ものづくり補助金平成25年度製造業滋賀県

医療用精密チューブ押出金型の高精度で市場競争力のある加工方法の開発

株式会社マルミ機械製作所

成果テーパー面の当たり率(テーパー角20度) 60%→85%

この事例のポイント

  • テーパー合わせ面からの原料漏れをゼロに近づけることが求められるが、現在の加工方法ではテーパー合わせを含む全ての加工に時間がかかり、品質が安定しなかった。
  • ベアリングレッドと呼ばれる赤色の塗料を片方の金型に塗布し、色移りによってテーパー面の当たり率を検査した。
  • テーパー面の当たり率(テーパー角20度) 60%→85%。テーパー面の当たり率が向上し、設備導入後は80%近くの当たり率が安定して得られるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社マルミ機械製作所
所在地滋賀県 長浜市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数20人
資本金1,000万円
設立1951年

事業の背景

当社は医療用チューブパイプの金型を手掛けている。医療分野の発達によりチューブパイプは機能面を含め多種多様化し、顧客からは価格・納期対応を含めた高機能化の要求が出ていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度テーパー合わせ面からの原料漏れをゼロに近づけることが求められるが、現在の加工方法ではテーパー合わせを含む全ての加工に時間がかかり、品質が安定しなかった。
  • 人手・技能テーパー合わせの加工に時間を要し、お客様のニーズを満足できていなかった。
  • 新製品・新技術顧客から高機能化・高精度化の要求があったが、現状の設備では要望に応えられなかった。

やったこと

ベアリングレッドと呼ばれる赤色の塗料を片方の金型に塗布し、色移りによってテーパー面の当たり率を検査した。Mazak製ターレット式CNC旋盤QUICK TURN NEXUS 350-ⅡMY UNIVERSAL(650U)を導入した。最大加工径はΦ420mm、最大加工長さは604mm、移動量(XYZ)は260×150×670mm、主軸回転数は3300min-1、チャックサイズは14インチ、取付工具本数は12本である。切削強度に優れ、テーパー加工の再現性が高く、3次元形状の加工にも対応する。段取り替えなしで同じ設備で加工を進められ、時間短縮と高品質化が可能となった。様々な加工パターンを試した。

加工機Mazak製ターレット式CNC旋盤 QUICK TURN NEXUS 350-ⅡMY UNIVERSAL(650U)

事業の効果

  • テーパー面の当たり率(テーパー角20度) 60%→85%
  • テーパー面の当たり率(テーパー角25度) 60%→85%
  • テーパー面の当たり率(テーパー角30度) 55%→80%
  • テーパー面の当たり率(テーパー角35度) 50%→75%
  • テーパー合わせに要する加工時間(テーパー角20度) 22時間→11時間
  • テーパー合わせに要する加工時間(テーパー角25度) 25時間→12時間
  • テーパー合わせに要する加工時間(テーパー角30度) 30時間→12時間
  • テーパー合わせに要する加工時間(テーパー角35度) 35時間→14時間

テーパー面の当たり率が向上し、設備導入後は80%近くの当たり率が安定して得られるようになった。テーパー合わせに要する加工時間は約半分に短縮された。加工精度が大きく向上し、原料漏れを防ぐテーパー合わせ精度も向上した。品質と価格の両面で他社との差別化が以前より図れるようになったと考えられる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    医療用チューブ金型の高精度化要求に対応するため新設備を導入したと書かれているが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置づけは読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客から価格・納期対応を含む高機能化の要求があったと書かれ、他社との差別化に言及があるが、自社の強み・弱みの分析は具体的でない。

  • 課題の認識と解決4

    テーパー合わせ精度の低さと加工時間の長さを課題として明示し、導入後に当たり率を60%から85%、加工時間を半分程度に改善したと数字で示している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    当たり率は導入前60%から導入後85%、加工時間は22分から11分など数値目標と実績が示され、安定して80%前後の加工ができているとされる。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    医療用チューブ金型の多層化の流れと顧客ニーズを説明しているが、ターゲットの規模や選ばれる理由の定量的裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋4

    今後は2層・3層の多層金型へ分野を広げ、テーパー合わせ技術を業界にアピールして受注拡大を図る計画が具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    単層から多層金型へ主流が移ると述べ、テーパー合わせ精度で同分野の高水準化を図る内容が示されている。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果3

    加工時間の半減など生産性向上は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加額の記載はなく費用対効果は読み取れない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面20%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は2層・3層以上の多層金型が医療用チューブ金型の主流になると考えられるため、テーパー合わせの精度向上で得た技術力を業界にアピールし、受注拡大を図る計画である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。