ものづくり補助金平成30年度製造業宮城県

非プラスチック系コーティングの耐水性能を有した環境対応印刷物の開発

株式会社ホクトコーポレーション

この事例のポイント

  • 印刷物に耐水性を持たせるにはPP加工やラミネート加工が必要だが、これらを施すとプラスチック扱いになりリサイクルできなくなる。
  • プラスチック成分の少ないUV液ラミネーターを導入し、PPに代えて表面加工を行えるようにした。
  • ライメックスとUV液ラミネーターの組み合わせにより、表面加工後の印刷物がリサイクル可能になり、プラスチック使用量を減らせた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ホクトコーポレーション
所在地宮城県 仙台市青葉区
業種印刷・同関連業
技術分野表面処理

事業の背景

印刷業は自然環境に悪影響を与えると思われがちで、そのイメージを払拭したいと考えていた。2010年にいち早く水なし印刷を導入し、グリーン購入法適合製品として環境への取り組みを進めてきた。その後はISO14001の取得、全車両ハイブリッドの営業車の導入、SDGsに沿った取り組みを行い、東北・宮城で環境問題に積極的な印刷会社として知られている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術印刷物に耐水性を持たせるにはPP加工やラミネート加工が必要だが、これらを施すとプラスチック扱いになりリサイクルできなくなる。
  • 品質・精度石灰を主原料とする国産合成紙のライメックスは従来の印刷やプリンターではインクの定着が悪かった。
  • その他印刷物は短期間で廃棄される場合が多く、製品寿命が短いことが環境面の課題だった。

やったこと

プラスチック成分の少ないUV液ラミネーターを導入し、PPに代えて表面加工を行えるようにした。石灰を主原料とする国産合成紙のライメックスを使用し、普通紙にPP加工を施した場合と同等以上の耐水性・撥水性を実現した。ライメックスの定着性を高めるためUVインクジェットプリンターを導入した。その結果、汚れても水洗いの上で何度でも使用できる飲食店のメニューを第一弾の製品として試作し、受注した。新工場にはクリーンルームを設備し、SIAAの承認を受けた抗菌・抗ウイルスのコーティング加工やクリーンルームでのアッセンブリも可能になった。

その他UV液ラミネーター
加工機UVインクジェットプリンター
その他クリーンルーム

新しい製品・サービス:汚れても水洗いできる耐水性の環境対応印刷物(洗えるメニュー)

事業の効果

ライメックスとUV液ラミネーターの組み合わせにより、表面加工後の印刷物がリサイクル可能になり、プラスチック使用量を減らせた。洗えるメニューは水洗いで何度も使えるため紙製品の寿命が延び、環境性の向上につながった。クリーンルームとSIAA認証の抗菌・抗ウイルス加工により衛生面の価値も加わり、他社との差別化とブランディングにつながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    水なし印刷の2010年導入やISO14001取得など環境対応の取組の積み重ねが読み取れ、環境製品開発への一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    他社との差別化とブランディングを狙う記述はあるが、市場動向や競合に対する具体的な分析や数字は示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    印刷物の寿命が短いという課題を認識し、耐水性で製品寿命を伸ばす方針が示されているが、事業計画の数値目標は読み取れない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    製品化の際に仕様を詰めて一つずつ納品してきたという記述はあるが、人材や事務処理体制についての記載はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    洗える飲食店メニューという製品と、環境性・衛生性を重視する顧客ニーズ、SIAA認証の抗菌コーティングなどの選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    製品の追加開発やクリーンルーム活用の方向性は示されるが、スケジュールや課題解決の方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ライメックス等の環境紙とUV液ラミネーターによる非プラスチック系の耐水印刷は、一般的でない高付加価値の製品として具体的に説明されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    プラスチック削減や環境負荷低減への貢献はうかがえるが、雇用創出や経済波及効果についての記述はない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値増加額などの費用対効果を示す数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    UVインクジェットやレーザー加工機の活用、サプライチェーンの環境配慮に触れているが、業界全体への波及は具体的でない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    環境性と衛生性を重視する社会の要請に応えるとあるが、市場成長分野への進出や構造転換との関連は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    宮城の環境系印刷会社として知られるとあるが、地域経済や雇用の成長への具体的な効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

環境性や衛生性の高い製品を顧客に提案し、今後も持続可能な社会づくりに貢献していく方針である。また、この性能を活かした製品を開発中である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。