーカーから小型化や操作の簡略化、ローコスト化のニーズを吸い上げることができた。今回は受注に繋がらなかったものの、ほかの計測装置の製造について打診があり、別の展開への可能性が広がった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    FA・LA技術を軸に自動化を進めてきた歴史と、技術資産を転用して開発したことが読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    システム技術・コンピュータ技術・人的ネットワーク資産を挙げ、浜松の食品業界の被害やインフルエンザ検査の課題を踏まえた開発と読める。

  • 課題の認識と解決4

    ELISA法の反応時間が20分程度かかる課題を示し、反応速度を約5分程度に短縮した成果が書かれている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていないが、受注に繋がらなかったものの別展開の打診があったとされる。

  • 事業を進める体制4

    グループ会社や医工連などの連携体制と、試作品を完成させた経緯が具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    大手食品メーカーから小型化や簡略化、ローコスト化のニーズを吸い上げたこと、ウイルス汚染リスクの高い施設への設置を狙うことが書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    小型化・簡略化・ローコスト化を今後の課題として挙げているが、具体的なスケジュールや解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ウイルス感染の迅速検知という分野で、既存のELISA法より高感度・迅速な装置を開発した点が書かれている。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用4

    食品業界のノロウイルス事件や小学校の休校など健康被害の相次ぎへの対応として、社会的意義が述べられている。

  • 費用対効果2

    補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果を示す数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    ELISA法の自動化と微弱発光検知の組み合わせで、医工連のネットワークを活かした先端的な検知技術の構築が読み取れる。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    FA・LA技術を医療検査分野へ転用し、健康・医療分野へ進出している点がうかがえるが、構造転換との関連は明記されていない。

  • 地域経済への波及3

    浜松の地域の大学や企業のネットワークを活用して開発した点が書かれており、地域の特性が活かされている。

事業者の声

良いものを作っても利用してくれなければ意味がない。ユーザー目線で、小型化や簡略化、ローコスト化をクリアし、ウイルス汚染リスクの高い食品工場や学校、病院、公共機関等へ設置してもらえるような商品にしていきたい

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。