ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

オーダーメイドポロシャツのIT化(スマホ及び三次元CAD)による受注拡大

株式会社ニット工房

この事例のポイント

  • 従来のインターネット受注システムは平面でしか商品を表示できず、パソコンからしかアクセスできなかった。
  • 3DCADを導入し、立体画面でオーダーメイドポロシャツをカスタマイズできるインターネット受注サイト「Knit Garden(ニットガーデン)」を平成27年6月に立ち上げた。
  • インターネット受注システムを刷新したことで、スマートフォンやタブレットからも閲覧できるようになり、インターネットによる拡販の準備が整った。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ニット工房
所在地大阪府 大阪市旭区
業種繊維工業
技術分野情報処理
従業員数9人
資本金2,500万円
設立2001年

事業の背景

ニット工房は大阪市旭区に拠点を置くアパレルメーカーで、親会社の企画開発部門を担う子会社として平成13年に設立された。相手先ブランド生産(OEM)のほか、自社製のオーダーメイドポロシャツの製造と販売を手掛けている。2000年代にファストファッションが台頭する中、1万円を超える高価な一品モノのポロシャツは注目されにくく、厳しい状況が続いていた。最近では高付加価値商品や一点モノへの関心が再び高まっており、年間の販売数は4,000枚から5,000枚程度である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信従来のインターネット受注システムは平面でしか商品を表示できず、パソコンからしかアクセスできなかった。
  • 販路・情報発信スマートフォンで衣料品を買い求める人が増えており、時代の流れに合わせるためにシステムを刷新する必要があった。
  • 販路・情報発信1万円を超える高価な一品モノのポロシャツへの注目度は高くなく、厳しい状況が続いていた。

やったこと

3DCADを導入し、立体画面でオーダーメイドポロシャツをカスタマイズできるインターネット受注サイト「Knit Garden(ニットガーデン)」を平成27年6月に立ち上げた。スマートフォンやタブレット端末でも利用できるようにし、パソコンからしか見られなかった従来の仕組みを改良した。生地の素材や色は約170通りのパターンから選べ、襟袖の形状、丈の長さ、ボタンの色なども自分好みにカスタマイズできる。オーダーメイド仕様専用の裁断機を導入し、鳥取県の工場で縫製する体制を整えた。顧客からの1枚の受注に対応し、約3週間で出荷できる。

ソフト3DCAD
ソフトインターネット受注システム(Knit Garden)
加工機オーダーメイド仕様専用の裁断機

新しい製品・サービス:3Dオーダーメイド受注システム(Knit Garden)

事業の効果

インターネット受注システムを刷新したことで、スマートフォンやタブレットからも閲覧できるようになり、インターネットによる拡販の準備が整った。従来の中高年の富裕層に加え、スマートフォンを使う若い世代への浸透も見込まれている。今後は「ニットガーデン」の認知度を高め、アクセス数を伸ばすことが課題となっている。販売数や閲覧数の目標は示されているが、効果の実績はまだ書かれていない。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    平成17年から立ち上げたインターネット受注システムを平成27年に刷新しており、既存取組の延長線上で一貫した投資であることが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    スマホで衣料品を買う人が増えたという外部環境を踏まえ、約170通りの生地パターンと3DCADによる立体画面を強みとして打ち出している。

  • 課題の認識と解決4

    1日の閲覧数が約100件にとどまる課題を認識し、10倍への引き上げを目標に、SNS活用や販路拡大策を具体的に示している。

事業の実現可能性72%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    年間4,000〜5,000枚を3年以内に15,000枚へ伸ばす数値目標と、閲覧数10倍の目標が示されている。ただし実現根拠までは書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員9名の体制と、鳥取県の工場で1枚単位の受注に3週間程度で出荷する体制は示されているが、人材や事務処理能力の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け5

    「世界にひとつだけのポロシャツ」を中高年富裕層から若い世代まで訴求し、生地・襟袖・丈・ボタンを自分好みに選べる点が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋4

    季節ごとの生地更新、英語表記のホームページ対応、沖縄グループとの連携、3年以内の目標など、中長期の進め方が具体的に述べられている。

  • 財務と資金の調達2

    公開事例の企業概要に資本金25,000千円が記載されているのみで、補助事業を遂行する財務状況や資金調達の見込みは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    一着1万円を超える高価なオーダーメイドポロシャツで、一般的な普及度は高くない分野において、高水準の高付加価値化を図っている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    国内産素材の使用と国内工場での縫製、沖縄のグループ会社との連携が述べられているが、経済波及や雇用創出の規模は示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金の投入額や付加価値額の増加、生産性向上の数値が示されておらず、費用対効果はわずかにうかがえる程度である。

  • イノベーションへの貢献4

    3DCADによる立体画面でのカスタマイズや、SNSを活用したネット閲覧への誘導など、デジタル技術を活用した販売の仕組みが具体的に書かれている。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    高付加価値商品や一点モノへの関心が再び高まっているという市場の動きは読み取れるが、日本経済の構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及3

    大阪市旭区の拠点、国内工場での縫製、高品質なものづくりを通じた地域の製造基盤の活用がうかがえるが、地域経済への効果は具体性が薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

3年以内に年間販売数を15,000枚まで伸ばすことを目指している。将来的には海外への販路拡大も視野に入れ、日本語のみのホームページを英語表記にも対応させる予定である。沖縄県のグループ会社パイプニットでも同様の3DCADを用いたオーダーメイドシステムを開発しており、連携を強めて販売を促進する考えである。

事業者の声

ただ着られたらいい商品ではなく、付加価値の高い満足してもらえる商品を提供する

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。