ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

工業用ブラックダイヤモンドを使用した装飾品の試作開発事業

楠本技研株式会社

この事例のポイント

  • 一次下請けのため大手顧客の動向に左右されやすく、将来の見通しが立ちにくい。
  • 工業用特殊材質を使った装飾品の試作開発に取り組んだ。
  • 工業用特殊材質を使った装飾品は他社にも前例がなく、オリジナル性が高い製品として試作できた。

事業者のプロフィール

事業者名楠本技研株式会社
所在地大阪府 堺市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工,接合・実装,表面処理,複合・新機能材料,立体造形
従業員数5人
資本金1,000万円
設立1954年

事業の背景

昭和29年に初代社長が創業し、機械や金型の製造と部品加工を手がけてきた。主な事業は焼結ダイヤモンドやセラミックス、インコネル、タングステン、チタンなどの耐摩耗用途の特殊な難削材の微細加工で、1品ごとのオーダーメイドで受注している。従業員は5名で、一次下請けとして大手顧客の動向に左右されやすいことが経営上の課題になっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • その他一次下請けのため大手顧客の動向に左右されやすく、将来の見通しが立ちにくい。
  • 生産能力装飾品の製作構想は8年ほど前から温めていたが、本業が多忙で前に進まなかった。
  • 販路・情報発信装飾品の認知度向上と販路の開拓が主な課題である。

やったこと

工業用特殊材質を使った装飾品の試作開発に取り組んだ。装飾品は本業と異なる分野だが、難削材の微細加工技術を生かした。特殊材質を使った装飾品は前例がなかったため、何度もテスト加工を繰り返し、加工の条件と方法を確立した。ペンダント、ゴルフのマーカー、時計の文字盤などを合計10個試作した。ペンダントは金と組み合わせた構造にし、高級感のあるデザインに仕上げた。時計の文字盤については、装飾関係者からアドバイスを受けて試作した。

新しい製品・サービス:工業用特殊材質を加工した装飾品(ペンダント、ゴルフマーカー、時計の文字盤など)

事業の効果

工業用特殊材質を使った装飾品は他社にも前例がなく、オリジナル性が高い製品として試作できた。特殊材質の装飾品は一般の消費者にはなじみが薄いが、固有の美しさやデザイン性に惹かれる顧客のニーズを開拓できると見込んでいる。平成29年1月に東京の国際宝飾展へ出品し、平成28年中に自社ウェブサイトを立ち上げて認知度を高める計画である。長年の構想を補助事業で実現したことで、本業とは別に新たな事業の柱を育てる足がかりができた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    下請け体質からの脱却が経営課題とされ、自社製品開発を検討してきたとあるが、事業計画との明確な位置付けは薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    難削材の微細加工を数十年扱ってきた強みと、特殊材質の装飾品は前例がなく他社との競合がないとの市場認識が書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    一次下請けで大手の動向に左右される課題を認識し、装飾品の認知度向上と販路開拓を課題に挙げ、国際宝飾展出品やウェブサイト開設を計画している。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    目標値として数値は示されず、事業を一人前にするには3年から5年かかるだろうとの見通しのみで、高付加価値化の目標値は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    本業が多忙で構想が進まなかったこと、設計やデザインを自社で行う必要があることは書かれているが、体制の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ペンダント、ゴルフマーカー、時計の文字盤を10個試作し、オリジナル性にひかれる顧客ニーズを開拓できると想定していると書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    平成28年中のウェブサイト立ち上げや平成29年1月の国際宝飾展出品など時期は示されているが、課題解決方法の検証内容は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    同様な装飾品は市場に存在しなかったとあり、工業用特殊材質を装飾品に用いる独自製品で、他社との競合がないと書かれている。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    地域の宝飾品分野での雇用創出や波及効果は書かれていないが、特殊材質の装飾品という新たな需要創出の可能性はうかがえる。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    独自の装飾品をデザインから自社で設計する新たな取組はうかがえるが、先端的デジタル技術の活用は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    下請け体質から自社製品開発へ転換する点は読み取れるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    大阪府堺市の企業であることは示されるが、地域特性を活かした雇用創出や地域成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

特殊材質の装飾品事業を3年から5年かけて一人前にし、当社の柱の事業に育てたい。

事業者の声

特殊材質を装飾品に加工する技術は、他社にはうまくできない

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。