ものづくり補助金平成27年度製造業大分県

成形機への作業割当、実績収集のIoT化による作業の見える化と工数削減の実施

豊洋精工株式会社

この事例のポイント

  • 成形機への作業割り当てや原料出庫、投入確認、生産日報などを手書きやエクセルで行っており、工数がかかり属人化していた。
  • 本社に隣接する大添工場に、原料の出庫・投入、生産計画、生産日報の3要素を盛り込んだシステムを導入した。
  • 成形機への作業割り当てのIT化により工数が大幅に減り、属人化も防げるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名豊洋精工株式会社
所在地大分県 国東市
業種プラスチック製品製造業
技術分野情報処理,精密加工
従業員数383人
設立1977年

事業の背景

豊洋精工株式会社は自動車部品・カメラ部品を中心とする射出成形品の製造事業者である。自動車部門では以前から独自の生産管理システム「F-ONE(エフワン)」を導入していた。中国のグループ会社・湖北豊洋では2014年から生産現場にタブレットを導入していたが、生産実績と可動率の集約にとどまりネットワーク化は実現していなかった。九州は自動車生産拠点として各メーカーの操業が安定しており、地場企業も一定の仕事量が見込まれている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能成形機への作業割り当てや原料出庫、投入確認、生産日報などを手書きやエクセルで行っており、工数がかかり属人化していた。
  • 生産能力生産工程の工数と属人化を減らすため、全工程で使える一貫したシステムを確立する必要があった。

やったこと

本社に隣接する大添工場に、原料の出庫・投入、生産計画、生産日報の3要素を盛り込んだシステムを導入した。原料の出庫と成形機への投入にはハンディターミナルを使い、手書きだった管理を機械処理に変えた。生産計画は顧客からの内示データをF-ONEに反映させ、必要な生産量に基づいて時間軸を自動で設定し、計画表や原料出庫量を自動計算で作成する仕組みとした。生産日報は作業現場に設置したハンディターミナルで、生産実績、不良数、進捗状況、不良率をリアルタイムに把握できるようにした。品目ごとの作業注意点もハンディターミナルで確認できるようにした。

  • ソフトハンディターミナル生産管理システムF-ONE

事業の効果

成形機への作業割り当てのIT化により工数が大幅に減り、属人化も防げるようになった。原料投入はハンディターミナルで管理し誤投入を防ぎ、不良数をリアルタイムに把握して異常値の早期発見と集計分析の工数削減につながった。担当者が変わっても業務が滞らず、人に依存しないシステムの有用性が示された。現場から改善案が多く出るようになり、改善マインドも刺激された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.6 / 514観点のうち11観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決手書き・エクセル管理の工数と属人化が課題と明示され、ハンディターミナル導入で工数を大幅削減したと記載されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    強み・弱みを踏まえた優位性自動車部門の好調な操業見通しに触れるが、競争優位性や自社の強み・弱みの分析は書かれていない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の生産管理システムF-ONEを基に全工程へ拡張する方針が読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    自動車部門の好調な操業見通しに触れるが、競争優位性や自社の強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    手書き・エクセル管理の工数と属人化が課題と明示され、ハンディターミナル導入で工数を大幅削減したと記載されている。

事業の実現可能性2.6
  • 付加価値・賃上げの目標2

    工数を大幅に削減したとあるが、削減率や付加価値・賃上げの目標数値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    総務部経理課主任の名前と担当者変更時もスムーズだった点はあるが、補助事業を遂行する体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け2

    顧客ターゲットやニーズの裏付けは書かれず、自社の生産効率化が中心である。

  • 事業化までの道筋3

    大添工場での導入後、豊洋メットへの試験運用、10年後の全工程自動化という段階的計画が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性判断できません
  • 新しさ・高付加価値ー

    公開情報では判断できません。

公的補助の必要性2.5
  • 波及効果・雇用ー

    公開情報では判断できません。

  • 費用対効果2

    工数の大幅削減とあるが、補助金額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    ハンディターミナルやリアルタイム把握によるIoT化で、グループ全体への展開も示されている。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    大分県国東市の地域立地に触れるが、地域の雇用創出や経済成長への貢献は書かれていない。

今後の展望

大添工場での成功をもとに全社的なIoT化を進める。今年秋にはグループ会社の豊洋メットでも試験運用を始める。10年後には全工程で自動化工場を目指す。

  • 目標:社員数383名

事業者の声

IT化した工場として、よりブラッシュアップし、他の中小企業より一歩進んだメーカーとして評価してもらいたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。