ものづくり補助金平成25年度医療、福祉京都府

歯科技工のアナログ技工から技術の安定・定量化をはかるCAD/CAM技工へ

株式会社ツヤデンタル

成果ジルコニア補綴物の加工時間 180分→30分

この事例のポイント

  • 歯科技工が手作業中心のアナログ技工で、技術の安定と作業の定量化が難しかった。
  • 歯牙模型を最新型スキャナーで読み込み、そのデータをCADに取り込んでいる。
  • ジルコニア補綴物の加工時間 180分→30分。CAD/CAM化により、ジルコニア補綴物の加工時間が180分から30分に短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ツヤデンタル
所在地京都府 京都府亀岡市
業種医療業
技術分野精密加工,立体造形
従業員数22人
資本金1億円
設立1995年

事業の背景

当社は創業から28年、歯科補綴物の製作を続けてきた歯科技工所である。ジルコニアやハイブリッド材料に早くから注目して機械化を進めてきた。2014年4月にCAD/CAMハイブリッドが小臼歯に保険適用となり、歯科医師や国民の新たな要求が生まれたことが、最新型CAD/CAMを導入する契機となった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力歯科技工が手作業中心のアナログ技工で、技術の安定と作業の定量化が難しかった。
  • 品質・精度歯科医院から届く形状データをそのまま機械加工しても適合しない補綴物が多かった。
  • 生産能力メタルボンド材料の加工に約180分かかるなど、工程のボトルネックがあった。

やったこと

歯牙模型を最新型スキャナーで読み込み、そのデータをCADに取り込んでいる。依頼先ごとに異なるデータの特性を把握して修正・調整したうえで、Aadvaミル LW-1でジルコニアやハイブリッド材料を切削する。ハイブリッド材料では金属とハイブリッドの結合による金属色の遮断という課題にも対応した。ジルコニア専用の焼結炉は温度管理を徹底し、焼結加工の精度を安定させている。最終工程は熟練歯科技工士が手作業で仕上げ、100ミクロンレベルの適合精度を確保している。

加工機Aadva ミル LW-1

新しい製品・サービス:ジルコニアおよびハイブリッド材料を用いた高品質な歯科補綴物

事業の効果

  • ジルコニア補綴物の加工時間 180分→30分

CAD/CAM化により、ジルコニア補綴物の加工時間が180分から30分に短縮された。これにより全国の得意先からの受注に翌日出荷で対応できるようになった。ハイブリッド材料でも安定した適合精度を確保でき、金属色の遮断という課題も解決した。仕損率は1%未満に抑えられ、不合格品を出さない体制が整った。その結果、歯科医院や大学病院からの問合せが増え、依頼される業務案件は3倍に増加した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性87%
  • これまでの取組との一貫性4

    創業から28年の歯科技工実績があり、10年前から機械化に取り組んできた経緯が事例に具体的に書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ジルコニアとハイブリッド材料の加工技術と、仕損率1%未満の精度という自社の強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    ジルコニア加工が180分から30分に短縮され、工程のボトルネックを解消する課題と解決策が数字つきで示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、受注が3倍に増えたという結果のみが記載されている。

  • 事業を進める体制3

    熟練歯科技工士による手作業やOJTによる人材育成に触れているが、体制の人数や配置は具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    歯科医院や大学病院、全国の得意先が顧客で、適合精度や翌日出荷対応など選ばれる理由が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望は述べられているが、事業化のスケジュールや課題の解決方法の具体的な記載は見当たらない。

  • 財務と資金の調達2

    設備は自己資金で購入する覚悟があったと述べるのみで、資金調達の見込みや財務状況は書かれていない。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ジルコニアやハイブリッド材料の機械加工を導入し、金属ボンドの180分からジルコニアの30分へ短縮した点が書かれている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    保険適用の変化への対応が背景として書かれるが、雇用創出や経済波及効果の記載は見当たらない。

  • 費用対効果3

    加工時間の短縮と受注3倍という結果は示されるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    CAD/CAMとスキャナーによるデジタル技工化を進め、同業者への協力関係を提供する構想も具体的に書かれている。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    アナログ技工からデジタル技工への転換を図る点が書かれ、業界の構造変化への対応がうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    京都府亀岡市に立地することのみ記載され、地域の特性を生かした雇用や成長への言及は見当たらない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

本事業計画は各方面から求められており、新たな展開のきっかけになると見込まれる。歯科技工士の人材不足が深刻なため、OJTによる人材育成に今後も投資していく。同業者に対して有益な協力関係を提供し、医療現場への社会的な貢献をさらに進める考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。