ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

超高感度小型静電容量変換器及びセンサーの開発

山本電機インスツルメント株式会社

成果変換器の体積 100%→25%

この事例のポイント

  • 既存のHC102は部品点数と部品サイズが大きく、機器サイズが大きいため採用が難しい現場が出てきた。
  • デジタル技術を用いたフルモデルチェンジに着手し、プリント基板や電子部品を一から見直してセンサー部やケーブル類の仕様も変更した。
  • 変換器の体積 100%→25%。試作品の体積は既存のHC102と比べて約4分の1になり、量産段階ではさらに半減できる見込みである。

事業者のプロフィール

事業者名山本電機インスツルメント株式会社
所在地大阪府 大阪府吹田市
業種電気機械器具製造業
技術分野測定計測
従業員数12人
資本金1,000万円
設立1973年

事業の背景

創業当時から静電容量センサーの技術を磨いてきた開発型企業で、祖業は食品や石油化学などのタンクの内容物を把握するレベルセンサーである。昭和63年に開発した超高感度静電容量変換器HC102はロングセラーの特徴的な製品だが、開発から30年近く経ち機器サイズが大きくなっていた。静電容量センサーは生産設備の自動化の広がりとともに普及し、センシングのニーズはあらゆる分野で増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術既存のHC102は部品点数と部品サイズが大きく、機器サイズが大きいため採用が難しい現場が出てきた。
  • 新製品・新技術開発から30年近くが経過し、幾度かのマイナーチェンジで機能は高めてきたものの、多様な市場に共通する小型化のニーズに応えられていなかった。

やったこと

デジタル技術を用いたフルモデルチェンジに着手し、プリント基板や電子部品を一から見直してセンサー部やケーブル類の仕様も変更した。電子部品を見直して高機能化し、アナログ処理をデジタル処理に変えることで、基板を2枚から1枚にした。試作した超高感度小型静電容量変換器HD102は、縦110mm×横160mm×高さ60mmで、既存のHC102と比べて体積が約4分の1になった。変換器とセンサー部をつなぐケーブルは直径11mmから5mmに抑え、センサー部は設計の工夫で体積を約半分にした。流量計に用いる場合はセンサー部と変換器を一体化してケーブルをなくし、センサー部自体も体積を半減した。現在はさらなる小型化と評価試験を進めている。

新しい製品・サービス:超高感度小型静電容量変換器「HD102」

事業の効果

  • 変換器の体積 100%→25%
  • センサー部の体積(流量計用一体化の場合) 100%→50%
  • 変換器とセンサー部をつなぐケーブルの直径 11mm→5mm
  • プリント基板の枚数 2枚→1枚

試作品の体積は既存のHC102と比べて約4分の1になり、量産段階ではさらに半減できる見込みである。部品の見直しとデジタル処理への変更により、基板を2枚から1枚にできた。小型化により、洋上風力発電機の潤滑油内の水分測定や、人感センサーとしての介護・防犯分野での利用など新たな用途提案が進んでいる。組み込む装置のデザイン自由度を高めたいという顧客ニーズにも対応できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性87%
  • これまでの取組との一貫性4

    創業当時から静電容量センサーの技術を一貫して磨いてきたと述べられ、昭和63年のHC102など過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    多種多様な測定に対応できる企業は少ないとし、体積約4分の1の小型化で新用途や人感センサーとしての展開も示されている。

  • 課題の認識と解決5

    既存HC102は部品点数と基板枚数が多く、採用が難しい現場も出ていると課題を示し、体積約4分の1、量産で半減の見込みと数値で解決策を示している。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値品中心の戦略への転換はうかがえるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていません。

  • 事業を進める体制3

    従業員12名の開発・生産体制と開発力への言及はあるが、事業遂行に必要な人材や事務処理体制の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    液体・粉粒体のレベル測定、水分測定、濃度測定など用途を具体的に挙げ、介護や防犯など顧客ニーズへの対応も述べられている。

  • 事業化までの道筋4

    平成29年初め頃の市場投入を計画し、さらなる小型化と評価試験を進めていると、時期と段階が示されている。

  • 財務と資金の調達2

    資本金1,000万円、従業員12名の記載はあるが、財務状況や資金調達の見込みは書かれていません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    静電容量式は昭和30年代から普及した分野だが、多種多様な測定を可能にする企業は少ないとされ、高付加価値品を手がける点がうかがえる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    洋上風力発電や船舶、発電所の潤滑油測定など用途の広がりは示されるが、国が補助する積極的な理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    体積や基板枚数の削減は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加や生産性向上の数値は書かれていません。

  • イノベーションへの貢献4

    アナログ処理をデジタル処理に変更し基板を1枚にしたほか、デジタル技術を用いたフルモデルチェンジである点が具体的に書かれている。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    洋上風力や船舶用の潤滑油測定、品質・生産管理分野への展開が述べられ、成長分野への進出がうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    本社所在地は吹田市と示されるが、地域の特性を活かした雇用や地域経済への波及についての記述はありません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

さらなる小型化と評価試験を進め、平成29年初め頃の市場投入を計画している。静電容量を用いたセンサーの活躍の場はさらに広がると見込まれている。

事業者の声

「静電容量を用いたセンサーはいろんな分野で活用できる。使える場所に際限は無く、将来の可能性はどんどん広がる」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。