ものづくり補助金平成25年度建設業三重県

工事現場(マンホール)用転落防止人感センサー警報装置

株式会社東産業

成果1.5 mで 60db 以上

この事例のポイント

  • 工事現場の危険告知は防護柵や看板、照明が一般的だが、夜間などには気付かれにくく、作業員が集中すると第三者が接近しても気づかないため、事故を未然に防ぐことが難しい。
  • 工事現場の過酷な環境に対応するため、筐体の高強度化・防水・防塵を目指した。
  • 1.5 mで 60db 以上。試作開発の結果、20cm程度の高さからの落下でも問題がなく、社内の工事環境では防塵上の問題がなかった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社東産業
所在地三重県 四日市市
業種総合工事業
技術分野製造環境,測定計測
従業員数147人
資本金3,000万円

事業の背景

当社は水処理関連施設維持管理、産業廃棄物・一般廃棄物の収集運搬、一般土木工事などを手がける。自社工事現場の作業員から危険性を指摘する声があった。マンホールや浄化槽の蓋を開けて作業する際、一般の通行人が転落する事故が毎年発生しており、怪我人には視覚障がい者も含まれている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度工事現場の危険告知は防護柵や看板、照明が一般的だが、夜間などには気付かれにくく、作業員が集中すると第三者が接近しても気づかないため、事故を未然に防ぐことが難しい。
  • 人手・技能小規模な工事現場では警備員を配置できず一人で作業する現場があり、監視員のいない現場では通行人と作業員双方の安全確保が課題になっている。

やったこと

工事現場の過酷な環境に対応するため、筐体の高強度化・防水・防塵を目指した。3Dプリンタを購入して筐体開発を早期に進め、1次から3次の電子回路を外注や自社試作で開発した。2次試作では LED を8個から4個に減らし、電池を3個から2個に変更した。最終試作では筐体を10台製作し、組立効率、操作簡略化、反応距離、防水試験、温度試験、電池寿命試験、音量計測を実施した。専用スタンドはコストが高いためカットコーンへの設置を推奨する方針に変えた。

加工機3Dプリンタ

新しい製品・サービス:転落防止用の人感センサー型警報装置。音声告知を行い、360度対応のセンサーと LED 点滅による照明機能を持ち、カラーコーンへの取り付けやマンホール専用スタンドにも設置できる。

事業の効果

  • 1.5 mで 60db 以上
  • 目標値 30 回 / 日× 30 日を大幅に上回った

試作開発の結果、20cm程度の高さからの落下でも問題がなく、社内の工事環境では防塵上の問題がなかった。電池寿命は目標の30回/日×30日を大幅に上回り、1.5mで60db以上の音量を確保した。防水はIPX5の想定に対しIPX3にとどまり、温度試験では+65度の環境を作れなかった。2027年10月から販売を開始し、工事事業者を主な対象として他業界への販路拡大も検討している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    「試作開発+設備投資」の枠組みや筐体開発の経緯は読めるが、過去事業との一貫性や経営戦略上の位置づけは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    工事現場作業員の意見・ニーズに基づき規格開発を行うと書かれ、外部環境と自社強みの関係は一部読み取れるが、競争優位の説明は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    転落事故の課題認識と、警備員配置効率化・販路拡大(駅や病院への展開)が書かれているが、高付加価値化の定量目標は示されていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値創出や賃上げの目標値は書かれておらず、販売価格を下げる取組のみ記載されている。

  • 事業を進める体制2

    外注先への依頼や3Dプリンタ導入は書かれるが、体制や人材、事務処理能力についての記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ターゲットは工事事業者と明記され、視覚障がい者への配慮、360度対応などの特徴と需要先が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    試作の段階ごとの修正と試験項目、今後の樹脂一体成型への取組が書かれ、スケジュールは示されないが課題解決の流れは読める。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    防護柵付き人感センサー警報装置の分野で、同種の普及状況は書かれていないが、音声告知や防水防塵の特徴は示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    マンホール転落事故が全国で発生していると書かれ、安全対策としての社会的意義は読み取れるが、経済波及効果の数値はない。

  • 費用対効果2

    費用対効果を示す数値は書かれておらず、警備員配置の効率化という定性的な効果にとどまる。

  • イノベーションへの貢献2

    360度センサーや音声告知の活用はあるが、サプライチェーンへの貢献や新しいビジネスモデルの記述は限定的。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    三重県四日市市の企業であることが示されるが、地域特性を活かした雇用創出や地域成長への言及はほぼない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

想定しているメインターゲットは工事事業者である。2027年10月より販売を開始しており、他業界への販路拡大も検討している。展示会やイベント会場での活用、駅や病院など視覚障がい者に対応している事業者での需要を見込んでいる。現在、筐体の樹脂による一体成型などに取り組み、製造価格を下げ、販売価格を下げるよう取り組んでいる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。