ものづくり補助金平成25年度建設業大阪府

植物工場、農業ハウス用軽量かつフレキシブルな太陽光発電システムの開発

エコホールディングス株式会社

成果ハウスで最大10kW時

この事例のポイント

  • 既存の結晶型や薄膜型の太陽電池パネルは重量が重く、植物工場や農業ハウスの屋根に設置すると重すぎるうえ、植物の生育に合わせて設置形態を変えることが難しい。
  • 中小企業庁の「ものづくり補助金」を活用し、米国企業が開発した軽くて曲がるフレキシブルシート状太陽電池パネル「PowerFLEX」を用いた農業用太陽光発電システムを開発した。
  • ハウスで最大10kW時。軽量でフレキシブルな太陽光発電システムにより、アーチ式農業ハウスや重量物を載せられない屋根にも設置できるようになり、植…

事業者のプロフィール

事業者名エコホールディングス株式会社
所在地大阪府 神戸市
業種設備工事業
従業員数30人
資本金8,800万円
設立2006年

事業の背景

平成18年に設立された同社は、もとは物販を行っていたが、6年前から農業と環境・エネルギーをつないだ新分野の事業を展開している。太陽光発電システムの設計施工を柱に、パネルの卸売から始めてシステム施工に進出し、産業用からメガソーラー発電所まで納入実績がある。太陽光発電システム市場は飽和が叫ばれている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術既存の結晶型や薄膜型の太陽電池パネルは重量が重く、植物工場や農業ハウスの屋根に設置すると重すぎるうえ、植物の生育に合わせて設置形態を変えることが難しい。

やったこと

中小企業庁の「ものづくり補助金」を活用し、米国企業が開発した軽くて曲がるフレキシブルシート状太陽電池パネル「PowerFLEX」を用いた農業用太陽光発電システムを開発した。奈良県内に設置したアーチ式農業ハウスとコンテナ式植物工場に、軽量でフレキシブルな太陽光発電システムを搭載して栽培の実証実験を行い、事前のシミュレーションで発電量を適切に得られる施工方法を検討した。ハウスではトマトやサヤエンドウ、ブルーベリーなど多くの品種を栽培し、植物工場ではニンニクの軽石栽培で効果を確認した。ハウスの屋根にシートパネルを設置すると日照不足によりトマトやサヤエンドウなど一部で病害が出たが、施工の工夫で克服できることがわかった。

その他フレキシブルシート状太陽電池パネル「PowerFLEX」
その他農業用太陽光発電システム(アーチ式農業ハウス用・コンテナ式植物工場用)

新しい製品・サービス:軽量でフレキシブルな農業用太陽光発電システム(PowerFLEXを用いたもの)

事業の効果

  • ハウスで最大10kW時
  • コンテナ式植物工場で同1.62kW時

軽量でフレキシブルな太陽光発電システムにより、アーチ式農業ハウスや重量物を載せられない屋根にも設置できるようになり、植物の生育に応じた設置が可能になった。アーチ式農業ハウスとコンテナ式植物工場の両方で具体的な試作を行い、農業用太陽光発電システムの商品として実用化するための成果を得た。夏季の日照が強い時期に寒冷紗をかけずに済む利点もあった。トラックへの取り付けで車検をパスできる特徴を生かし、アイドリングストップ中の補助電源や防災用テントの電源としての用途も期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成18年設立後、6年前から農業と環境・エネルギーの新分野に展開しており、事業の一貫性は読み取れるが経営戦略上の位置づけの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    結晶型パネルは重量が重く設置形態を変えにくいという市場課題に対し、軽量フレキシブルなPowerFLEXで対応する点が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    ハウス設置時の日照不足による病害という課題を施工の工夫で克服し、今後は全国の気候や栽培方法に応じた展開を計画している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、実現可能性を示す数値目標はうかがえない。

  • 事業を進める体制3

    従業員30名や研究開発・実証の実績から体制はうかがえるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    軽量・施工自由度の高さ、アーチ式ハウスやコンテナ工場への適合など、製品価値と選ばれる理由が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋4

    アーチ式ハウスとコンテナ式植物工場で試作し、今後は気候や栽培方法に応じた検討と全国展開を進める段階が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    既存の太陽光発電市場は飽和が叫ばれる中、軽量フレキシブルなシートパネルで農業用途や新用途を開拓しており、新市場性が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    農業と環境・エネルギーの新分野を開拓し、農業法人や農機具販売店へのアプローチを行う点はうかがえるが、波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金額や投入額に対する付加価値増加、生産性向上などの費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    フレキシブル太陽光発電の新用途開拓や大学との連携による新技術開発が書かれ、イノベーションの方向性はうかがえる。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    農業と再生可能エネルギーの分野進出はうかがえるが、日本経済の構造転換への寄与は明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    神戸を拠点とする企業が奈良県の農業ハウスで実証しており地域の農業に関わるが、地域経済の成長への寄与は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は全国の農業法人や農機具販売店にアプローチし、農業用途に加えて新たな需要を開拓していく。奈良県での実験にとどまっているが、全国各地の気候や栽培方法に応じたシステムの検討と、栽培する作物の種類の拡大を進める。

事業者の声

これまで世の中にはなかった太陽光発電の設置事例をスピードをもって広げたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。