ものづくり補助金平成25年度建設業静岡県

「ハウス・ヘルスモニタリング」実施による防災住宅機能の強化

百年住宅株式会社

この事例のポイント

  • 従来の地震計は専門性が高く操作が難しく、1台10万円と高額なため、一般住宅向けとしては実用性に欠けていた。
  • スマートフォン用に開発された無料アプリ「地震」のセンサー機能を使い、各住宅の微動観測データをクラウド技術を利用したGEONAVIシステムで自動収集・解析する仕組みを構築した。
  • 各住宅の地震時の震度や揺れのデータを自動で集めて解析し、建物の安全度を、高額な検査をしなくてもその都度判定できるようになる。

事業者のプロフィール

事業者名百年住宅株式会社
所在地静岡県 静岡市
業種総合工事業
従業員数167人
資本金4,800万円
設立2004年

事業の背景

主力はWPC工法による一般住宅・集合住宅の建築と施工で、型式認定工場で製造した高強度のPCパネルをボルトで接合する箱形の壁式構造を採用している。同社は、日本では20〜30年で建物の価値がゼロになってしまうことを問題視し、100年建て替えの要らない住宅づくりを目指している。熊本地震後の現地視察で被災者の声を聞き、災害後も住み続けられる防災住宅の考え方を強めた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算従来の地震計は専門性が高く操作が難しく、1台10万円と高額なため、一般住宅向けとしては実用性に欠けていた。
  • 新製品・新技術防災住宅の機能を強化するため、手頃で簡単に使える地震計を使ったモニタリングやメンテナンスの仕組みが必要だった。
  • その他熊本地震のような度重なる余震で住宅の継続使用への不安が大きく、建物の安全性を確かめるには高額な検査費用がかかっていた。

やったこと

スマートフォン用に開発された無料アプリ「地震」のセンサー機能を使い、各住宅の微動観測データをクラウド技術を利用したGEONAVIシステムで自動収集・解析する仕組みを構築した。同社の専用ウェブ画面で、地震発生時の震度状況のマッピングと震度集計結果を即時に表示できるようにした。各家の震度、最大加速度、固有周期などのデータを集積し、震度3以上の地震では都度レポートとして顧客へ送付し、自宅の状況を確認できるようにした。現在は本格始動に備えて社員宅をはじめ約30宅で試行中である。

  • ソフト「地震」アプリGEONAVIシステム

新しい製品・サービス:ハウス・ヘルスモニタリングシステム

事業の効果

各住宅の地震時の震度や揺れのデータを自動で集めて解析し、建物の安全度を、高額な検査をしなくてもその都度判定できるようになる。震度3以上の地震ごとにレポートを顧客へ送ることで、住まい手に安心感を与えられる。この仕組みにより、防災住宅としての機能が強化される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    防災住宅・100年住宅という理念と、ハウス・ヘルスモニタリングの展開が書かれているが、既存事業との連続性の説明は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    WPC工法の耐震・耐火性と無傷の実績は書かれているが、市場動向や競合との比較による優位性の記述は乏しい。

  • 課題の認識と解決3

    地震計の高額・専門性という課題認識は書かれているが、事業計画の売上や付加価値の数値目標は書かれていない。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値や賃上げの目標値は書かれていない。来年の新築標準化という時期目標のみ読み取れる。

  • 事業を進める体制3

    技術開発課の課長や社長が登場し、社員宅など約30宅で試行中と体制の一部がうかがえるが、人員や事務体制は不明。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    震度、最大加速度、固有周期のレポートを顧客へ送付し、震度3以上ではその都度通知するなど、顧客の安心につながる価値が具体的。

  • 事業化までの道筋3

    試行から新築標準化、既存住宅への設置、住宅検査制度の創設と段階が書かれているが、課題解決方法の詳細は乏しい。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    住宅の地震モニタリングは一般的に普及していない分野とまでは書かれていないが、高額で一般向けに実用性がなかったとの記述がある。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地震後の住み続けられる住宅という社会的意義がうかがえるが、経済波及や雇用創出の記述は書かれていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献4

    スマホセンサーとクラウドによるGEONAVIシステムで各住宅の微動を自動収集・解析する点は、デジタル技術の活用として具体的。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    住宅の検査制度創設への取り組みと防災住宅の考え方がうかがえるが、日本経済の構造転換との関係は書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    静岡市の企業として記載はあるが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出の記述は乏しい。

今後の展望

現在の試行結果をもとに、来年には新築住宅での標準化を目指す。既存住宅への設置も促していく予定である。さらに住宅の検査制度の創設にも取り組んでいきたいとしている。

事業者の声

「耐震基準をクリアしただけでは、命は守れても、財産は守れない。震度7の大地震がきても、修理をせずにそのまま住める家を提供することで、住宅災害貧乏をなくしたい」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。