ものづくり補助金平成25年度学術研究、専門・技術サービス業京都府

「早い、簡単、高精度で安い」四拍子揃った地盤調査試験機器の開発

有限会社ウィルコンサルタント

この事例のポイント

  • 従来のボーリング調査は費用が高く、操作も職人的技術が必要で、通常二人での対応が求められていた。
  • 大学や大手住宅メーカーと連携して各種実証実験を行い、既存のラムサウンディング試験機を改造して2台を完成させた。
  • 新基準に適合したラムサウンディング試験機の開発により、精度の向上と土のサンプリング機能の追加が実現し、試験方法は地盤工学会で基準化された。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社ウィルコンサルタント
所在地京都府 京都府相楽郡精華町
業種技術サービス業
従業員数4人
資本金3,000万円
設立2002年

事業の背景

当社は平成14年の設立時から住宅地盤調査にラムサウンディング試験機を導入し、業歴約15年の地盤調査サービス業を営んでいる。主要取引先は大和ハウス工業株式会社、大和ランテック株式会社、ジャパンホームシールド株式会社などである。ラムサウンディング試験は、ボーリング調査に比べ早く安く高精度に調査できる特色を持つが、住宅地盤以外への導入には公的な基準化が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来のボーリング調査は費用が高く、操作も職人的技術が必要で、通常二人での対応が求められていた。
  • 品質・精度スウェーデン式サウンディング試験は地表が固い場合や礫の多い地盤では貫入できず、下の軟弱層を見逃すことがあったため、精度の向上が必要だった。
  • 新製品・新技術ラムサウンディング試験方法は基準化されておらず、普及のために科学的根拠を確立する必要があった。

やったこと

大学や大手住宅メーカーと連携して各種実証実験を行い、既存のラムサウンディング試験機を改造して2台を完成させた。改造の目的は精度の向上と土のサンプリング機能の追加で、試験機製造メーカーの協力を得て目的を達成した。さらに新基準に適合したラムサウンディング試験機1台を試験機製造メーカーと連携して新造した。また、大手住宅メーカーと共同で土質試験用の土を採取する独自サンプラーを開発し、特許を申請した。

検査測定ラムサウンディング試験機
検査測定新基準適合ラムサウンディング試験機(改造機2台・新造機1台)
検査測定土のサンプリング用独自サンプラー

新しい製品・サービス:新基準に適合したラムサウンディング試験機および土のサンプリング機能を備えた独自サンプラー。

事業の効果

新基準に適合したラムサウンディング試験機の開発により、精度の向上と土のサンプリング機能の追加が実現し、試験方法は地盤工学会で基準化された。これにより公共工事やビル・共同住宅建設の地盤調査への導入が広がると見込まれ、住宅地盤以外への事業拡大が期待される。また、ラムサウンディング試験機によるシェア拡大が見込まれ、この分野でのパイオニアとしての地位確立を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    業歴約15年の地盤調査事業と13年間のラムサウンディング試験への取組みが書かれ、一貫性はうかがえる。経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ボーリングに比べ早く安く高精度という強みと、住宅地盤の年間42万軒・市場210億円の推定が示され、外部環境と強みの関係が読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    精度向上とサンプリング機能追加を事業の柱とする課題認識が書かれ、盛土管理システム開発にも触れるが、事業計画の数値は薄い。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値創出や賃上げの目標値は書かれていない。シェア拡大が期待されるとの記述のみ。

  • 事業を進める体制4

    大学・大手住宅メーカー・試験機製造メーカーとの連携体制や、大手住宅メーカーとの共同特許申請が具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    早い・簡単・高精度で安いという特色、ボーリングとの比較、主な顧客層と営業展開先が明確に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    基準化の経緯や盛土マネジメントシステム開発など中期の取組みは書かれるが、スケジュールや課題解決方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ラムサウンディング試験方法は地盤工学会で基準化された新しい試験法で、従来のボーリングと比べ普及度が低い分野と読み取れる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    住宅地盤の沈下ゼロや公共工事・熊本地震の益城町の調査への拡がりが書かれ、社会的な意義はうかがえるが、経済波及の数値は薄い。

  • 費用対効果3

    ボーリングに比べコストパフォーマンスが非常に高く、調査時間も大幅に短縮と書かれるが、補助金額対比の数値はない。

  • イノベーションへの貢献3

    独自サンプラーや盛土管理の一括管理システムなど新しい技術開発が書かれ、イノベーションの方向性はうかがえる。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    公共工事やビル・共同住宅建設への導入拡大は書かれるが、日本経済の構造転換との関連は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    諏訪湖周辺や益城町の調査に関わる記述はあるが、地域の雇用創出や地域経済成長への言及はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

宅地盛土マネジメントシステムの開発を進め、地盤調査の信頼性強化と効率化を図るとともに、住宅地盤会社としての補償体制の充実を図る。

  • 目標:戸建ての市場規模は年間42万軒程度で、地盤調査の市場規模は年間210億円と推定される。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。