ものづくり補助金平成27年度製造業岩手県

IoTを活用した24時間監視型福祉用具消耗品製造による経営の安定化

株式会社マユミ精巧

この事例のポイント

  • フィルムカセットは消耗品として継続的に売り上げにつながるが、自社で製造する設備がなかった。
  • フィルムの折り込みとカットを自動で行う装置を設計、開発し、設計・開発には約半年を要した。
  • ラップポンの消耗品であるフィルムカセットを独占的に受注し、安定した売り上げと利益を確保している。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社マユミ精巧
所在地岩手県 花巻市
業種その他の製造業
技術分野機械制御
従業員数16人
資本金100万円
設立2009年

事業の背景

当社は電気機械器具の設計・製造を行うほか、自動ラップ式ポータブルトイレ「ラップポン」の組み立てを受注している。ラップポンは排泄後の掃除が不要で臭いも抑えられることから需要が右肩上がりの状況にある。ラップポンの組み立て発注者から、装着するフィルムカセットの製造について打診があり、消耗品で安定的な売り上げにつながると考えて取り組むことにした。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力フィルムカセットは消耗品として継続的に売り上げにつながるが、自社で製造する設備がなかった。
  • 新製品・新技術フィルムの折り込みとカットを自動で行う装置は経験のない分野で、開発から始める必要があった。
  • コスト・採算製造ラインを社内に持ち、安定した売り上げと経営の安定を図る必要があった。

やったこと

フィルムの折り込みとカットを自動で行う装置を設計、開発し、設計・開発には約半年を要した。筒状のフィルム原反(約1,000m)を機械で規則的に折り込み、20mごとに自動カットする。1個の折り込みとカットには15~20分を要するため、量産化には長時間稼働が必要と判断した。カットされたフィルムを運ぶコンベアと組み合わせてフィルム加工製造ラインを構成し、試験で当初見込んだ品質を確認した。IoTを活用した監視システムを設置し、異常の情報を担当者に伝え、故障や不具合の履歴をデータとして蓄積できるようにした。ラインは無人で稼働でき、日中8時間・夜間8時間の24時間稼働としている。その後さらに加工製造ラインを2基増設した。

加工機フィルム加工製造ライン
加工機フィルム折り込み・カット装置
その他IoT監視システム

新しい製品・サービス:ラップポン専用のフィルムカセット(フィルム折り込み・カットを自動で行う加工装置で製造)

事業の効果

ラップポンの消耗品であるフィルムカセットを独占的に受注し、安定した売り上げと利益を確保している。装置は無人で稼働でき、省力化により人件費の削減にもつながっている。加工製造ラインを増設した現在、月1,500個のフィルムカセットを製造して納品している。IoTによる稼働データの分析で、さらなる改良にも役立てている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    ラップポンの組み立て受注という既存事業から、フィルムカセット消耗品の製造へ広げた流れが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ラップポン専用装置で市場に流通がなく、メーカーから独占的に受注している点が明示されている。

  • 課題の認識と解決4

    消耗品の継続的な売上確保という課題認識と、製造ラインの増設による量産化の方針が具体的に書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    月1,500個の製造実績と、ライン2基増設後の稼働状況が数字で示されている。付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員16名で装置を自社開発し製造ラインを構築した実績はあるが、人材や事務体制の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ラップポンの需要が右肩上がりで、介護現場と被災地に需要があると書かれ、選ばれる理由として水不要・備蓄性が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    設計開発に約半年、試験稼働を経て製造開始したという手順は読み取れるが、中長期の検証や今後の計画は概略にとどまる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ラップポン専用装置で市場に流通していないと明記され、同分野で独自性の高い製品であることがうかがえる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    介護や災害地域での備蓄需要に触れているが、国が補助する理由としての波及効果や雇用創出は書かれていない。

  • 費用対効果3

    無人稼働による省力化と人件費削減、安定した利益の確保が書かれているが、数値による費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    IoTによる24時間監視と稼働データの分析が使われているが、サプライチェーン全体への貢献までは書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    岩手県花巻市の企業で、被災地需要に触れているが、地域の特性を活かした雇用や成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ラップポンの需要増加に伴いフィルムカセットの需要も今後増えると予想し、新規ラインの増設を含めてさらなる量産体制を整える。今後は特殊フィルムやビニールを使った使い捨て製品の受注も事業展開したいと考えている。

事業者の声

新規ラインを増設し、今後の量産体制を充実させたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。