ものづくり補助金平成25年度製造業京都府

加工は印刷を救う。CADシステムによるパッケージ商品開発支援事業

京都美術化工株式会社

成果担当者は3日間でCADの操作をつかみ、自在に操ることができた。

この事例のポイント

  • 通販印刷の普及と紙媒体需要の縮小により、小規模印刷事業者は価格競争や納期競争に巻き込まれ、活路を見出せずにいる。
  • CADシステムを導入し、印刷事業者から預かった図面データを事前に共有して修正や作成を行えるようにした。
  • 担当者は3日間でCADの操作をつかみ、自在に操ることができた。CADの導入により、印刷事業者から預かった図面データを事前に共有して修正や作成ができるようになり、大幅な時間短縮と作業…

事業者のプロフィール

事業者名京都美術化工株式会社
所在地京都府 京都市
業種印刷・同関連業
技術分野情報処理
従業員数45人
資本金1億円
設立1962年

事業の背景

当社は半世紀にわたり印刷物の後工程であるポストプレス(箔押し、断裁、折り加工、糊付けなど)に特化してきた。縮小傾向の印刷業界、特に小規模印刷事業者は売上の減少と利益率の低下に直面しており、大手印刷会社はプリプレスとポストプレスを内製化する動きを強めている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑通販印刷の普及と紙媒体需要の縮小により、小規模印刷事業者は価格競争や納期競争に巻き込まれ、活路を見出せずにいる。
  • 販路・情報発信従来の何千枚という受注が減り、数百枚・数十枚の小ロット要望に応えざるを得なくなっている。
  • 生産能力指定図面通りに加工しても組み立てにくい、微妙なズレが生じることがあり、顧客の完成品にならないケースがあった。
  • コスト・採算図面の書き直しによるやり直しが発生し、時間ロスと作業コストが生じていた。
  • 人手・技能社内にCADを操作できる経験者がいなかった。

やったこと

CADシステムを導入し、印刷事業者から預かった図面データを事前に共有して修正や作成を行えるようにした。CADの操作は担当者が3日間で習得した。顧客に対しては、製品のアイデアをもとにCADで試作品を製作し、新たな印刷商品を開発する企画提案型の支援を始めた。印刷工程は行わず、顧客である印刷事業者と協働する体制とした。

ソフトArtiosCAD
加工機サンプルカットマシンNS-R0907
加工機Ns-CreseLine8ATC

新しい製品・サービス:登録商標「薄雲紙」を使ったパッケージ、化粧箱、絵葉書、ブックカバー、ポスター、カレンダー、カタログなどの新商品

事業の効果

  • 担当者は3日間でCADの操作をつかみ、自在に操ることができた。

CADの導入により、印刷事業者から預かった図面データを事前に共有して修正や作成ができるようになり、大幅な時間短縮と作業の効率化が実現した。従来の「またやり直しか」がなくなった。ポストプレスに加えプリプレスの一部である図面のノウハウを活かせるようになり、小規模印刷事業者への新商品開発支援が充実した。従来の待ちの営業から企画提案型の攻めの営業へ移行し、展示会出展で新規顧客獲得の第一歩を得た。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    印刷後の特殊加工に特化し半世紀の実績があり、CAD導入でプリプレスの一部を担う方向へ広げたと読める。ただし中長期の戦略文書としての記載は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    小規模印刷事業者の価格・納期競争や通販印刷の台頭という外部環境と、箔押し・トムソン抜き等の自社の一貫生産力を対比して述べている。

  • 課題の認識と解決4

    図面修正の手戻りや時間ロスという課題を認識し、CAD導入による図面の事前共有・修正で時間短縮と効率化を図る計画になっている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    時間短縮や効率化は述べられているが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値や数字は見当たらない。

  • 事業を進める体制3

    社内に経験者がいない中、担当者が3日間でCAD操作を習得した経緯があり、体制は読み取れるが人員計画の記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    小規模印刷事業者向けの小ロット・新商品開発支援というターゲットと、薄雲紙などの商品例は読み取れるが、ニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    CAD導入から効果発現までの経緯は書かれているが、中長期の課題検証やスケジュールの記述は見当たらない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    パッケージ商品開発支援という分野で、印刷物の装飾性や機能性への要求の高度化に応える点は読み取れるが、市場水準の数字は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    印刷業界の縮小という課題に対し小規模事業者を後方支援する点はうかがえるが、経済波及や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果2

    時間短縮や作業効率化が実現したと書かれているが、補助金額に対する付加価値増加などの費用対効果の数字は見当たらない。

  • イノベーションへの貢献3

    CADによる図面共有で顧客と協働する仕組みを作り、デザイン会社との協働も視野に入れており、サプライチェーンでの連携はうかがえる。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    京都の企業として商品開発を支援する点はうかがえるが、地域の特性を活かした雇用や成長への言及は限定的。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も積極的な営業活動を続け、「プリプレスができるポストプレス会社」という特長をアピールしていく。デザイン会社などとの協働によるパッケージ商品開発支援も進めていく。

事業者の声

自分たちが作ったモノに自信があり、誇りになり、人に自慢したくなる。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。