ものづくり補助金平成25年度製造業愛知県

垂直多関節ロボット導入に伴うサイクルタイム短縮による生産性向上とコスト削減

阪部工業株式会社

成果バリ取り作業の生産効率 13個/時間→18個/時間

この事例のポイント

  • 工員がルーターで手作業により行うバリ取り工程が、人手と時間がかかりすぎ、仕上げ加工工程のネックとなっていた。
  • 平成25年度補正中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業を活用し、平成26年8月にファナックの6軸垂直多関節ロボットを導入してバリ取り工程を自動化した。
  • バリ取り作業の生産効率 13個/時間→18個/時間。ロボット導入によりバリ取り工程の生産効率は大幅に改善し、人が1時間13個こなしていた作業をロボットは18個こなすように…

事業者のプロフィール

事業者名阪部工業株式会社
所在地愛知県 西尾市
業種鉄鋼業
技術分野精密加工
資本金1,000万円
設立1951年

事業の背景

阪部工業は鋳鉄の専門メーカーで、主に自動車、建設機械、土木資材の部品を製造し、西尾市に三つの工場を持つ。素材加工から最終仕上げまで一貫して手がけ、4000kgの重量品にも対応する。売上のトップは自動車部品で全体の40〜45%を占め、中でもデフケースなど足回りの部品が主力である。平成25年にはデフケースの製造で仕上げ加工工程がフル稼働を続け、月に30日稼働したこともあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力工員がルーターで手作業により行うバリ取り工程が、人手と時間がかかりすぎ、仕上げ加工工程のネックとなっていた。
  • その他バリ取りの際に出る クズが四方八方へ飛散して環境を悪化させていた。
  • コスト・採算自動車部品はコスト要求が厳しく、バリ取りに人手と時間がかかることが収益上の負担になっていた。

やったこと

平成25年度補正中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業を活用し、平成26年8月にファナックの6軸垂直多関節ロボットを導入してバリ取り工程を自動化した。ルーターで取りきれなかった返りバリは、従来は砥石や工業用スポンジで除去していたが、ロボットではブラシで行う。ブラシはさまざまな種類を試し、毛が長すぎると広がってバリが取れず、短すぎると硬さが出て製品に傷がつくため、毛が長めのブラシの根元をしばる方法で満足な仕上がりに行き着いた。人の手で感じ取れる100分の1mmのひっかかりを、同等の仕上がりとしてロボットで実現するため、ブラシの仕様が鍵になった。セットアップはセットアップメーカーの協力を仰ぎながら運用のためのテストを重ねた。

ロボットファナック製6軸垂直多関節ロボット
その他バリ取り用ブラシ(先端工具)

事業の効果

  • バリ取り作業の生産効率 13個/時間→18個/時間
  • 加工ライン全体の割当作業人員 8人→7人

ロボット導入によりバリ取り工程の生産効率は大幅に改善し、人が1時間13個こなしていた作業をロボットは18個こなすようになった。加工ライン全体の作業人員は8人から7人に減り、余った1人は他工程へ配置できた。バリ取りのクズも飛散せずまとまって排出されるため、環境を汚すことなく廃棄できるようになった。生産体制の整備で実現した低コストを武器に、類似製品の受注を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    鋳鉄の専門メーカーで自動車部品を主力とし、バリ取り工程の課題に取り組んだと読めるが、経営戦略上の位置付けまでは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    自動車部品のコスト要求が厳しいことや、類似製品の受注を目指して営業している点は読み取れるが、強みの具体的な分析は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    バリ取りの手作業が効率面とコスト面のネックと認識され、ロボット導入で約38%の効率アップ、人員8人から7人への削減が示されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    1時間あたり人13個に対しロボット18個と約38%アップの数値があり、人員8人を7人に減らせた実績も記載されている。

  • 事業を進める体制3

    セットアップメーカーの協力を仰ぎ運用テストを重ねたと書かれているが、体制や人材の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客は自動車部品でコスト要求が厳しいと書かれ、低コストを武器に類似製品の受注を目指すとあるが、ニーズの裏付けは限定的。

  • 事業化までの道筋4

    ブラシの仕様を試行錯誤し、毛の長さやしばる方法で満足な仕上がりに行き着いた過程が具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    鋳鉄部品の製造で一般的な分野とされ、高付加価値化や高価格化を図る記述はわずかにうかがえる程度。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    西尾市の三工場や地域のモノづくりに触れるが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果4

    約38%の効率アップ、人員1人分の再配置、クズ飛散防止など、導入による生産性とコストの改善が数字つきで示されている。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    西尾市に工場を持つと書かれるが、地域特性を活かした付加価値や雇用創出の記述は見当たらない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

類似製品の受注を目指して営業活動を続けている。今後もふりかかる試練をバネに、さらに進化を続けていく方針である。

事業者の声

「顧客の状況が変化するのは、珍しくない。我々は変化に対応すべく知恵をしぼるだけ」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。