ものづくり補助金平成25年度製造業愛知県

CNTセラミックスを利用した、機能性食器の試作

株式会社セラミック・ジャパン

この事例のポイント

  • カーボンナノチューブを陶器に応用した機能性食器の開発が必要だった。
  • あいち産業科学技術総合センター瀬戸窯業技術センターの提案を受け、カーボンナノチューブを土に練り込まず表面に塗布する方式に変えた。
  • 電子レンジで約3分で蒸し料理ができる調理器を世に出し、料理研究家と共同で作ったレシピ集を添えて料理のジャンルを問わない広い活用を提案できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社セラミック・ジャパン
所在地愛知県 瀬戸市
業種窯業・土石製品製造業
技術分野複合・新機能材料
資本金1,000万円
設立1973年

事業の背景

セラミック・ジャパンは愛知県瀬戸市で、モダンでデザイン性の高いオリジナル陶器を製造・卸している。電子レンジで使える食器の市場はまだ未開拓で、シリコン製などには食器として使うことに抵抗がある人も一定数いた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術カーボンナノチューブを陶器に応用した機能性食器の開発が必要だった。
  • 品質・精度カーボンナノチューブは熱伝導性が高く、一般の窯では表面温度が高くなりすぎて製造が難しかった。
  • 品質・精度練り込んだタイプの器は電子レンジで全体が過度に発熱し、わずか7秒で器が破裂することもあった。

やったこと

あいち産業科学技術総合センター瀬戸窯業技術センターの提案を受け、カーボンナノチューブを土に練り込まず表面に塗布する方式に変えた。電子レンジで約3分温めると容器底のCNTがマイクロ波で発熱し、簡単に蒸し料理ができる電子レンジ調理器「3minutes」を試作した。発熱を底面に集中させて容器上部の温度上昇を抑え、調理中の温度が100度Cを超えない仕様に仕上げた。耐熱土は焼き上げると約7%縮小し、ふた部分の半磁土は10%以上小さくなるため、素材の違う二つがかみ合うための試作も重ねた。

新しい製品・サービス:電子レンジ調理器「3minutes」

事業の効果

電子レンジで約3分で蒸し料理ができる調理器を世に出し、料理研究家と共同で作ったレシピ集を添えて料理のジャンルを問わない広い活用を提案できるようになった。陶器製のため食卓にそのまま出しても違和感が少なく、老若男女に提案できる。発売は平成28年で、1人暮らしの世帯を中心に月1000個程度の販売を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性40%
  • これまでの取組との一貫性2

    陶器製造の事業と関連する食器開発だが、経営戦略上の位置づけや過去の取組との一貫性は事例に明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    「先進的で機能性のある食器を作ることは必要だった」とあるが、市場動向や自社の強み・弱みとの関係は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決2

    提案段階の試作品で「製造が難しかった」と課題は触れられているが、事業計画としての高付加価値化や成長の見通しは示されていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    発売後に「1人暮らしの世帯を中心に月1000個程度販売」という目標数値があり、付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    料理研究家との共同作業やレシピ集の作成は書かれているが、体制や人材、事務処理能力については触れられていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    電子レンジで約3分で蒸し料理ができる点、底面にCNCを集中させ使いやすさを追求した点、ターゲットは一人暮らし世帯と書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    試作を繰り返し温度データを積み上げたことや、補助事業での試作経緯は書かれているが、中長期の検証計画やスケジュールは明確でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    CNTを電子レンジ調理器として陶器に応用した例で、同社は「未開の状態」と述べ、市場はまだ投入したばかりと書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    CNT応用の活用が広がれば「食器もCNTの応用の方法の一つになる」とあるが、経済波及や雇用創出への言及はない。

  • 費用対効果2

    補助金投入額と付加価値額の関係や費用対効果は書かれておらず、販売目標の数量のみ示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    CNTを陶磁器に応用する新たな素材活用として、産業科学技術センターと連携した点が書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    「新しい素材を武器にモノづくりの原野を開拓」とあるが、産業構造の転換への言及は具体的でない。

  • 地域経済への波及2

    瀬戸市の陶器のまちという地域特性は書かれているが、地域経済の牽引や雇用創出への効果は述べられていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

カーボンナノチューブの応用は食器にも広がる可能性があり、新しい素材でモノづくりの原野を開拓していくと考えている。

  • 目標:約1〜1.5%の間で濃度を細かく変化させた溶液を陶器に塗って評価した。
  • 目標:1人暮らしの世帯を中心に月1000個程度販売することが目標。

事業者の声

もしも『3minutes』がこれから売れていけば、食器もCNTの応用の方法の一つになるのではないかと思う

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。