ものづくり補助金平成27年度製造業和歌山県

簡単ツールで見える化 ・IoTの第1歩を実現無線設備稼働管理システムを試作開発

アイレス電子工業 株式会社

この事例のポイント

  • 旧型の設備は稼働情報を収集するネットワーク機能がなく、データ収集にはネットワークの敷設や大掛かりな装置が必要で、中小企業は導入を断念することがほとんどだった。
  • 低価格で効率的に設備の稼働データを収集できる無線設備稼働管理システム「Ailes Magic Bee AD」を試作開発した。
  • 旧型設備にも後付けできる低コストなパッケージ製品により、これまで導入を断念していた中小企業でも設備の稼働データを収集できるようになる。

事業者のプロフィール

事業者名アイレス電子工業 株式会社
所在地和歌山県 海南市
業種電気機械器具製造業
技術分野情報処理,測定計測
従業員数98人
資本金1億円
設立1980年

事業の背景

同社は1980年創業のシステム事業者で、産業用電子機器の設計開発を主力とし、FA機器システム、ICTシステム、セキュリティシステムの3つの事業を柱とする。既存顧客から設備の稼働状況や電力使用の状況を知りたいという要望が多くあった。大手企業では稼働管理や履歴管理の見える化が進んでいる一方、中小企業の設備は新型と旧型が混在し、旧型設備を使い続ける企業も多い。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力旧型の設備は稼働情報を収集するネットワーク機能がなく、データ収集にはネットワークの敷設や大掛かりな装置が必要で、中小企業は導入を断念することがほとんどだった。
  • コスト・採算ハードウェア、ソフトウェア、インフラ整備のすべてで費用がかさんでいた。
  • 新製品・新技術従来は専門家を相手に専用システムを開発していたため、分かりやすさを重視した開発の経験が少なかった。

やったこと

低価格で効率的に設備の稼働データを収集できる無線設備稼働管理システム「Ailes Magic Bee AD」を試作開発した。旧型の機械設備に後付けでき、パッケージ製品として導入コストを従来より抑えた。簡単にソフトウェアをインストールでき、操作性の高い画面構成とするなど汎用性を重視した。無線ネットワークに対応し、電池で動作することもできる。設備の稼働信号、電力使用量データなどを収集し、パソコンでグラフ表示や分析ができる。

ソフト無線設備稼働管理システム「Ailes Magic Bee AD」

新しい製品・サービス:無線設備稼働管理システム「Ailes Magic Bee AD」

事業の効果

旧型設備にも後付けできる低コストなパッケージ製品により、これまで導入を断念していた中小企業でも設備の稼働データを収集できるようになる。標準的なパッケージ製品として販売できるため、効率的な販売も期待できる。ものづくり現場の見える化に大きく貢献できる可能性がある。今後は収集データの分析を通じてコンサルティング領域へ事業を広げ、AIを活用した提案体制も整える予定である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    FA機器・ICT・セキュリティの3事業と既存顧客からの稼働状況把握の要望が書かれ、事業の延長線上に位置づけられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    大手企業は見える化で効率化が進む一方、中小企業は旧型設備のデータ収集を断念していると市場課題が述べられ、強みとの対応は読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    旧型設備のデータ収集の課題認識と後付け可能なパッケージ製品による解決方針が示されている。ただし高付加価値化の数値目標は薄い。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    開発体制として約98人の従業員や全国6拠点の記載はあるが、補助事業を担う具体的な人員配置は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    旧型設備にも後付け可能、導入コストを抑えられ、中小企業での導入が期待されると、顧客ターゲットと選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    製品改良、2017年10月の販売開始予定、AIを活用したトレーサビリティへの展開など、段階的な計画が書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    設備の稼働データを低価格で収集できる点を特徴とし、既存の見える化市場より導入しやすい製品として位置づけられている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    中小企業の見える化推進が必須になると予想されると述べられているが、雇用創出や波及効果の具体的な記載は少ない。

  • 費用対効果2

    導入コストを従前より抑えられる点は書かれているが、投入額に対する付加価値や生産性の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    IoTからIoEへの流れを踏まえ、設備データ収集からAI活用やトレーサビリティへ展開する点がサプライチェーンへの貢献として読み取れる。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    IoT・IoEへの時代の流れに沿った分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換との関係は明示されていない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

製品改良を進め、2017年10月の本格的な販売開始を予定している。収集したデータの分析を通じて顧客の製造品質向上や効率化につながるコンサルティング領域へ事業を拡大したいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。