ものづくり補助金平成25年度製造業愛知県

知能化設備導入による小型電動モビリティ用試作部品の高精度・小型化

石敏鐵工株式会社

この事例のポイント

  • 平成14年ころから瓦の生産が顕著に落ち込み、同社の経営にも影響が及び始めた。
  • 平成25年度補正中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業の活用により、オークマのNC旋盤「LB3000 EXII」を導入した。
  • NC旋盤の導入により外注に頼っていた加工を内製化し、以前は間に合わなかった仕事も受注できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名石敏鐵工株式会社
所在地愛知県 碧南市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
資本金1,000万円
設立1948年

事業の背景

石敏鐵工は碧南市に本社を置き、地場産業の三州瓦と深く関わりながら事業を広げてきた。昭和23年に瓦の金型メーカーとして創業し、昭和39年には瓦を生産するためのプレス機の製造にも着手した。高度経済成長期には住宅着工件数の増加とともに瓦の生産が伸び、同社の事業も拡大した。しかし平成14年ころから瓦生産の落ち込みが顕著になり、同社の経営にも影響を及ぼし始めた。そこで金型やプレス機で培った技術を他分野で生かそうと考え、加工業へ進出して自動車部品の加工を手がけるようになった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑平成14年ころから瓦の生産が顕著に落ち込み、同社の経営にも影響が及び始めた。
  • 納期・工程外注していたNC旋盤による加工はリードタイムに合わず、受注を逃すこともあった。
  • 納期・工程研磨工程を外注する必要があり、時間がなく納期に間に合わなくなるため、切削で仕上げるしかない状況だった。
  • 品質・精度工場の室温や主軸の回転などにより機械が熱変位するため、恒温室のない環境では高精度な加工が難しかった。

やったこと

平成25年度補正中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業の活用により、オークマのNC旋盤「LB3000 EXII」を導入した。導入の決め手は、同機に搭載された熱変位補正システム「サーモフレンドリーコンセプト」で、室温が変化しても加工精度を維持できる。試作部品は1個から10個程度と小ロットで、要求精度を出すために研磨工程を外注せずに済むようになった。技術アピールとして同機で金属製の「ハロウィンかぼちゃ」のペットボトルキャップを製作し、展示会で披露したところ大きな注目を集めた。さらに、瓦や自動車以外の分野として宇宙に着目し、超小型人工衛星「キューブサット」の部品加工にも挑戦している。

加工機オークマ NC旋盤 LB3000 EXII(熱変位補正システム サーモフレンドリーコンセプト搭載)

事業の効果

NC旋盤の導入により外注に頼っていた加工を内製化し、以前は間に合わなかった仕事も受注できるようになった。恒温室がなくても高精度な加工ができるようになり、加工の幅が大きく広がった。これまでにない仕事も手がけられるようになり、ペットボトルキャップの試作品は展示会で注目を集めた。瓦や自動車以外の分野として超小型人工衛星の部品加工にも挑戦し、事業領域を広げている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性4

    瓦金型・プレス機製造から加工業へ進出し、自動車部品加工を手がけた経緯が明記されている。過去の取組との連続性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ペットボトルキャップ試作や宇宙分野への挑戦など強みの活用はうかがえるが、市場動向や競争優位の分析は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    外注で受注を逃していた課題と、NC旋盤導入による内製化の方針は読み取れるが、高付加価値化の数値目標は書かれていない。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    受注拡大を図るとあるのみで、付加価値や賃上げの目標値は書かれていないため、実現可能性は判断しにくい。

  • 事業を進める体制2

    社長や加工業進出10年の実績は触れられるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の記述は限定的である。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    試作部品で1〜10個程度、宇宙分野の小型衛星部品など顧客ニーズは書かれているが、ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の受注拡大の方向性は示されるが、スケジュールや課題解決方法の具体的な記述は見当たらない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    熱変位補正による恒温室不要の高精度加工や、超小型人工衛星部品への挑戦は、高水準の高付加価値分野として読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地場産業の補完や宇宙分野への展開は書かれるが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は明記されていない。

  • 費用対効果2

    外注を内製化し受注を逃さなくなった効果は書かれるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    熱変位補正の知能化技術や高精度加工は技術革新として読み取れるが、サプライチェーンへの貢献は具体的ではない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    宇宙分野など新市場への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は見られない。

  • 地域経済への波及3

    西三河地区の地場産業である三州瓦と結びついた事業であることは読み取れるが、地域への雇用や成長効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

同機を活用して受注拡大を図っていきたいとしている。

事業者の声

「加工の幅が広がった」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。